ライトノベル新人賞で受かるコツ(三次~最終選考編)

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朝凪シューヤ
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◆三次選考や最終選考で落ちる作品って?


『三次選考』は、二次よりさらにクオリティを高いものを選定すること。
そして『最終選考』とは、文字通り最後に行われる選考のことです。
編集部の方々や選考委員の方々(現役作家や外部のサブカルチャーの要人)が中心となって選考していきます。
ここを突破出来れば入賞となり、晴れて作家として作品を出版することに繋がります。長い苦労や努力が実るかどうか、大切な分岐点です。

それだけに、ここを突破出来るかどうかの『難易度』はかなり上がっており、これまでの一次や二次選考を容易く突破出来た方も、何度も落とされる事は多いでしょう。

その理由としては、『応募作のレベルが高いものが残っている』ことが挙げられます。
また選考する側のレベルも上がっているため、落とされる可能性はどうしても高くなります。

最終選考や三次選考まで到達出来た作品は、もちろんそれなりの努力や技術によって書かれたでしょう。他の人より一歩抜き出た作品であることは確かです。
しかし、最終選考ではそれと同等レベルの作品が集まり、それを業界のプロの方々が厳しい目で判断し、選考していきます。

それはかなりシビアです。大抵の新人賞では『下読み』の方が選考し、一次選考や二次選考を行っていきます。
もちろん、この方々もそれなりの知識を持って判定されるのですが、あくまで彼らの役割は『数減らし』です。

小説として最低限の形を整えているか、明らかな欠点を抱えているか、それを判断するのが仕事で、『本当の選考のための足切り』に過ぎません。読みの方も、必ずしもライトノベルを熟視しているとは限りません。

(下読みの方々の内訳は、多くはライトノベル作家の新人、あるいは中堅、専門学校関連の方、その知人など)、要は『ライトノベル業界に携わってはいるが、頂点に近い人ではない』、もしくは『素人ではないが、きちんとした技能を得た玄人ではない』、半プロ、半業界人の方も参加している場合もあります。
(応募作が多いので、選考する数を揃えなければ選考が出来ないという事情があります)

なので、一次選考や二次選考については、下読みの方の趣味で通ることもある場合も、多少はあります。
ラブコメが好きな方ならラブコメが、アクションが好きならアクションが通り、反対に、下読みの方が苦手なジャンルに当たった場合は、クオリティが高くとも落とされる場合もあるでしょう。
(采配時にある程度はその辺りは考慮されるはずですが、それでもゼロというわけにはいきません)
いわば、運で選考が左右されるパターンですね。

ただ、もちろん最終選考までいくと、運だけで突破出来る可能性はかなり低くなります。
当然と言えば当然ですが、最終選考を担当しているのは一流の方々、編集部の面々、現役作家や、サブカルチャーを生業とする方が選考を担当します。
半端な知識や選定基準ではなく、中にはアニメや映画に関わった方もいるでしょう。

そんなプロの方々から見て、「商品となるのか」、「本当に面白い作品と言えるか、、それが厳しく判定されます。
その選考基準は何か。
大きく分けると、『小説としての完成度』、『商品としての売りやすさ』が重視されます。

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◆小説としての完成度


まず小説としての完成度ですね。
これは『文章力』、『キャラクター』、『設定』、『ストーリー』、『ギミック』、『同時代性』など、様々な観点を元に判断されます。
具体的には、
・『分章力』 → 読みやすい、あるいは臨場感に長けた作品。心理描写や風景描写も過不足なく書かれており、そのまま出版してもさほど問題がない。
・『キャラクター』 → 格好良い、あるいは可愛いキャラクターが多く人物が揃っている。読んでいて不快に思うキャラがいない。見せ場にはきちんと活躍する。
・『設定』 → 物語を盛り上がる設定となっているか。あるいはキャラが活躍しやすい土台となっているか。
 また、斬新さを兼ねているか。読者に「これ、どうなるんだろう?」と思わせるような設定。
・『ストーリー』 → 大半の人が読んで面白いと思える、あるいは楽しいと感じられるか。王道、非王道を問わず、起承転結や場面の繋ぎも問題なく、矛盾点もない。何より、読んで良かったと思えるような作品かどうか。
・『ギミック』 → 別名、『意外性』。味方だと思っていたキャラがじつは敵だった、あるいは敵かと思えば味方だったなど、何らかのどんでん返しなど生かされている作品。
読んでいて「え、嘘!?」や「そんな展開、あり!?」と思わせられる展開。
・『同時代性』 → 簡単に言えば『流行に沿っているか』。
例えばラブコメやファンタジー全盛期にスプラッタものやホラーものは厳しい。
キャラのやり取りが古い、文章が堅苦しいなど、設定・その他が時代遅れ、数年前、あるいは十年以上前の作品を思い起こさせるものがあると、厳しい。すでにやり尽くされたジャンルは省かれる傾向にあります
最終選考を突破出来るのは、上記のうち、複数が優れた作品となります。

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