食中毒による事故例

記事
学び
ご覧いただきありがとうございます。
本日のテーマは、2023年に発生した食中毒事故をいくつかピックアップしました。

まずは、水質調査不足による事故です。
湧き水を使って流しそうめんを営業されていましたが、その水の中にカンピロバクターが含まれていました。
今回は厚生労働省のホームページより、大量調理施設衛生管理マニュアルの内容を引用させて頂きますが、
使用水は食品製造用水を用いること。また、使用水は、色、濁り、におい、異物のほか、貯水槽を設置している場合や井戸水等を殺菌・ろ過して使用する場合には、遊離残留塩素が0.1mg/ℓ以上であることを始業前及び調理作業終了後に毎日検査し、記録すること。
とあります。
すなわち、塩素による殺菌が出来ていれば、正しく塩素が添加されているかを確認していれば、防ぐことができた事故です。
1656599_s.jpg
(※画像はイメージです。)
粉末試薬を溶かすだけの作業です。塩素を含んだ水であれば、このように赤色を呈します。記録も含めて1分もあれば、作業終了します。

続いては、お弁当による食中毒です。ウニやイクラなどの海鮮使った駅弁を食べた人が相次いで体調不良を訴え、全国各地で被害が出ました。
こちらは、ごはんの温度が問題だったと言われています。
まず先に、厚生労働省のホームページより、大量調理施設衛生管理マニュアルの内容をご覧ください。
表3 冷却工程の標準作業手順(大量調理マニュアルより抜粋)① 加熱調理後、食品を冷却する場合には、病原菌の発育至適温度帯(約 20℃~50℃)の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、30 分以内に中心温度を 20℃付近(又は 60 分以内に中心温度を 10℃付近)まで下げる。 この場合、冷却開始時刻、冷却終了時刻を記録する。
と、あります。
特に、25~35℃付近では食中毒菌が元気に活動します。温かいご飯と触れた生鮮食材が温められ、食中毒菌が一気に増殖したのでしょう。
4383156_s.jpg
(※画像はイメージです。)
食材は、温かい状態(ここでは50℃以上とします)で保温するか、素早く冷却することで、食中毒事故を防ぐ事が出来ます。

最後は、キャンプ場での食中毒事故です。
大きなお鍋や寸胴でカレーを作ることもありますが、耐熱性があり、酸素を嫌うウエルシュ菌が食中毒事故を引き起こしました。
ウエルシュ菌は、土壌中に存在しており、屋外調理なら風に乗って簡単にカレーの鍋へ混入してしまいます。ですが、調理してすぐに食べたなら食中毒は発生しなかったでしょう。翌日分もまとめて大量に調理したのではないでしょうか?
23791694_s.jpg
(※画像はイメージです。)
いくつかの要因が重なったと考えております。①ウエルシュ菌は、耐熱性があり、高い100℃でも死滅せず、芽胞と呼ばれる休眠状態で耐える事が出来ます。②カレールーのような粘性が高く、寸胴のような深い鍋ですと、鍋の底の方は酸素が届きにくい状態ですので、ウエルシュ菌は生き延びました。③熱帯夜の中で冷まされたお鍋は、約 20℃~50℃の時間帯が長くなりウエルシュ菌が大量に増殖したのでしょう。

食べる前に、ごはんやおかずに糸が引いている、酸っぱい臭いや味がする場合は、食べる事を控えて下さい。

他にも、ホワイトボードアニメーションも扱っております。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す