【Live2Dモデル作成記④】腕の動き(ハンドトラッキング)

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デザイン・イラスト
前回で頭部の動きは完成したので体の動きに入ります。今回は当モデルの最難関であるハンドトラッキング対応の腕の動きになります。

単にパーツ切り替えとかでバイバイ等の動作させるのであればそこまで難しくないのですが、ハンドトラッキングに対応するため指一本一本関節一個一個を手の表/裏両方作成する必要があり難易度が桁違いになります。

手だけでも指一本につきパーツ3個、それが5本、そして裏表両方なので30個。さらに手のひら両面足して合計32個のパーツにモデリングしていきます(爪がある場合は+5個。。)

※以前も申し上げましたが、Howto記事ではなく「当方のモデルはこのように動きます」といったご依頼者様向けモデリング紹介になりますm(_)m

腕に関しては、上腕→前腕→手の順で作成します。
基本的にLive2Dは小さい動きから順に大きい動きへと作っていくのですが、腕は大→小の順で作ります。

①上腕
上腕は外側は水平より少し上、内側は若干背中に回り込むぐらいの動きを付けます。特に外側へ動く際は、それに合わせて肩や胸が上がるように連動させます。これによりロボット感が軽減され人間的な動きに近づきます。
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また、腕を上げる途中にパースがかかって縮んで見える表現も加えます。
(これにより車のワイパーのような平面的な印象が軽減されます)

②前腕
前腕は普段は下に下がっており、そこからバイバイ等で上方向に回転するので270°ぐらい大きめに動かします。

ここで重要なのはイラスト作成時に関節を回転軸の中心にあわせて綺麗な円形に描くことです。これで回転させてもパーツがズレず、グルー結合しなくてもスムーズに動きます。

ただ、このままだとロボット感があるので回転に合わせて関節部分を若干変形させ、実際の肘が動いてるような雰囲気を出します。

更に、内側へ回り込んだ際は前腕が体より手前に表示されるようにパーツの描画順も設定します。
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こちらも上腕と同様に、腕を上げる途中にパースがかかって縮んで見える表現も加えます。

③手
一番大変な作業になります。

一度詰むとズブズブ詰んでいくので適度に休憩しながら作業します。手は、角度Z(バイバイの方向)→回転(ねじり方向)&指の関節の順で作成します。

角度Zは上腕や前腕と同じ要領で、骨折してない程度にバイバイできる範囲で動かします。
イラスト作成の段階で、指の関節を綺麗な円形に整えておきます。

手の回転に関しては
(1)手のひらのパーツを真横を向いた形状へ変形
(2)各指を変形させた手のひらに沿って移動させ、手の横向きの形状を作る
(3)横向きの状態で、指を曲げた動きを付ける
(4)手のひらを正面向きに戻し、(3)の「手が横を向いた状態での指が曲がった状態」を変形させて正面向きでの指を曲げた形状を作成
(5)上記(2)~(4)を各指&裏表両方作成し、手の回転時に真横を向いたところで裏表切り替わるように設定

…といった流れで作成します。まずパーツ数が多いので管理が大変なのと、指の角度の付け方を間違うと逆方向に曲がってトンチンカンな動きになるので注意します。

回転時に指を曲げると指先パーツの前後関係(見え方)がおかしくなるので、動きに合わせて各指の描画順を変更する設定も行います。
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また、今回のキャラクターは手袋をしておりますが以前作成したねこみみメイドちゃんは素手のため爪があり、こういったデザインの場合は爪が回転に合わせて見え隠れする動きもモデリングで表現します。
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完成すると、手がドリルのようにぐるぐる回る動作が可能になります!
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もちろんピースとかもできます。
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かなり大変な作業で、まだ一発で思い通りの動きにできず何度も修正繰り返してますが、数をこなしてサラッと作成できるようになりたいです。

以上で腕の動きが完成です!

当方の出品サービスではハンドトラッキングは有料オプションかつVtubeStudioのみ対応となりますが、とてもリッチな表現が可能となります!
※振袖や複雑なデザインの袖は対応できません。腕のパタパタ等簡単なモーションのみ付けられます

次回は残りの体の動きになります。
最後までご覧頂きありがとうございました。

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