中小企業経営のための情報発信ブログ33:フレームワーク

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は「フレームワーク」について書きます。
仕事の量は資源の量まで膨張する」という「パーキンソンの法則」があります。この「パーキンソンの法則」により、私たちが抱える仕事は増えることはあっても減ることはありません。時間や工程に追われ続けることになるのです。少しでも楽をしたければ効率を上げるしかないのです。しかし、少しでも余裕ができれば、パーキンソンの法則の通りまた新しい仕事が舞い込むので、効率を上げ続けるしかなくなるのです。こんな時に一から考えていたのでは効率は悪く、同じ悩みを抱える人や専門に研究している人の知恵を活かすのがベストです。そのために役立つのが「フレームワーク思考」です。「フレームワーク」すなわち考え方の型を使って考える思考法です。
ビジネスにおいて「どうやったら集客できるか」「どうやったら新しい商品やサービスを生み出せるか」「どうやったら売れるのか」などなど考えることは山ほどありますし、考えた結果ますますどうしていいか分からなくなるということも多いのです。大きな問題になればなるほど、型を使って切り崩さないと、どこから考えていいのかわからず、行き当たりばったりではモレやヌケ、偏りも出てきます。
MECE(ミーシー Mutually Exclusive Collectivery EXhausive)という言葉が使われますが、それは和訳すると「モレなく、ダブりなく」という意味で、物事を整理する際に、モレやダブりといった問題をなくし、正確な判断をするために用いるのがフレームワークです。
繰り返しになりますが、ビジネスに限らず、問題が発生した場合、ただやみくもに考えるだけでは解決法はその場の思いつきになりがちです。根本的な解決にたどり着くためには冷静な視点を持ち、知識や経験をもとに解決策を探る必要があります。この根本的な姿勢を求める姿勢が、フレームワーク活用のポイントです。いきなり回答を求めるのではなく、①事態の把握 ②対策を考えるための方法論 ③対処するためのプロセス、といった段階を追って論理的に考えることが重要です。フレームワークの導入により、思考時間の節約になり、論理的な思考機会が増えて自身の成長にもつながります。
フレームワークは、課題を抽出して分析するツールであり、アイデアを生み出すツールであり、課題を解決へと導くツールでもあります。フレームワークの中には、アイデアを生み出すためのフレームワークもあります。大切なのは、単に思いつくだけでなく、創造力を結実させることです。アイデアからビジネスのヒントをすくい取り、創造力のある仕事へと結びつけることです。
また知的生産性は、「Do more with less(なるべく少ない労力で、なるべく多くの成果を)」というコンセプトで、「時間」を分母に「仕事の質✖量」を分子に取った方程式で表されます。フレームワークの活用は、仕事の質を充実させるだけでなく、思考のムダを排除することで、労働時間を短縮させ、知的生産性の向上に役立ちます。
フレームワークを使う基本は次のようなものです。
1.型どおりに徹底的にパクる。
 ビジネスの定番であるフレームワークを覚えても、それを使いこなすことができなければ意味がありません。大切なのは正しい使い方をすることです。間違った使い方をしていては、思うような効果は得られません。
 芸能や武道で「守破離」という言葉があります。これは「型を守る」「型を破る」「型を離れる」の順番で熟達への道を歩むというものです。まず、余計なことを考えず、型通りに忠実にやらないと「型なし」になってしまいます。型の意味も会得できなくなります。「学ぶ」ということは「真似る」ことで、徹底してパクることが大切なのです。
 もちろん、型どおりにやったからといって必ずしもうまくいくとは限りませんが、型どおりにやらないとスタート地点にすら立てません。フレームワークはあくまでも考え方の視点を与えてくれるもので、自動的に正解に導いてくれるというものではありませんが、まずは自己流を脇において、型に従ってみることです。
2.反対のフレームワークからも眺めてみる。
 フレームワークには功罪もあります。フレームワークを使うと考えやすくなる半面、その視点でしか物事が見えなくなってしまうということです。
 業務改善の例で言えば、ECRS(排除(Eliminate)、統合(Combine)、交換(Rearrange)、簡素化(Simplify))だけでなく、ERRC(取り除く(Eliminate)、減らす(Reduce)、増やす(Raise)、付け加える(Create))、Toc(ボトルネック)などのフレームワークがあります。どれを選ぶかによって得られる答えも違ってきます。今置かれている状況に適したものを選択しないとピント外れの結論に陥ってしまいます。フレームワークの囚われをなくすための方法の一つが「リフレーミング」で、一つのフレームワークで考えたのちに、違ったフレームワークを使ってもう一度考えてみることです。一つのフレームワークで考えたのちに反対のフレームワークで視点を変えてリフレーミングの習慣を身につけておくことが、バランスよく物事を考えることができるようになります。
3.矛盾を統合する新たなフレームづくり
 先ほど、視点を変えて別な視点からリフレーミングすると言いましたが、両者を統合して一歩上を行くという考え方がメタフレームメタフレーミングです。弁証法でいう正(フレーム)、反(リフレーム)、合(メタフレーム)で、こうして生まれたメタフレームが、次の時代を担う新しいフレームになるとも言われています。
   多くのフレームワークがありますが、これらのいくつかを統合するようなメタフレームを見つけ出すことは難しいことです。こうした新しいメタフレームを見つけ出すことに精を出すよりは、今あるフレームを正しく使うことが大切です。メタフレームは、これまでのフレームを使い続けている中で偶然見つかるような気がします。
フレームワークは思考の枠組みですが、ビジネスシーンでは、課題に対して問題点を整理し、最善の解決策を導き出す手助けとなるツールです。これらは、著名な経営学者やビジネスの達人が研究結果やノウハウから導きだしたものですが、絶対的なものではありません。人が一人ひとり違うように企業もビジネスも千差万別です。ある企業で上手くいったフレームワークが他の企業で上手くいくとは限りません。あくまでもフレームワークは枠組みにすぎません。それを使うのは人です。決められたフレームワークに固執する必要はありません。フレームワークを一つの枠組みとして自分なりに自社なりに枠組みを組み替えていけばいいのです。
フレームワークには多くのものがあります。どのようなフレームワークがありどのように使うのか、知りたい人のために参考となる本を紹介しておきます。
①「知的生産力が劇的に高まる 最強フレームワーク100」永田豊志著(ソフトバンク・クリエイティブ)
②「あらゆる問題を解決できるフレームワーク図鑑」永田豊志監修(メディアファクトリー)
③「ビジネス・フレームワーク」堀公俊著(日本経済新聞出版社)
④「コンサルタントが使っているフレームワーク思考法」高橋健三著(中経出版)

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