ハクナマタタ

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木山さんからオプションで気球に乗ってみませんか?
と提案された。
値段を聞いてみると結構高額だ。日本円にして4万円位する。
そんなに持っていないわ。と言うと
カードが使用可能だという。私はカードはあまり使った事がない。
木山さんは 「大丈夫 ハクナマタタね」と言う。
気球申し込みの場所に来て カードを使うが暗証番号がわからない。
普段カードは使わないし 使うのは乗用車の修理や車検の時だ。
その時だって暗証番号を聞かれた事がない。
だから 「ダメね。仕方ないアバンダン。 諦めるわ」と言うと
大丈夫 ハクナマタタだと言う。後で銀行へ行くから大丈夫だという。
(アフリカに私のメインバンクの地方銀行があると思えない)
とにかくそのハクナマタタで乗ることにした気球。
乗ってよかった気球。いや 本当に広いな〜
360°地平線だ。野生動物もいっぱいいる。
こんなにいるんだ。
しかも着陸地点にまで車が走ってきて 豪華な朝食と
シャンパンだ。 
アフリカに行くならこれは外せないね。
さて 乗り終わった後、銀行へ行ったけど やはりお金はおろせない。
カードも暗証番号が分からないので使えない。
しかし木山さんは「大丈夫 ハクナマタタね」とニコニコしている。
やっとハクナマタタの意味がよくわかった。
ここで無賃乗車で捕まっても どうなってもハクナマタタなんだ。
だってここは生と死が近隣するサバンナなんだもの。
私は日本人だ。自分の身は自分で救う。
私はスマホで渋谷のオフィスに勤めている長男へ電話する。
びっくりするくらいクリアに声が聞こえる。
「至急 海外送金頼める?」
「いいよ 母さん どこへいくら送る?」
送り先を聞こうとキョロキョロするが 木山さんがいない。
あれ? 周りは知らない人ばかりだ。(しかもみんな現地の男性)
やっと木山さん走って来て 旅行会社のボスが代金を立て替えるから
心配ない、と言う。
良かった。
木山さんは自分のせいで 心配させて悪かった。と謝る。
「ノープロブレム ハクナマタタね」と私は答えたが
ちょっと焦った!

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