薬学部生の6年間【5年生】実務実習病院編

記事
コラム
皆さんこんにちは。
前回は薬学部の一つ目の壁であるOSCE、CBTについて解説していきました。
必死に勉強してようやく5年生になりますと、いよいよ現場での実習が始まります。
実習は病院・薬局でそれぞれ約2.5カ月間です。それ以外の時間はなにをしているかというと、研究室で卒業研究に必要な実験をしたり、定期で行われる講義に出たり、今までに取りこぼした単位を取りに行ったりと人によってやることは変わってきます。早い人ではこの時期から国家試験の勉強をコツコツ始めている人もいます。
5年生(実習編)は内容が多くなるため、病院実習、薬局実習とそれぞれの回で述べていきます。今回は病院実習についてです。

【病院実習】
まず、前提ですが、病院における薬剤師の働き方についてはあまり知っている方はいないと思います。なので、簡単に業務内容をお話ししたのち、実習内容に切り込んでいきます。
病院薬剤師の仕事は各施設によって多岐に渡るため、すべてを網羅することはできませんが、根幹となる部分は共通していますので、その点はご了承ください。

【病院薬剤師業務】
・入院患者の内服調剤
・外来患者の内服調剤
・入院患者の注射調剤・混注(ミキシング)
・DI業務(医薬品情報管理業務)
・麻薬管理業務
・ワクチンなどの特殊薬品を含む医薬品管理業務
・病棟薬剤業務(入院患者の持参薬管理、医師、看護師とのカンファレンス、患者への内服指導、副作用モニタリングetc)

ざっくりとこんな感じでしょうか。抽象的な表現で恐縮ですが、各業務の詳細についてはそこまで重要ではないため、解説は割愛させていただきます。
学生は9時から17時の時間、病院において上記の業務の説明を受け、一部、実際に薬剤師の指導のもと実施します。薬剤師による講義もあります。人生で初めてフルタイムで働く学生も多く、こき使われる割にお金は一銭も出ません。言葉が汚くなりましたが、正直始まって数週間は毎日早起きして出社という社会人のような生活が始まるため、非常につらかったです。一人暮らしで頑張っている友人は本当にすごいと思っていました。

現在、私も職場に来ている学生の指導に携わっていますが、正直、指導する側からすると説明するだけでもかなり時間が掛かりますし、学生がくると残業が確定するので、結構きついです。ただ、自分も学生の時にお世話になりましたし、次世代の薬剤師育成のためには必要なことだと思い日々働いております。
指導薬剤師になった先生にもよりますが、面倒見の良い人だと、学生にとってはとても学びが多いと思います。また、教える側も、説明することによって再度知識を定着させることもできますし、説明するために勉強するきっかけにもなります。
いくら座学を頑張っても、現場実習での経験は得られないため、学生にとってはとても重要な時間ですし、国家試験対策という観点でも実習の価値は大いにあると思います。
厳しい実習を乗り越えることで達成感も得られますので、今後の国家試験勉強のモチベーションアップにもつながるかと思います。

次回、5年生(実習編)「薬局」について解説していきます。ではまた。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す