大人へのステップⅡ

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コラム
事の成り行きはこうだ。席替えがあり私は後ろの方だった。
でも、前の席の男子は大柄で黒板が見えない。
「席を変わってほしい」というとその男子は快く変わってくれた。
座席表で休みかどうかを判断する学校でもあったので、
その事は担任に伝えてあった「座席変わったから変更してほしいと・・」
その日は、後ろの男子は休んでいて、社会の授業が始まると同時に
「春乃、休みだな。」そう先生が言ったので「私はいます。」そう答えた。
「そこはお前の席じゃないだろ!!!!」それが原因で職員室に呼ばれた。
延々と続く罵倒に耐えながら黙っていると、担任がやってきた。
少し安心した。「春乃・・また何かやったのか・・」
「え?また?」ざっと事の成り行きを説明しようとしたが遮られ
「先生がこれだけ怒っているという事は、お前が悪いんだから素直に謝れ」
呆れた・・こんな大人はくそくらえ(汚い言葉ですみません( *゚ェ゚)*_ _))ペコ
悔しかったけど、これ以上この人達の話を聞いてる時間がもったいない
そう思ったから、小さな声で「スミマセンデシタ」そう言った。
「聞こえない!!!腹から声出せ!!!」
正直、あなたいくつよ?白髪頭のじじい、推測では50代半ばでしょ?
高校生相手に、いわれなき文句を付けて何が楽しいの?
謝らせて何をしたいの?自分の意思に反するものは悪なの?
自分と言う基準があっての社会なの????
小さい・・・なんて心の狭い大人だろう。。
悔しかったけど、「すみませんでした!!」大きな声で言って
そのまま職員室から出てきた。
その時点で私は高校を辞めることを決めていた。
初めて流した悔し涙。。このまま家に帰ると両親が心配する。
校庭の隅っこで気持ちが落ち着くまで空を見上げていた。

そこに部活の顧問がやってきた。
音楽では県内でも有名な先生。この学校の吹奏楽部が毎回賞を取り
全国大会に行けているのも、この先生の指導力。
あとで知ったが、生徒指導の先生でもあったらしい・・・
貫禄のある風格に、丸い顔の禿げ頭。(先生ごめんよー事実だし。。)
生徒や一部の先生たちは恐れていたが、私には優しく思える先生だった。
横に座って「どうした?」と聞いてきた。
私はしばらく思案していた。きっと同じ答えなんだろうな・・・
「なんだ、月穂らしくないな。話してすっきりすることもあるぞ?」
いつも寡黙な先生がそう言ってきた。
先生は、私の話をじっと聞いていた。
話し終わると、頭をポンポン叩き「お前はお前だ。自分らしく進め。」
そう言ってどこかに消えた。
先生は、職員室に行き 私を罵倒した先生に詰めより
これでもかと言うぐらいの大きな声で
「貴様!!生徒の個性を潰すつもりか!そういう人間は指導者には向かない
学校から消えるべきは貴様のような考えの輩だ。担任と共に消えろ!!」
職員室が凍り付いた。大声を聞きつけた校長先生が顔を出し
緊急職員会議が始まった。
私は泣いた。うれし涙でいっぱいになった。こういう大人もいるんだ・・
この先生の為にもう少しだけ頑張ろう。恩返しをしなきゃ辞められない。
私が真面目に部活に顔を出すようになったのは、その頃からだった。
先生は違うジャンルの手法を私からどんどん引き出してくれた。
合同練習でアイコンタクトをしてくる先生。
それに応えるように曲に合わせアレンジを加えながらドラムをたたく
満足したように微笑む先生。何とも言えない安心感に包まれた。
両親以外に唯一信じられる大人。それが、この先生だった。

続きはまた明日・・・
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