なぜなぜ解析ーFTAとMECEー その2

記事
ビジネス・マーケティング
こんにちは。
前回のその1では、なぜなぜのスタートとして、問題の特定と要因解析の2つがあるという話をしました。

要因解析に進む前に、この2つの違いをもう少し深掘りしたいと思います。

前回の事例では会社(学校)への到着が遅れた、という状況に対して、どんな要因があるかを考えました。この時、いくつかの要因を挙げて、それぞれについてどのくらい遅れへの影響があったのかを書き出しました。

それぞれの要因の影響の大きさは、ちょっと思い出せばわかることです。なぜならば、実際に経験して既に終わった出来事だからですね。なぜなぜと言いながら、実は問題に対して直接影響を及ぼした同じく過去の事象を集めているということです。

これは、なぜなぜというよりも「現状把握」です。

そう、つまり、なぜなぜは現状把握から始まるのです。
起こった事象と直接関係のある過去の終わった事実を調査したり、測定したりすることを、現状把握と言います。

なぜなぜというと、いきなり「なぜだろう」と頭を抱えて考え始める人がいますが、どんなに賢い人でもそれではなぜが先に進みません。何か解決したいことが起きたら、これが起こった時の様子や前後の出来事、関わった人などについて調べてみよう。これがスタートです。

では、前回の事例について、現状把握をした結果どうなるのかをもう少し進めてみましょう。
前回の整理では、最も大きな影響があったのは、列車の遅れ=30分 でした。しかし、もっとよく調べてみると、自分は朝家を出るのが20分遅れてしまい、そこに30分の列車の遅れも加わったのですが、自分が乗るはずだった列車に乗っていた同僚のAさんは、なんと列車の遅れに巻き込まれることなく、早く到着していました。

朝の通勤通学列車は、時間が遅くなるほど少しずつ遅れていき、始発からの本数が多くなるほど、事故などが発生する可能性も高まります。今回は、たまたま列車の遅れに巻き込まれた形になりましたが、根本的な原因は朝家を出るのが遅くなったことだと言えます。

このように、現状把握を進めると、解くべき問題が何か、という所に急速に近づくことができるのです。もし、なぜなぜを考える場面に出会ったら、徹底的な現状把握によって、問題を特定するように努めましょう。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す