すぐ使える!部下を追い詰めない言い換え術

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。
”現役人事のコーチング”をやっていますアサマルです。

部下が何かミスをした時、マネジャーの方は
まず状況を把握する必要があります。
リカバリーするためには、そもそも何が起こっているのか、
どんな問題があるのか、部下に話を聞かなくてはなりません。

そんな時、あなたは部下にどんな尋ね方をしていますか?

今日は、部下を追い詰めることなく、必要な情報を尋ねることができる
言い換え術をご紹介してみたいと思います。

「なぜ」って大切だけど強力すぎる?

こういったトラブルの場面で、その状況が起こった理由(なぜ)を
理解することはとても大切なことだと思います。
Whyを理解して初めて、How(どう対処すべきか)が判断できるからです。

でも「なぜ?」という言葉には、単純に状況を聞く以上に、
強いニュアンスがあるように感じませんか?

なぜできないの?
なぜやらなかったの?

なぜ」という言葉には、
ニュートラルに要因を尋ねているつもりであっても、
受け手からすると、
相手を責める・叱るといった特有のニュアンス
含まれていると感じられます。

特に大きなミスだった時、これまでもお願いしていたはずなのに
取るべき行動を取れていなかったという時は、
マネジャーの側にも、率直に言えば、責める・叱る気持ちがあるから
「なぜ?」を使ってしまうことはないでしょうか?

「嫌われる勇気」の著者である岸見一郎さんは
別著「ほめるのをやめよう リーダーシップの誤解」において、
リーダーが部下を「叱るのをやめよう」と提案されています。
 叱ることの一番の問題は、部下が自分に価値がないと思うことです。直近の失敗を叱るだけでなく、「こんなこともできないのか」と、失敗について指摘するというより人格攻撃をすれば、部下はいよいよ自分に価値があると思えなくなります。
 アドラーは、「自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持てる」といっています。この勇気は、仕事に取り組む勇気です。

「なぜ」は、感情がのって語気が強まりやすい傾向があります。
まさに「叱る」に繋がりやすい言葉なので、少し取扱注意だと思います。

つまり、「なぜ?」と問われ、叱られたと感じた部下は、
自分は無能である、価値がないと感じてしまう可能性があります。
ちょっと大げさかもしれませんが、少なからず部下は自信を失うか、
反射的に言い訳したくなり反発するかもしれません。

いずれにしても、その後の部下のパフォーマンスに良い影響は
与えないと思います。

ですがマネジャーは、情報として「なぜ」を知る必要がある。

では、部下に過度にプレッシャーを与えることなく、
必要な情報を聞くにはどうしたらいいのでしょうか?


「なぜ(Why)」を「何(What)」に置き換える

こんな時に便利なのが、「なぜ(Why)」を
「何(What)」を使った聞き方に言い換える方法です。

例えば、
「なぜやらなかったの?」
ではなく、
何がそれをやる妨げになったんだろう?

「なぜそんなことをしたの?」
ではなく、
どんな状況があなたにそうさせたんだろう?
というような具合です。

少し受け取る側に柔らかい印象になりませんか?

この聞き方をした場合は、相手の責を問うというより、
あなたのことは変わらず信頼しているけど
何かがあなたに影響して、好ましくない状況が起こっているようだから
その大元の何かを教えてほしい
というニュアンスに変換することができます。


ミスした部下と話すと何が達成できる?

そもそも、マネジャーの方が忙しい中で時間を割いて、
ミスを起こした部下と話をするのは何のためでしょうか?

・部下の行動変容を促す
軌道修正してもらう
・次に同じような場面で適切な行動ができるよう育成する

ミスを知った瞬間に、マネジャーの方は
感情的になってしまうこともあると思います。

ただ、部下と話をする本来の目的に立ち返れば、
あえて部下を意気消沈させ、やる気を削ぐ必要はないと思います。

二次的な弊害のリスクもあります。
ミスを起こして(特に強い口調で)責められる体験をすると
人間は、どうしてもその後、悪い知らせを隠したくなります。

そうなれば、マネジャーの方にとっては、もっと致命的な場面で
必要な情報が部下から上がってきにくくなってしまうかもしれません。

だからこそ「なぜ(Why)」の代わりに「何が(What)」

そこで一呼吸おいて、部下との関係性に影響が少ない言い回しで
純粋に状況を尋ねる。これが大事だと思います。

部下を責めたくなってしまうようなことが起きたら、
言葉の変換のコツとして、思い出してみてください。
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