絵の方のお仕事で、イベント出店していたときのこと。
内容柄、こどもたちが多く立ち寄る場所でもあります。
時々、やりたいけど、お金がたりないー、
という子もいます。
お金がないを伝える理由、想像できる環境はそれぞれなので、
その時のその子に伝えられる言葉を探します。
愛情不足と感じる子には、
こっそり内緒だよ。と、安くすることもあります。
今回は、とっても周りに愛されているタイプの子。
いつも頼られているのかな?というお兄さんに、
たくさんお願いをしていました。
こういう時は、周りもいいよ。
ということが楽しい条件のひとつだと思います。
ですので、ご家族の了承をまず求めます。
「お母さんも、いいって言ったらね。」とか。
目の前で、家族内での交渉が始まりました。
(子)お金を出して、これをやりたい。
(兄)それにはお金を出せない。こっちならいい。
(子)お金が足りない。
(兄)これだけは出す。出せる分を出して、交渉してみな。
(子)(足りない)これでお願いします。
わかりました。と引き受け、
お小遣い以外の分はお返ししようと思ったのですが。
(兄)そのまま受け取ってください。
と、こっそり足りない分も足してお金をいただきました。
このやりとりが、とても感動したんです。
そして、
この子は、その体験を
とても丁寧に楽しんでくれました。
そして、たくさんの大人に見守られ、
たくさん褒められていました。
お金というものが、
学びと経験と、そして愛情が強くなるきっかけになってくれたんだ。
私はその場面のもちろん主役ではなく、
でも、きっかけになれたんだー…。
という感動が、あとからじわじわ来てます。
イベントでは、
こういう人のやり取りが醍醐味のひとつです。
イベントが復活したんだなぁ。と、
あったかい気持ちにもなりました。
お金をいただくとか、
お金の存在自体にクローズアップしすぎると、
その間のものを見逃しがちになってしまう時があります。
お金を、どう扱うのか。
それで、なにを交換しているのか。
時々、思い出すようにしたいことのひとつのように思います。