中小企業経営のための情報発信ブログ153:己を知る

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ビジネス・マーケティング
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 「言われたことしかやらず、自発的に動いてくれない」「自分の支持や思いがうまく伝わらない」「やる気がある振りはするがモチベーションが低い」といった部下への不満を抱く人は多いでしょう。
 一方で、「モチベーション不足で悩んでいる」「自分自身会社の方針に納得できず、部下にうまく説明できない」「自分の将来をうまく描けない」といった悩みを持つリーダー・上司も多いのです。
 「この仕事は重要だ」と口では部下に言っても、上司の内心に仕事への疑問があれば部下にうまく伝わるはずはありませんし、上司のモチベーションが低いのに部下のモチベーションが上がるはずはありません。モチベーションが低い上司が部下をたきつけてもついてきません。こういう状態でいきなり「リーダーシップを発揮しよう」としても必ず失敗します。「自分のことを棚に上げて」と白い目で見られるのが関の山です。
 まず、重要なのは、「まずは自分を知ること」です。
1.彼を知り、己を知れば、百戦して殆からず
 多くのリーダーや上司は、「部下を変えよう」とします。「相手をいかに変えるか?いかに動かすか?」ではありません。自分ができていないのに、人を変えることも動かすこともできるはずはありません。己を知り、己が実践できてこそ、人は変わり動くのです。
 「彼を知り、己を知れば、百戦して殆からず」という孫子の言葉があります。
 これは、「敵の実力や現状をしっかりと把握し、自分のことをよくわきまえて戦えば、何度戦っても敗れることはない」ということです。
 「孫子」は、春秋時代(紀元前770~403年)の兵法家・孫武によって書かれたとされていますが、孫武の生没年・出生地も不詳で、「孫子」の原本を今のところ発見されていません。1972年に、山東省銀雀山で紀元前317年から134年頃と思われる漢墓から「竹簡孫子」が発掘され、孫武が実在の人物だということで決着しているようです。
 「孫子」では、実に詳細、綿密に戦略や戦術が論ぜられ、兵法の書として有名ですが、ビジネスにも通じるものがあります。
 この言葉は、ビジネスに関して言えば、「問題が生じても、その内容を吟味して、自分の力量を把握して対処すればうまくいく」ということです。
 今の時代、「敵を知る」ための「精度の高い、価値ある情報」を収集することは、インターネットの発達で容易になりました。もっとも、情報過多の時代で、どれが「精度の高い、価値ある情報」かを見極める必要はあります。
 一方で、「己を知る」というのはなかなか難しいものです。
 人間に多かれ少なかれ認知バイアスがあります。認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
 認知バイアスの一つがダニングクルーガー効果と言われるもので、「実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で過大評価してしまうこと」です。自己評価は、周囲の反応や他者の評価によっても影響されるものですが、自己評価を誤っている人は、周囲や他者の評価を誤っている可能性があります。自分を高く評価しているがために部下の評価を不当に低く、あるいは高くつけてしまう可能性があるのです。
 このダニングクルーガー効果は、能力が低い人が自分を過大評価するものですが、一方で、能力が高い人が自分を過小評価する認知バイアルもあります。
 このように、自分を正しく評価するというのは難しいものです。
 「自分を知る」ということは「自分がどんなことを大事にしているか」「会社で何を成し遂げたいのか」「今どんな夢や目標や夢を抱いているのか」といったことを明確に理解することです。
 認知バイアスに陥らないためには、自分を客観視することです。自分を客観的に見ることができれば、自分を過大評価したり過小評価することはなくなります。自分を客観視し、自分を深く知ることです。
 自分を知る「深さ」で他人のことも理解できるようになります。自分のことを深く知ると、リーダーシップを発揮するのがラクにできるようになります。自分を知ることで、相手の立場・視点に立って物事を考えられるようになります。自己理解と他者理解は連動しているのです。
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