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夏休みの間、私は娘に話した「勉強するふりでいいから、本気で専門学校に行きたいって姿勢を見せよ?」娘は「嫌だ。なぜ、私だけそんな条件出されるの?勉強する意味が分からない。私の人生において勉強なんて必要ない。」
そういって、バンドとアルバイトに明け暮れた。
当然、父親は「お前に出す金がもったいない。自分で何とかしろ」

前後するが5月末、ある人物から連絡があった。
栃木で仲良くしていた外国人の先生。アメリカ・ニューヨーク出身のニック。
彼は聞いてきた、娘はまだ歌を歌っているのかと。
私は「歌っているよ。バンド組んでその時は生き生きしてる。」
「OK!6月28日(日)東京慈恵会医科大学病院 中央講堂でコンサートがあるから来れる?」
「わかった、家族で行くね。」そう言って電話を切った。
開始時間より、1時間ほど早く来てくれとの事。私たち家族はコンサートが楽しみでワクワクしていた。
慈恵会医科大学病院に着いて、中に入ったがどこかで音合わせの音はするが
静かだった。管理人のいるところに行き、名前を告げた。
私たちが案内されたのは、楽屋裏だった。
事の成り行きが分からないまま、ニックを探したがいない。
近くにいた人に、「ニックはどこですか?」と聞いたら
「広島公演が終わって飛行機には乗っているけれど遅延しているらしい」
そう言われた。様々なアーティストが現れた。
ゴスぺラをしてるであろう黒い服を身にまとった女性たち。
外国人アーティスト、現場入りした人たちは場違いな私達を横目でちらっと見ながら通り過ぎていく。
いい匂いのする女性が通り過ぎた。え?山下久美子さんだ。。
木根尚登さん、原田真二さん・・・
これからいったい何が起こるのかわからなかったが、ニックを待った。
ニックが到着するなり、詳しい話はあとでと言い、娘を連れて行った。戻ってきたかと思うと、一人の外国人に楽譜を渡され音合わせをしている。
睨みつけるゴスぺラの女性たち・・・
ニックが傍に来て言った「今日は娘さんをお借りします。」「え?」
控室で楽譜を暗記している娘、わからない所があったらしく
ゴスぺラの人達の所に行って娘は聞いた。
「すみません。ここの感じを教えていただけますか?」
数人の女性が言った「あなた何者?私達がどれだけ練習し、オーディションを受けながらここに来たと思ってるの?出来ないなら断れば?」
娘は「ありがとうございました」そう言って、席に戻り一人で覚えていた。
リハーサルが始まったが、娘はリハーサルには参加しないで一人で覚えていた

「まぁ、後ろの方で歌うだろうから心配ないでしょ・・」そう心の中で思った

いよいよ本番。私達は客席に移動し何とも言えない気持ちで待っていた。
数名の方の演奏が終わり、娘に楽譜を渡した外国人男性が現れた。
彼がピアノ前に立つと、ゴスぺラの女性達が舞台袖から後ろに並び始めた
娘はどこだろうと探したが、見つからない。
ピアノの男性が英語で話し始め、娘が紹介された。
娘はど真ん中に置かれたマイクの前に立ち、アカペラで英語の歌詩で歌い始めた。場内はシーンとしている、透き通る声 それに合わせるように
ピアノとゴスぺラが入ってくる。だんだんと迫力がまし、娘の顔は高揚していた。演奏が終わり、改めて外国人男性が娘を紹介し拍手が起こった。
ハグをしゴスぺラの女性たちに囲まれ退場した。
その後は、山下久美子さん・原田真二さん&木根尚登さんの演奏で終わった。
舞台裏に呼ばれた私達は、この場に立たせて頂いたことに敬意を示し感謝の言葉を伝えた。原田真二さんは、「彼女はとても素晴らしいものを持っている
彼女の個性を最大限引き出してあげてください」そう言ってくれた。

音楽で食べていけないことは、娘が一番よくわかっている。
音楽は、自分がしたいときにいつでもできる。
だから、服飾専門学校に行きたい。そう願ったが、叶わなかった。

続きはまた明日・・・
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