「アンパンマン心理学」

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 あるYoutuberさんが人間関係について「アンパンマン」に例えて説明していただきました。

 「アンパンマン」は漫画家のやなせたかしさんによる絵本で、アニメ化もされています。
 皆さんは一度は何かしらの形で見聞きしたことがあると思います。

 何しろ、赤ちゃんが話せるようになって一番初めに口に出す単語が「ママ(マンマ)」と「アンパンマン(アンアンマン)」だそうです。

 それくらい老若男女問わず認知度が高いです。

 さて、この「アンパンマン」ですが、意外にも「現実の人間関係」にも当てはまる要素がふんだんに盛り込まれていたそうです。

 洋の東西問わずこれまでいろいろな絵本や漫画などに触れてきた私ですが、改めて読み直したり、イメージし直すと「確かにそうかもな…」と思い当たるところもあるようです。

 ただし、西洋の絵本や児童文学の多くはキリスト教(ミッション)の影響が大きいため「一種の'教え(教訓)'」の要素が強く物語に出ています。
 私は英文学をかじったことがありますので、特に『ピーターラビットシリーズ』や『きかんしゃトーマスシリーズ』は原文で読むとその要素を感じることができます。

 一方で、『アンパンマン』はその当時無意識に見聞きしたものですが、よくよく分析すると「現実の人間関係」や「商売」のことなど意外性を帯びたものが多いです。(教授の皆さん、「アンパンマン」は「立派な教材」です)

アンパンマン
・主人公
・正義感が強い
・あげる派(空腹のキャラを見かけると頭の一部を渡す)
・(頭がダメージを受けると)本来の力を発揮できない
・(ジャムおじさんなどのような)最強の見方がそばに必要

ジャムおじさんたち
・アンパンマンの'生みの親'兼'育ての親'
・(アンパンマンがピンチの時は替えの頭を用意する)最強の見方でお助けキャラ
・(特にチーズ(飼い犬))アンパンマンたちのピンチなどをジャムおじさんたちに知らせてくれる

バイキンマン
・悪役
・いわゆる'ずるいキャラ'
・もらう派(奪う派)(自分で何かを作らず、他のキャラから奪う)
・もらい過ぎても罪悪感がない(「ふん!もらってやる!!」)
・もらうため(奪うため)なら手段を選ばない

ドキンちゃん
・バイキンマンの手下
・二面性(裏表が激しい)
・しょくぱんマンへの強いこだわり(推しか!?)
・メンヘラ(精神系)!?
・(ごくまれに)アンパンマンたちの見方をする
・姉妹のコキンちゃんには手を焼いている

 など…私なりにざっくりとまとめるとこうなりますが、これはもう「現実の人間関係」で成立できますね。

 それを50年以上前からずっとやなせさんは描き続けてきました。

 やなせさんが描く「正義」は「さあ、ぼくのかおをたべなさい」のような空腹で悩み、泣き叫ぶ相手のために絵本では地面に手をつき、頭を下げる形に。アニメでは自ら頭の一部をちぎり相手に渡す構造になっております。

 しかしそれは、'アンパンマンの顔'です。顔がなければ表情が分かりません。さらにそれは、アンパンマンの'エネルギー源'でもあります。
 エネルギー源を失えば、当然本来の力を発揮できません。

 やなせさんは後書きで「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです」と述べています。

 しかし、本当にそうでしょうか?

 皆さん、レスキュー隊員を想像してください。もし、彼らが全員アンパンマンのように'自分を傷つけてまで'人命救助しますか?
 おそらくないです。まずは、'自らの安全'を確保した上で人命救助に当たります。普段はそのための厳しい訓練に耐えていくのです。

 自分が危険な時に人助けはまずもって無理です。

 ただこのアンパンマンの影響なのか、日本人の多くは欧米や他のアジア圏とは異なり「(本来人助け・手伝いには価値がある、危険を伴う行動にも関わらず)何でもかんでも'自分のもの(お金・時間・能力・判断など)'をあげまくれば何とかなる」と思い込んでいるのではないでしょうか?

 私も少なからずそうでした。何でもかんでもほいほい人に'あげまくって'いました。(笑)
 結局自分だけが損なことになりました。(^-^;

 確かに、アンパンマンの影響から「人のために自分の一部を渡す(優しさ)」は素晴らしいものです。
 しかし、それには「選別」や「覚悟」も必要なものかもしれません。
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