少し前に、テレビで面白い実験を紹介していました。
以下に説明します。
アメリカの有名大学で最大で10ドル稼げる実験への参加者を募集しました。
その内容は、比較的簡単な数字探しの問題を5分間に20題させるとのものです。
事前の確認によって、平均3.5問解けることがわかっています。
実験では学生たちに自分たちの解答を自己採点させ、申告させました(チェックなしで)。
すると平均3.5問のはずなのに、平均6.2問に上がったんですね。
つまり、実験に参加した学生たちは約2倍にも水増しして申告したことになります。
そして、不正を行ったのは、一部の学生だけではなく、ほぼ全員だったとのことです。
被験者の学生たちは一見真面目そうで、成績も優秀だったのですが
要するに普段は善良だと思われる人でも、ばれない環境では不正をする可能性が非常に高いということです。
かなり前に日本で話題になった多数の議員による政務活動費の誤魔化しの問題も、きちんとチェックするシステムがないから起きたことでしょう。
普通の人よりも優れた倫理観を持っているとはとても思えない議員たちは特別の監視をしないと。
少し戻りますが、昨日書いた実験は金額が10ドルと少額なので、比較的簡単に不正を働くことができたのかも知れません。
高額になると恐怖心が出てきますからね。
莫大な金額を着服する人もいますが、これには特別のプロセスがありますが、これについてはまた別の機会にお話しします。
それから、実験が行われたのはアメリカだったということもあります。
日本だったらどうだったでしょう。
日本ではタクシーで財布を落としても返ってくるので外国人が驚くなんて話を良く聞きますから。
そう云えば、面白い話があります。
POS(販売時点情報管理システム:レジでバーコードを読み取るやつですね)は、アメリカで発明されたのですが、元々はレジ担当者の不正防止が目的だったのです。
これを日本に導入する時に、こんな従業員を信用していないシステムは人気がなく、なかなか普及しなかったんですね。
それで、誤った売価での販売などのミスを防ぐのが目的であることを強調するとようやく受け入れられ始めたとのことです。
日本人は性善説か、もしくは、偽善的なんでしょう。
多分、日本人の恥の文化と西欧人の罰の文化なんかも関係するのでしょうが、ややこしくなるので、今回はこれ以上話を広げません。
では。