超高活性アンモニア生成触媒

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おはようございます。

今週のビッグトピックといえば、このニュースではないでしょうか。
「超高活性アンモニア生成触媒」

技術トピックスなのでリンクを貼ろうかと思ったのですが、このブログはココナラ宣伝用にしか使えないクソ仕様なので、皆様上記のワードで検索してみてください。東京大学と九州大学がコラボ研究していますので、その両方でプレスリリースされています。

何がすごいのかというと、消費エネルギーを抑えてアンモニアと作れるという点ですね。少し、エネルギー問題について解説をします。

次世代のエネルギー、つまり石油由来の、ガソリン、軽油、灯油、重油などの燃料ではなく、水素やアンモニアを燃焼させて発電をしたり、動力を得たりしようという動きが活発化してきています。最近ではENEOSなど石油元売りメーカーも水素の開発や宣伝をしていたりします。

これは、CO2排出量を抑えようという動きの一環で、太陽光や風力と言った、化石燃料に頼らない発電によって生み出された電力をいろんな場面で使いたいという活動の中の1つです。電力を電池という形で保管輸送するには、電池の重量や電池製造コストといった足枷があるので、もっと別の形で保管や輸送ができないか、と考えたわけですね。

これまでは、火力発電という形で、化石燃料を燃やしてそのエネルギーを元に発電をしていましたので、発電所で燃やすのか、他の場所で燃やすのか、というような話でしたし、石油の資源がある国で発電して電気を輸送するのではなく、石油そのものを輸送して、電気は自国で作るということができていたわけです。

ところが、石油を使わないとなると、国土の狭い日本では、太陽光パネルを置くスペースも限られますし、まだまだ洋上風力なども発展途上ですので、ある程度海外の国の自然エネルギーを買って輸送してくる必要が生まれるわけです。そこで、送電線を引くよりももっといい方法、ということで、水素やアンモニアという物質に、電力を換えて、それで、国内でそれらを燃焼させることで電気を得たり車を動かしたりしよう。というのが、前段の話です。

さて、水素とアンモニア。
水素は、みずの電気分解から作ることができるので、水と電気さえあればいくらでも作れますし、日本の場合、水資源には困りません。しかし、問題は輸送です。水素は重量が軽く、爆発などの危険性も高いため、大量の輸送を行うにはとても高い技術が必要です。実際、高圧水素ボンベなどの方法がありますが、大変にコストパフォーマンスが悪く、輸送費がめちゃくちゃ高いという問題があります。
一方で、アンモニアは、空気中の窒素から作ります。窒素も水と同じくどこにでもあるものなので、エネルギー源さえあれば作れそうなのですが、空気中の窒素からアンモニアを作ることは実はかなり大変なのです。そもそも、人類がアンモニアの製造を自由にできるようになったのは、20世紀に入ってからで、それにより化学肥料なども作れるようになりましたし、これはこれで世紀の大発明だったわけですが、そのくらい歴史も浅くて難しいことをやっているということなんです。

今回、そのアンモニア製造をするためのエネルギーを大幅に下げることができる・・・そういうことが研究室のレベルではあるが実証されたというのがニュースです。

水素、アンモニア競争では、欧州などが水素軸でいろんな開発を進めていて、出遅れた日本はちょっとアンモニア側に舵を切りつつあります。大阪ガスなどがアンモニア燃焼による発電技術を進めているなどのニュースもありました。
世界的には、水素が輸送問題を解決するのと、アンモニアが製造問題を解決するのと、どちらが先かというように見られていると思います。そんな中でもこのニュース。日本の研究機関がエネルギー問題のど真ん中を解決しに行ったことは、とても誇らしいと思います。

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