後輩看護師を成長させるための指導

記事
コラム
人に教えるって、とても難しいですよね。
人間対人間なので相性もあります。
でも、後輩を指導することは将来の自分を助けることにもなりますし、何より指導をしている自分も成長することができるきっかけとなると思います。

私が独身時代に勤めていた病棟ではプリセプターはしていませんでしたが、新人や後輩の指導に携わる場面も多くありました。

先輩看護師にはいろいろなタイプの方がいらっしゃると思います。
看護師業界だけではないとは思いますが、特にこの業界、特殊だな、と感じませんか?

女性が多い分、女性の良いところも悪い部分も出やすいというか。。


私が看護学校を卒業し、新人として初めてついてくださったプリセプターの方はとても厳しい方でした。
正直指導されている時は同期に比べて私に対してだけ明らかに対応が厳しかったので精神的にもきつく、10㎏体重減りました(笑)

でも、その時のプリセプターの方はただ厳しいだけではなかったのです。
指導される側の私が何を感じているのか、何に悩んでいるかを知ろうと努力をしてくれていたり、厳しさのなかには私に成長して立派な看護師になってほしいという愛があることを直接話をしてくださったりもしました。

交換日記のような連絡ノートで意見交換をしたり、時間があれば直接話をしてくださったり、お互いの思いを共有できることによって、今お互い何を思ってどう受け止めているのかという双方向のコミュニケーションがとれていたのです。

業務的にも厳しいなか、そこまでしてくださったプリセプターの方には本当に感謝しています。



違う人間ですので、相手がどう思い感じているのか、何を考えて行動しているのかは話を聞かないとわからないですし、
指導をするにしても自分の思いをちゃんと伝え、相手の思いも受け止めなければ、自分の本当に伝えたいことは伝わりません。

もちろん、指導される側も謙虚な姿勢、指導をしてくださっていることへの感謝の気持ちは絶対に忘れてはいけません。

ですが、指導として発した言葉は、時には後輩の心を壊してしまうかもしれなうリスクがあることを指導する側は必ず理解していないといけないと思います。

この考えは甘いでしょうか?

しかし、言葉というものは一度発してしまったら戻すことはできません。
だからこそ責任をもって、伝えるのが先輩として指導する側の責任だと私は思います。
自分も後輩を指導する立場であったからこそです。


実際に私が今うつ状態に陥った原因は先輩による指導、言葉、態度がきっかけです。
私自身はパワハラだとは思っていませんでしたがパワハラだろうとも周囲には言われました。


そうならないために、じゃあ指導においてどういったことを注意したらよいのか。

①相手を知り、個別性をみる。
②指導をする時はどうしてそういう指導をするのか思いを伝えるとともに相手の気持ちも確認しフィードバックを大切にする。
③マイナス面だけではなく、プラス面のフィードバックを忘れない。
④指導する側も自分の気持ちを大切にし、周囲のスタッフに頼る、相談する。






①相手を知り、個別性をみる

これについては、相手のことを理解せずにただ指導をしていても、ただの一人相撲になってしまうからです。
患者への指導においても個別性をみて、それぞれにあった指導方法、スピードでするのがセオリーですよね?
後輩においての指導でもそれは同じです。
ただ自分の理想の形になるように指導するだけでは思うようにはなりません。人形ではなく、相手は人間であり、思いがあるからです。


②指導をする時はどうしてそういう指導をするのか思いを伝えるとともに相手の気持ちも確認しフィードバックを大切にする。

簡単にいうと指導の際に一方向のコミュニケーションだと、どこまで自分の思いが伝わっているのかがわからないですし、必ず自分が思いを伝える、指導する際は相手がどう受け止め理解し、どう感じているかを知る姿勢が大事だということです。
双方向のコミュニケーションをすることで、より後輩のことを知ることができ、その後輩の傾向を知ることができれば、指導方法にもつなげられるきっかけにもなります。



③マイナス面だけではなく、プラス面のフィードバックを忘れない。

これはとても大事です。
指導をしていると、ついつい直してほしい部分を伝えたいと思います。ですが、マイナス面だけ伝え続けると、指導される側はできていた部分でさえも自信を失ってしまう結果につながる危険性があります。
また、修正点を伝える際にここはできていたよ、ここはよかったから続けてほしい、などのプラス面のフィードバックをすることで、成功体験の蓄積につなげることができます。
そうすることで、指導される側のやる気、モチベーションにもつながります。
ほめることも難しいことですが、これは特に重要なポイントだと思われます。



④指導する側も自分の気持ちを大切にし、周囲のスタッフに頼る、相談する。

これもとても大切なポイントになります。
忙しい業務のなか、人に教え、指導することは、とてもエネルギーが必要で、負担になります。
だからこそ、一人で頑張りすぎず、周囲に相談すること、頼ることはとても大事です。
指導する側も自分自身の心を大切にしなければ、それこそ指導において感情的な指導につながってしまうと、もう悪循環ですよね。
後輩に伝えなきゃいけない部分は全く伝わらないですし、感情的な指導は相手を萎縮させてしまい、必要なコミュニケーションとして報告・連絡・相談が不十分になってしまう危険性があります。


以上が後輩などの指導において重要なポイントだと思います。

甘い部分ももしかしたらあるかもしれません。
ですが、人手不足のこの業界だからこそ、
そして、提供する看護の質を上げるためには、スタッフ間のコミュニケーション・信頼関係は、とても大事なんです。

責任の重い仕事だからこそ、情報共有がとても大事な仕事だからこそ、
どうか一度自分の指導の仕方について、
振り返ってみるきっかけになってもらえればありがたいです。





また別記事では指導を受ける側のポイントについてもお伝えできたらなと思います。



ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
指導する側もされる側も気持ちよく仕事ができる世界になれますように。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す