きっと、うまくいく。

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かなり前のめりに、なかなかの無茶をしたもんだ!

たった一度の人生、自分軸で楽しくわくわくして生きたい!とココロの奥底から、静かに、しかし確かにこんこんと湧いてくる気持ちに従い、新卒以来長年勤めた上場企業を、辞めた。

自分で新しい仕事を始めるために全力で調査/検討し、多くの出会いと支援により足掛かりまで作ることができた。

そこで分かったことは、ゼロからの起業では、見事スタートを切ったとしても、収益という成果を手にするまでのリードタイムは長く、常にリスクが伴う「厳しいもの」という至極当たり前のことだった。

前には進んでいるのは間違いないが、このまま走っていいのだろうか?この走り方でいいのだろうか?いや、そもそもこの道でいいのだろうか?走りながら後ろを振り向くことはできても、前方がどんなコースになっているのかうっすらと霧がかかっていて、ハッキリ見えない。

起業家たちはこんな気持ちで、それでも志を持って乗り越えて行ったのか。
いや、そもそも勝てるとわかるマーケットに戦略立てて参入するものだ。

起業に向けたひと通りの調査/検討は終えたものの、掴めるはずだった「これだ!」という確信めいたものが、ない!...これが苦しかった。

出会った起業家が私に言ってくれた言葉が重くのしかかる。

「サラリーマンはある意味、楽ですよ。うまく行っても行かなくても、給料日になれば給料がちゃんと入るんだから。」

当面の生活費はあるけど、収益化の道筋が立たなければ疑う余地なくジリ貧である。

そんなおり、見慣れない送信元から一通のメールが届いた。

”貴殿の職歴を拝見し、是非ご紹介したい今勢いのある企業がございます。”

自分の市場価値を知りたくて登録していた転職サイトからのスカウトメールだった。へー、こんな感じなんだー、と興味津々で、そして必要とされていることが何だか嬉しくなって、そのままメールを読み進める。

責任は重いが、良い条件だ。しかも頑張ればできるであろう仕事内容。でも、やりたい仕事かというと、決してそうではない。今更やりたくもない仕事はしたくない。

さて、どうしたものか。

しばらくすると好奇心がむくむくと顔を出して来た。転職を繰り返す人もいるが、私は新卒入社した1社しか知らない。良し悪しではなく、初めて付き合った人と結婚するような、その人しか知らないことが尊いような、もっと違う世界も見てみたいような、そんな感じ。

例のココロの執事が話かけて来た。

「別の上場企業で働いてみたら、結構面白いかもよ。」

「仲間と呼べる新しい出会いがあったりしたら、どうする?」

「新しい経験を積める上に、経済的にも安定するよな、これって。」

「1〜2年くらいは起業準備期間ってのも、ありよね。(チラっ)」

と、一気にたたみかけて来た。

そ、そういう考えもあるんだ。だよなー。ありかもなー。うん、ありあり!

かくして、エージェントとコンタクトをとり、会社との面接を重ねて、最終の社長面談まで辿り着いた。


かつて、営業時代に年間12億円の取引先を他社に奪われ、大きくつまずき、落ち込んだことがある。自分の表情を維持できないくらいの鬱状態になった。周りの目や会話ばかりが気になり、デスクに座っていることができないほど、苦しんだ。耐えられず、何度も何度もトイレに駆け込んでいた。

当然、以前と同じようなパフォーマンスで仕事はできなくなったし、苦しかったけど、もっぱらスローペース、マイペースで、時には休みながらではあったけど、粘り強く、誠意を持って仕事を「続けた。」

一歩づつ、一歩つづ、とてもとても遅いけど、続けた。そして確実に前に進んで行った。

そしたら、奇跡が起こった。

随分時間がかかったが、失った取引を再び当社に取り返すことができたのだ!これは本当に嬉しかった。

仕事で、初めて泣いた。

ありがたい周りの協力があってこそだが、割り切ってペースを変え、時には休みながら、パフォーマンスが低くとも、とにかく続けた。これが良かったんだと思う。

しばらくして異動となり、生涯のメンターと出会い、そして、自分を信じ、自分の考えで生きることの素晴らしさを初めて知ることとなる。

人生、山があれば谷もある。

明けない夜もない。

一寸先は光。

〜 きっと、うまく行く 〜

見失いそうになる自分をしっかり見つめ、少しづつでも前進すれば。そんな考えと意識がしっかりと根付き始めたのはこの頃だった。

さて、話はそろそろ最終面接に戻りますが、きっとうまく行くと思っていた通り、予想外の違う形でしたが、現実が動き出した。


自社ビル高層階の眺めがいい応接室で最終面接が始まった。傾聴と感謝の大切さなど会社フィロソフィーの世界観がマッチして社会貢献や入社後に期待することなどについて話が盛り上がった。確かな手応えがあった。社長は最後にこう言って部屋を出た。「それでは結果は人事から連絡しますので。」

...果たして採用決定の吉報が届き、この会社に入社することにした。起業は少し先になるけど、清々しい気持ちで人生2社目の会社へ再就職である。もう、筋金入りのサラリーマンと呼んでください!ええ。

入社後、早々にあんなことになるとは、この時はまだ夢にも思っていなかった。

つづく
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