もう一度小学生で習った「五大栄養素」を信頼する。

記事
コラム

先日、私が勤務する特別養護老人ホームに保健所監査が入り指導を受けました。

私はこの特別養護老人ホームに勤務して、まだ半年に満たなく、指導内容は主に前職の管理栄養士さんの栄養報告書についてだったので、個人的には打撃を受けずに済みましたし、

指導を受けて改善せざるを得ない状況に追い込まれたことで、赤字だ金額がどうのこうのと施設側の運営を気にせずに、引け目なく堂々と改善に取り組むことが出来そうで良かったなと思っています。


毎日の生活で必要な栄養量を満たすって、なかなか難しいことです。
1日3食、かなりしっかり食べないと1日量を満たすことはできません。

朝食抜き1日2食の人は、昼と夜にまとめて1日分の必要な栄養量を摂取しなければいけないことを考えると、そこそこボリュームある食事量になるので、人によっては胃の負担となりますし、
1日3食という回数は、色々な意味で理にかなっているんだと感じます。

私は食生活に気を配っていますが、やっぱり自分の好きなものに偏る傾向はあるし、面倒くさがりなので料理のワンパターン化は昔からだし、厳密に数字として出したら、満たせていない栄養素や、過剰に摂っている栄養素はあるだろうなと思っています。


健康な人の普段の食生活において、数字として満たしているか、あるいは不足しているかを気にする必要があるのかといったら、
私はあまり気にしなくて良いように思っています。

数字を指標にするのではなく、小学生で習った「五大栄養素をまんべんなく摂れているか」を気にした方が、実生活において役立ちます。

2006955.jpg

〜「五大栄養素」おさらいです〜
① 炭水化物(糖質)(ごはん・パン・麺・芋類・お砂糖など)
② たんぱく質(肉・魚・たまご・大豆製品など)
③ 脂質(油類・マヨネーズ・豚バラ肉など)
④ ビタミン(野菜類・果物類)
⑤ ミネラル(海藻類・きのこ類・牛乳・小魚)

1食に五大栄養素が全て取り入れられている献立が望ましいのですが、なかなかそうはいきませんよね。
1食が難しければ1日という範囲で取り入れていくようにして、
1日でも難しければ1週間の範囲でというように、
無理なく余裕をもって五大栄養素を活用して食材を取り入れていくことが、実生活では大切になると思っています。

「五大栄養素」は小学生で習うだけあって、栄養学の基礎中の基礎です。
そして、これほどまでに実生活の食事に活用できるものはないんじゃないかというくらい、簡単でいて有効です。

気にするべき点においては、五大栄養素の「量」や「質」です。

通常、上手に五大栄養素を取り入れて食事を作れば、大幅にどこかの栄養素が偏るようなことはないと思いますが、野菜が不足したり、炭水化物や脂質やたんぱく質が多くなることは、日本の外食産業や中食の傾向なので、これらの偏りは意識しないと避けられないことでしょう。


〜注意すること〜
① 野菜(特に緑黄色野菜)・きのこ類・海藻類は多めに摂る!
1食に「生野菜なら片手1杯!」「茹でたり炒めたり加熱した野菜は片手1杯!」これが本来摂りたい量で、摂るべき量!
→「太りにくくなる」「LDL(悪玉)コレステロール値を低下させ、HDL(善玉)コレステロールを増やす」「高血圧を予防する」

② たんぱく質の摂りすぎに気を付ける。
→「定食をイメージした量」で摂りすぎに注意。
「青魚」は特に意識して食べるようにする!

③ 脂質の摂りすぎ、選択に気を付ける。
「揚げ物」「脂っこい料理」の選択は控えめに。
サラダ油や大豆油より「オリーブオイル、菜種油、ゴマ油」を積極的に使用!
→「動脈硬化を予防」「肥満予防」


「野菜をきちんと食べています」という人でも、その「きちんと」の基準がハンバーグの添え物程度だったりします。
野菜やきのこや海藻類を毎食きちんと摂ることで、食物繊維が糖質の吸収を緩やかにして、急激なインスリンの分泌を防ぎ、血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。つまり、太りにくくなります。

たんぱく質強化食品が流行っていますが、私はたんぱく質は過剰に摂っても意味がないと思っています。
現在のような日本の外食産業や中食産業の傾向から考えると、たんぱく質は無理なく摂れてしまう食品なので、普通の生活をしている場合においては、結局のところ、摂り過ぎた分は脂肪になると考えられます。
「たんぱく質だから」と何となく罪悪感なく安心して過剰摂取しては意味ありません。

脂質も現在の日本の食生活において、無理なく摂れてしまう食品なので、外食や中食が多い方は摂りすぎに注意が必要です。
また、外食や中食で使用される油はどんな油を使用しているか分からない場合も多いです。
古くなった油は酸化され身体にとって有害物質となるので、頻繁に利用するという方は、緑黄色野菜を中心に多めに添えて食べると、かなり違ってくると思います。


年代にもよりますが、今の日本の食生活は「たんぱく質」「脂質」といった栄養素が摂取過剰になり「ビタミン」「ミネラル」が不足している傾向とまとめられると思います。

意外に感じるかもしれませんが、炭水化物の平均摂取量は欧米化の食生活により年々減少しています。これは、たんぱく質・脂質の摂取量が増加しているためと考えられます。日本はまだまだどんどん豊かになっているのです。


「糖質OFF」「脂肪ゼロ」商品など増えてきていますね。
けど実は、何でも減らせばいいってもんじゃないんですよね。

知識が不足している人ほど、手っ取り早く単純に減らすことに走りがちですし、そういう人に限って、糖質OFFを過信しすぎて「身体に良いことをしている」気になっているだけで、実質微々たる糖質OFF商品で意味のないことをしていることになりがちです。

今日このひき肉の半分をお豆腐に変えてみたり、
この白米や食パンを、雑穀米や全粒粉パンにしたり、
今日から緑黄色野菜を積極的に食べれば「大きな波及効果」が期待できます。


食生活の中に「五大栄養素」を整えていくことは、数字で計算する必要もない、基礎的な知識で死ぬまで活用できる、何より優れた栄養管理方法です。

OFFやカットやゼロ、たんぱく質強化で無駄に食生活をカバーした気になっているのであれば、
もう一度「五大栄養素」を信頼して見直してもらいたいなと感じます。


健康管理ほど長期的な取り組みはありません。
自分の身体を維持するために、死ぬまで必要な栄養は補給しなければいけません。

「持続できる」意味ある取り組みが功を奏すると思っているので、私も過去の痛手を少しでも補っていけるように、地道に頑張っていこうと思っています。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す