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子どもが「インフル」ワクチン接種後、副反応がひどい…小児科を受診すべきか 医師に聞く


 今年は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行の可能性が指摘されています。
以前から「小さな子どもがインフルエンザに感染すると重症化しやすい」と言われており、インフルエンザの流行に備えて、今から子どもにワクチンを接種させる人も多いと思います。
ところで、未就学児がインフルエンザワクチンを接種後、発熱などの副反応がひどい場合、小児科を受診すべきなのでしょうか。
受診の目安について、たけつな小児科クリニック(奈良県生駒市)の竹綱庸仁(たけつな・のぶひと)院長に聞きました。
発熱が長引く場合は受診を



Q.そもそも、未就学児がインフルエンザワクチンを接種した場合、どのような副反応が出る可能性があるのでしょうか。
ワクチンを接種する際の注意点も踏まえて、教えてください。

竹綱さん「未就学児に限らず、小学生以上の子どもや成人でもワクチンを接種後、一定の割合で副反応が出ます。
比較的多く見られる副反応は、接種部の腫れ(腫脹)や赤み(発赤)、緊満感(皮膚が突っ張った状態)、発熱で、接種後24時間以内に出ることが多いです。
医師は、接種時の体調や1週間前からの発熱の有無などを確認し、診察後に問題がなければ予防接種を行います。
ただ、幼稚園や保育園では常に何かしらの感染症が流行しており、予防接種時の診察で子どもの体調に異常を認めなくても、実際は軽い感染症に罹患(りかん)していることがあります。
その場合、予防接種で免疫機能のバランスが変化し、本来であれば自己の免疫で抑えられるはずの感染症が、発熱やせきなどの症状として現れる場合もよく見られます。


インフルエンザワクチンは、製造過程でニワトリの卵を使って作られているため、卵アレルギーを持つ子どもは注意が必要なケースがありますが、ワクチンに含まれている卵の成分量はごくわずかで、日頃から卵が入っている加工品などを少量でも摂取していれば、問題なく接種できることがほとんどです。
過度に心配する必要はありません。
ただし、過去に卵を摂取した際にアナフィラキシー(アレルギー反応)を起こしたことがあるなど、重篤な卵アレルギーが考えられる場合は、事前に医師に相談してから接種させることをお勧めします」



Q.子どもがインフルエンザワクチンを接種後、どのような副反応が出た場合に小児科を受診すべきなのでしょうか。
受診の目安について、教えてください。
竹綱さん「インフルエンザワクチンを含め、ワクチンによる副反応の重症度は、ある程度決められています。
例えば、アナフィラキシーやけいれん、脳炎、脳症、指の方に腫れが広がっている場合などは、基本的に重篤な副反応と見なされるため、小児科の受診が必要と考えます。
インフルエンザワクチンに限らず、ワクチンの副反応による発熱は、原則として1日以上続くことはないため、発熱が1日以上続く場合は、小児科の受診が必要です。一方、ワクチン接種後、39度を超える熱が出た場合でも、子どもが比較的元気で体の状態が良好であれば、すぐに小児科を受診する必要はありませんが、少しでも不安に思ったときは迷わず受診しましょう」



Q.では、インフルエンザワクチンを接種後、発熱が1日以上続く場合、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染を疑った方がよいのでしょうか。
対処法も含めて、教えてください。
竹綱さん「接種後に発熱が1日以上続く場合は、ワクチンの副反応だけではなく、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などに罹患している可能性が考えられます。

インフルエンザや新型コロナウイルスの感染の可能性を判断する上で、家族や園、学校、職場など周囲の感染状況は有益な情報となるので、周囲に感染者がいないか確認することは大事です。
あくまで個人的な見解ですが、子どもの場合、活気不良を伴う38度を超える発熱の場合は、何らかのウイルスに感染している可能性が考えられるため、当院では感染拡大の予防も踏まえ、ご家族と相談し、抗原検査やPCR検査をするようにしています。

また、予防接種の副反応と感冒(風邪)などの症状を区別するのは困難ですが、インフルエンザ、新型コロナウイルスともに、治療は症状を抑える対症療法が中心となるため、熱の原因が判明していない状況でも全身の状態に問題がなければ多少、経過を見ても差し支えないと考えます」



Q.「小さな子どもがインフルエンザにかかると重症化しやすい」と言われていますが、本当なのでしょうか。また、重症化するとどのような症状が出るのでしょうか。
竹綱さん「インフルエンザは、脳や脊髄などの中枢神経や、肺といった呼吸器官に影響しやすいウイルスです。
通常は発熱やせき、鼻水、下痢などの症状がほとんどですが、7歳未満の子どもの場合、脳の発達が未熟なため、インフルエンザ以外の感染症でも熱性けいれんを起こすことがあり、インフルエンザの場合、特にそのリスクが高くなります。

また、熱性けいれんだけでなく重症化すると、意識が混濁する『インフルエンザ脳症』といわれる症状に陥り、入院治療が必要になったり、てんかんを併発したりするなど、治療が長期化する可能性があります。
過去にぜんそくを発症した子どもは喘鳴(ぜんめい、呼吸をするときにヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がすること)が悪化する場合もあり、ぜんそくに準じた治療をするとともに、時には入院治療が必要な場合があります」



Q.小さな子どもがインフルエンザに感染するリスクを減らすために、子ども本人だけでなく、親や、親以外の同居家族(祖父母、兄姉)もインフルエンザワクチンを接種すべきなのでしょうか。
竹綱さん「最近では生後6カ月で保育園に通う子どももいるため、以前に比べてインフルエンザに感染するリスクが高まっていると考えます。

1歳未満の赤ちゃんは、年長児(5~6歳の子ども)や成人に比べると免疫機能が未熟なため、インフルエンザワクチンを接種しても、抗体を獲得できない場合もあります。
従って、子どものいる家庭では、家庭内にインフルエンザウイルスを持ち込まないようにするためにも、大人を含めた家族全員がインフルエンザの予防接種をしておくことが重要です

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