アンモニア活性触媒の研究競争

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こんにちは。

つい先日、超高活性アンモニア生成触媒ということで、東大と九大の研究成果について、紹介をしたところですが、つい昨日は東工大から、やはりアンモニア生成の活性触媒に関する研究成果が発表されました。

詳しくは東工大ニュースの記事を参照していただくと良いと思います。
www.titech.ac.jp/news/2023/066633

先日の東大と九大の共同研究の成果では、触媒物質はモリブデン錯体でしたが、東工大の成果ではアルミン酸バリウム「BaAl2O4」をベースに酸素の一部をヒドリドイオンに置換した物質です。説明によると、この物質をコバルト触媒の担体として用いるとあります。

※通常、水素イオンはプラスの電荷を持っている・・つまりプロトンとして説明されますが、ヒドリドイオンはマイナスの電荷を持った水素イオンです。


さて、現在主にアンモニアの製造方法として使われている方法は、ハーバーボッシュ法と呼ばれる方法で、空気中の窒素からアンモニアを作ることができます。しかしながら、この方法では1000度近い高温と数百気圧の高圧が必要で、莫大なエネルギーが必要です。とはいえ、この方法が確立する120年前より昔にはそもそもアンモニア自体が作れなかった訳ですから、工業的に空気中の窒素をバラして取り出すことがいかに難しいかということです。

ハーバーボッシュ法の発明から100年ほどが経った2012年。ルテニウムという元素を触媒に使えば、大気圧でアンモニア製造ができるという画期的な手法が彗星の如く現れました。今回の東工大の研究はこのルテニウム触媒の働きを参考に、レアメタルを使わなくてもアンモニアが製造できる、という姿を目指した研究の成果です。

前にお伝えしてした、東大と九大の研究成果は、植物の根が窒素を分解する働きに目をつけて、根粒菌からアイデアを得た成果なので、考え方がまた少し違います。

日本の研究機関から次々と現れるアンモニア合成の手法を目の当たりにすると、これからの新エネルギーのキャリアとしてのアンモニアをリードしていくのは日本の役割かも知れないと思わされますね。


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