TNFD開示フレームワーク案の公開

記事
ビジネス・マーケティング
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)は2021年に発足した、企業が自然生態系全体に与える影響および企業や金融機関が受ける財務的影響、およびそれらへの対応についての開示を促す枠組みです。 

この枠組みが制定された背景には、生物多様性をはじめとした自然資本の喪失による社会経済的損失が企業の財務リスクにつながる可能性があるという、市場および経済界の懸念があり、ネイチャーポジティブ(水、大気、資源、生物等の状態を回復させること)に向けた取り組み及び開示が必要であるというステークホルダーの考え方があります。 

基本的な開示の枠組みはTCFDと共通している部分が多く、自然資本や生物多様性に対する企業のガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標の4つの柱が採用される予定となっています。一方でTNFDの枠組みにおいては、自社が外部環境から受ける財務的インパクトの評価だけでなく、自社が外部環境に与える影響を評価しなければならないとしています。 

すでに環境省においても、各国専門家チームで構成されるTNFDフォーラムに参加するなどTNFDの議論に積極的に参画しており、国内企業や金融機関における導入に積極的に貢献していくことが公表されています。国内企業において既に導入をしている又は検討を進めている企業はわずかではありますが、今後TCFDのように市場およびステークホルダーからの開示要求が強まることが予想されます。 

以上のような動向に備えるため、企業はネイチャーポジティブに向けた事業戦略の見直しや関連するKPIの策定、開示の準備等を検討することが望まれます。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す