なぜなぜ解析ーFTAとMECEー その7

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。
すこし間が開きましたが、その7です。
ここまでの内容で、実際にはかなりちゃんとしたFTAが作れるはずなので、しっかり練習をしていきましょう。

さて今回は、法則が通用しない個別の状況における要因の抽出です。
あれもこれも言いたくなっていたけど、これまで我慢してきたあなた!ようやく出番が回ってきました。という所でしょうか。

かれこれ、なぜなぜも5巡目なので、「なぜなぜを5回やりなさい」なんて言われてきた人にとっては、そろそろ到達点だったりするわけです。
実際のところ、きちんとロジックを飛躍させずにこのFTAを完成させると、普通の工業製品の不具合などでしたら、10巡くらいは必要で、出てくる個別要因も100を超えます。それ以下ならバラシが足りないと言ってもいいでしょう。

今回の事例は、寝坊したというごくごく日常的な場面ですので、まぁ5回もやれば再発防止には十分という感じは致します。

では、前回どこまで行ったのかというと・・・
・外力として明るさが足りなかったのはなぜか
 → 天気が悪かった、向かいのビルが工事中で朝日が反射しなかった、カーテンが閉まっていた、ベランダの荷物が光を遮っていた、室内灯をいつもつけてくれる家族がいなかった、自動で点灯するはずの室内灯のタイマーが切れていた・・・などの理由が考えられますね。

・外力として音が足りなかったのはなぜか
 →家族が全員休みだったので寝ていた、隣人や上階の住人が今日は休みだったので寝ていた、いつもより起床時刻を早く設定していたので起きている人がいなかった、目覚まし時計が壊れていた、目覚まし時計をセットし忘れていた、いつもはじまる外の工事が始まらなかった、ほかいろいろ。

・外力として匂いが感じられなかったのはなぜか
 →いつもコーヒーを飲む家族(隣人)が今日は紅茶だった、いつもは朝ごはんにパンを焼いているが今日はご飯だった、そもそも匂いに気づいて起きることなどない

・・・こんな感じで、たくさんのあり得そうな要因が思いつきますね。

実際のところ、このなぜなぜを始める前、なぜ会社(または学校)に遅れたのか、なぜ寝坊したのか、という問いかけだけでは、このように沢山の要因を思いつくことはなかったと思います。
なぜなぜを使って要因をバラすことの本来の意味は、ここにあります。もちろん、ロジックでバラした中に見落としがある場合も稀にありますが、何かまずいことが起きたとき、作っているものが不具合になったとき、それをいつも経験している人、それを作ってきた人であれば、なんとなく原因になるようなことは思いつくものなんです。
しかし、論理的にバラされていない状態で、思いつくことを端から言っても、たくさんの要因がある場合は、全て上げることはできないし、後から後から、あれはそうかも、これもそうかも、という感じで際限なく思いついたりします。そんなことをしているうちに、何が真の原因なのかがわからなくなってしまうのです。

このなぜなぜは、状況から問題を特定して、論理の飛躍を防ぎ、MECEによって要因になりそうなことをしっかり分類し、その上で本来頭の中にちゃんと眠っている真の原因または有用な対策を引きずり出すことが目的なのですね。

この最終段階で、気をつけるべきことは、
「他にないか?」
です。

ここまで細かく分類されていれば、頭の中にあるものはちゃんと書き出せるはずなので、納得のいくまで「他にないか?」と自問し続けましょう。
きっと、しっくりと腑に落ちる答えが見つかるはずです。


7回にわたって連載してきた、なぜなぜ解析はいかがでしたか?
細かい点をいうと、まだまだお伝えできていないことはたくさんあるのですが、まずは基本の考え方をしっかりと日常使いで繰り返すことで、身につけていくことが重要です。

エンジニアの人はもちろん、そうでない人も是非是非お試しください。
どうもありがとうございました。

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