先生が倒れちゃった!

記事
コラム
ちいこの保健室へようこそ!

学校の保健室の先生を29年間勤めました。



これも以前、私が勤めた中学校での出来事です。

当時、私と同世代の、年配女性のM先生が
3学年主任を務めていました。

女性で、主任等の役職に就く先生は、
たいがいしっかり者で、仕事もできる。
自分のミスで、人に迷惑をかけたり、
突っ込まれるなんてことは、極力ないように
完璧にこなす方が多いな、という
私の勝手な印象です。

そのM先生も、まさに完璧主義。
生徒にも、先生方にもはっきりものを言うので
M先生に叱られていたのは生徒だけではなく、
先生が叱られているところも、
私はよく見かけました。

M先生と軽口をたたいて、
仲良く話す先生もいましたが、
私はとろいので、どちらかといえば
M先生に叱られちゃうタイプ。

なので、必要なこと以外は、
あまりしゃべらないように、
近づかないようにしていました。


3年生の先生方は、
ちょうど今くらいの時期から、進路関係で
すごく忙しくなってきます。

ある日、3年生の学年会議が終わって、
会議室から出てきたところで、
M先生が、突然意識を失って
バターンと倒れてしまったのです。

私、保健室の先生なので当然呼ばれます。

M先生は、けがはしておらず、
呼吸も脈拍もあったのですが、
校長先生と
「原因がわからないので
救急車を呼びましょう」
と話していたところ、
M先生の意識が戻ったので
とりあえず保健室に運んで、
ベッドで休んでもらいました。

ベッドで一息ついて、
普段はちょっと苦手なM先生ですが、
「忙しそうですね、ちゃんと寝てますか?」
と私の方から声をかけました。

M先生は、
「最近忙しくてね、
4時間くらいしか寝てないかな…」
と、ぽつりぽつりと話し始めました。

つづく









サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す