拒食症と承認欲求

記事
コラム
摂食障害の原因のひとつとして
「幼い頃の母子関係、家庭環境に関係がある」
と言われています。


このことについて、
拒食症〜過食症〜ようやく克服

摂食障害とともに生きてきた
私なりの考えを書いていきたいと思います。


私が摂食障害に幼い頃の母子関係、家庭環境に関係があると知ったのは、
拒食症から過食症になって本当に間もない頃、

当時通っていた専門学校(のちに中退)で社会福祉学の講義をしてくれた外部の先生に教えてもらいました。


先生が、ある日授業でわたし達生徒に
「自分は拒食症と過食症だった」と打ち明け話をしたので、

先生に今の自分の状態を相談しようと、
長文の手紙を渡しました(手紙という時代でした)。


先生は次の授業で私への手紙とともに、数冊の本を渡してきました。

手紙には、当時の私にとって衝撃的な内容が書かれていました。

「摂食障害は幼少期の母子関係が密接に関わっています」
「お母様から満足な愛情を与えられなかったことが拒食症になった原因です」


なんのこっちゃでした。

ダイエットで痩せることと
食べ過ぎて吐いてしまうことと
なんで母が関係するの?

先生が私に手渡した数冊の本は、
拒食症、過食症といった摂食障害の本でした。


本を読み終えた時には
「そうか、私が拒食症になって過食症になってこんなに苦しいのは母に愛情をもらえなかったからなんだ」
自分の今の状態について、そう解釈していました。


一般的な摂食障害に関する本にも、
「適切な愛情を与えられなかったことが原因のひとつ」
ということが書かれています。

(何度も書いているように、それよりも有益で必要な解釈を、今の私は知っています。)


拒食症は食事を自ら拒否することで痩せていきます。

拒食症とはいかずとも、痩せている人を見て
皆さんどんな印象を受けますか?

私は痩せている方なので
「か弱そう」「体力なさそう」
など言われることが多いです。


痩せている姿は、それだけで「弱い」印象を与えます。

拒食症の人は全身で

「私は弱いの」「私を守って」「私に注目して」「私を支えて」「私を抱きしめて」

とアピールしています。


自ら痩せ細ることで
声に出せない心の声を
自らの姿を借りて訴えているのです。


また、
命の源である食事を拒否し続けるということは、
生きることを拒否することにもつながります。

私は食と栄養に携わる管理栄養士で、
今は薬膳と中医学の勉強をしているところですが、

食と生命(気・精神)は切っても切れない関係、
生きる意欲や、その人の持つ個性は、しっかりと食に現れると思っています。


拒食症は自ら命を擦り減らし、絞っていく行為です。
自ら命を擦り減らしてまで手にしたいものは何なのか?

それは「承認欲求」だと思っています。


「私という人間を認めてよ」と

自分に最も近い存在
かけがえのない存在
自分の味方であってほしい存在に

痩せた身体を使って訴えているのです。


拒食症という時期は、とても純粋な時期です。
迷うことなく、痩せるということに真っ直ぐでいられます。

自分の身体に不純物は入れない。
本当に自分だけのエリアが完成されていく時期です。

それはまさに、
母親を想い慕う、子どもの純粋で真っ直ぐな気持ちと同じです。


拒食症の時期に
「母親を求める」「母に認めてもらいたい」
という思いを抱くのは、確かにあると思います。


「母親の愛情が欲しい」

という気持ちが、幼い頃の母子関係と関連するのか?
は今回書けなかったので、次のブログで書こうと思います。


続く。

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