二酸化炭素を排出しない発電システム

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小池都知事が太陽光パネルの設置義務化について案を出されました。

二酸化炭素排出量を2050年に実質ゼロにする「ゼロエミッション東京」を実現することが目的のようですが、二酸化炭素ゼロを実現できる発電システムは他にも多く存在します。

その中でも二酸化炭素を発生させずに、事業所やマンション、家庭に設置できる現実的な発電システムの有力候補には次のようなものがあります。

・太陽光発電
・小型風力発電
・燃料電池(SOFC)

それでは、それぞれの発電システムについて特徴を挙げたいと思います。

●太陽光発電
・初期費用が高額
 ソーラーパネル費用の他に別途、蓄電池を購入する必要がある。
・ランニングコスト不要(故障時、蓄電池の劣化時を除く)
・日照時間の影響を受ける
 夜間は発電できないことはもちろん、雨天や曇りの日の発電量はほぼ期待できない。
・発電の中核素材となるシリコンは、今後、化合物半導体に置き換わる可能性がある。
 もともとシリコン半導体の発電量が低すぎることは20年以上前から課題であり、シリコンに置き換わる素材の開発が求められていました。
 現在、化合物半導体は既に市場へ投入されています。中村修二氏が開発した青色LEDこそ化合物半導体で、その意義は高いエネルギーを得ることができることです。化合物半導体の開発のおかげでPCをはじめとした多くの電化製品が一気に高性能化しました。
 化合物半導体の課題はまだまだ高価格のため、ソーラーパネルには素材の適用が難しいようです。

●小型風力発電
・初期費用はそれほどかからない
・ランニングコスト不要(故障時を除く)
・無風では発電しない
 しかし人間が羽を回転させれば発電できるので、無風状態でもなんとかなる(いわゆる筋肉発電!)。
・騒音がどれくらいとなるか未知数
 高音域の騒音は防音がしやすいですが、低音域の防音はかなり困難です。
 例えば、車の通行量が多い地域に住んでいる場合、家の中で窓を閉め切っていても車の走行の重低音が響いてきてかなり不快に思うことはないでしょうか。低音域の防音は難しいのです。

●燃料電池(SOFC)
・水素ガスと空気中の酸素を反応させて発電
 水素と酸素の反応なので、水ができます。
・初期費用が高額
・ランニングコストがかかる
 水素ガス、都市ガスを購入する必要があります。
 都市ガスを改質して水素ガスを得る手段の場合、純粋な水素ガスと比べて発電量は落ちます。
・設置する際に防振対策が必要
 発電の要である電池セルは薄いセラミックでできています。割れやすいため、設置の際は地面に厳重な防振対策が必要になります。



東京都は高層ビルが多く日照の死角になる場所も多いので、発電システムを選べたら良いですね。
小池都知事は他者の意見を聞いて不備があれば改善していく方なので、おそらく太陽光一択から別の発電システムも選べるような施策に変更していくのではないかと思っています。

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