本性

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夫の転勤が決まった。自分たちの家に戻れる日が来た。
長男はすでに大学までエスカレータ式で行ける私立学校に入っており
寮生活をしていた。長女は高校受験と重なった。
次女は6年生で引っ越し、次男は小学1年生に上がる年だった。
長女の反抗期は中3から始まっていた。
興味のないことはしない。興味のあることには威力を発揮する
中学2年までは、クラスでトップをとっていたが
兄が寮生活を始めたと同時に、勉強に興味がなくなり全くしなかった
偏差値は40台まで下がり、担任からも行ける高校はお金を出して入れる
私立高校ぐらいだろうと言われていたが、父親はそれを許さなかった
兄が受かった高校を受験しろという。偏差値72の高校。。
我が家は誰一人として、塾や家庭教師などはご法度で
勉強は自分でするものがモットーだった。
長男と次女は授業をよく聞き、分からない所はその日に先生に質問し
解決する方法で勉強していた。英語も外国人の友達や外人の大人を見つけては
話しかけ、ネイティブな発音を頭に入れ、ひたすら単語を覚える繰り返しで
英検2級を取っている。長女は暗記力がすごく15分もあれば1冊丸ごと覚えるが、忘れるのも早い。

父親からの指令は、兄と同じ高校か地元の一番近い高校、偏差値65の高校
それ以外は受けさせないとの事。
落ちた場合は、夜学に行って働けという。
幸い、夫は夏ごろから一足先に地元に戻った。
私達は、夫のいない生活を満喫した。
長女もだんだんと落ち着いてきて、兄と同じ学校は当然不合格だったが
父親が指定した、家から近い高校には合格した。
引っ越し当日、卒業式を終え春休みだったが、中学のクラスメイト約半分ぐらいが集まって長女を送り出してくれた。彼女の勝利の姿だった。

高校生活が始まると同時に、夫は様々な役員を引き受けた。
高校のPTA会長・小学校のお父さんの会・幼稚園役員・地域の役員
私も元々作っていた、サークルのメンバーに洋裁教室を開いたり
パン作り講座を開き楽しんでいた。
周りから見れば、円満な家庭、模範的な家庭にしか見えなかっただろう。
しかし、夫が長女に見せる態度は日に日に酷くなっていくばかり
門限は18時(高校生でありえない・・・)
18時になると、私に「電話しろ!」と毎日いう。
電話をかけても出るわけがない。一番楽しい時だ、友達との交流もある
なぜこの子だけ縛り付けるんだろうと不思議だった。
20時ごろ帰宅すると、殴る。罵る。ご飯も食べさせない。
反抗する娘、さらに殴る父親。
「やめて!!」と覆いかぶさりかばうと
「誰のおかげで飯食えてる!誰のおかげで家に住めてる!お前の育て方が悪いから、こんなバカ娘になるんだ!」と吐き捨てるように言う夫。
不機嫌になると、母親のところに行き向こうで酒を飲んでは帰ってくる。
誰にも相談できない私。心のよりどころを求めネットにはまっていく娘。
夜中まで誰かと話している声が聞こえると、娘の部屋に行き
携帯を投げつけ、殴る蹴るの繰り返し。覆いかぶさり守ると
「お前は俺にたてつくな。お前は黙って飯作ってろ。」
そんな生活が始まった・・・・

続きはまた明日・・
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