過食症はコントロールできない。気が付くための苦しみだから。

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このブログを読んでくれている方で、「自分をコントロールできず苦しい」と思った経験がある方はどのくらいいるのでしょう。

私は10代半ば頃から40代前半まで拒食症と過食症で、そのうち過食症であった長い期間、自分をコントロールできないという思いを抱き、それが自分を苦しめていましたが、

摂食障害といった依存症(アルコール依存・薬物・買い物依存など)ではなくても、自分をコントロールできずに苦しいという思いを抱くこと、そんな経験って誰でもあったりすることなのでしょうか?

過食症は
「食欲のコントロールが不能になる」のではなく、
「食べるという行為のコントロールが不能になる」のだと思っています。

食べたいという気持ちは常に持っていて、日頃は意識してそれを抑制しているので、食欲のコントロールは不能になっていません。

災害に遭うなどして食べ物が調達できない時は、過食も鳴りを潜めるより仕方なくなります。

しかし、
その意識していた食欲のコントロールを振り切ってしまった時、
例えばそれは誰にでもあるような、
ダイエット中だから甘いものは食べちゃだめというような
「食べてはいけないと自分に指示していたコントロールを自分で破ってしまった時」

食べ物を目で探し、食べ物を手で掴み、食べ物を口に入れ、食べ物を咀嚼し、咀嚼したものを飲み込むという

「『食べる』という一連の行為のコントロールが効かなくなってしまう」のだと思っています。

制御が効かない、歯止めが効かない、タガが外れる、スイッチのオフが効かなくなりずっと稼働している、
そんな状態にも似ているのが、過食症にある時でしょう。

ハッキリ言います。
「過食はコントロールできません」

規則正しい食生活でコントロールするとか、
過食する時間をつくらないようにしてコントロールするとか、
そんなことが書いてあるのを目にしたことがありますが、

私は、規則正しい食生活をしても、どんなに忙しくても過食していました。

私は一応管理栄養士なので、拒食心があったとしても、それなりに栄養を意識した規則正しい食生活をしていたと思っていますし、

摂食障害の自助グループで出会い数年つながっていた女性は、夜遅くまで仕事をしてライブ活動もしてと多忙を極めていましたが、
夜遅く疲れた身体で帰宅して、テーブルについたら先ずビールというような感じで毎日過食し、インフルエンザで39度の高熱の時でさえ過食していたと嘆いていました。

ちなみに、
私が薬物治療をしていた時の精神科の先生は、過食したくなったらレモンをかじったり酸っぱいものを食べると食欲が抑えられるらしいよと私にアドバイスしてきたこともありましたが、
間違いなくレモンをかじった後に過食すると思ったので、実行していません。

どんな方法を使ったって、
マイルールを作り忠実に過ごしていても、
過食をコントロールすることなんてできないと私は思っています。

だってそれが、
「過食症」という「症状・特徴」ですから。

なので、過食はコントロールできるという記事に私は共感できません。

過食はコントロールできないのだから、できないことに執着する必要などなくて、
それよりも、
今の自分の生き方が、自分が望んでいる生き方であるか、をじっくり考えた方が生産的だと思っています。

そりゃ、嫌ですよ。
制御が効かず限界まで食べ続ける自分に苛立ちと落胆を通り越して、死にたくなりますし。
職場でも所構わず過食したくなって、体調不良を理由に早退させてもらったこともありますし。
どうにかして限界まで食べることをやめたい、普通に食べたい、と願うのは分かるし理解できます。

けれど、伝えたい。
「過食は症状ですよ」と。

風邪をひいたとき、身体はウイルスを撃退しようと発熱し、その発熱によって強制的に活動が抑えられ休息をとるより仕方なくなります。

虫歯ができると、身体は痛みというシグナルでばい菌が身体を侵食していると教えてくれます。

発熱や痛みは「症状」で「シグナル」です。
過食も「症状」で「シグナル」です。

身体から投げかけられたシグナルを、そう簡単にコントロールできるはずないんです。

仮に、
簡単にコントロールできてしまったら、それはきっと一過性のもので、自分にとって大した問題ではなかったということだと思います。
問題が深ければ深いほどシグナルも大きく、コントロールできないものだと思っています。

症状というシグナルは苦しいものです。
発熱も痛みも苦しいです。
けれどもきっと、
人間、苦しみが伴わないと起きている問題に気が付きません。

過食という症状が苦しいと感じるのには、
何か「気が付けよ」ということが潜んでいることに間違いないと思っています。


今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

今年に入って閲覧数がグッと増えてきました。
こんなマニアックなブログをずっと前から読んでくださっている方、ありがとうございます。
何となく興味を持って読んでくださる方、ありがとうございます。
とても嬉しく思っています。

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