最初に断っておくと、今日の記事のタイトルは往年の名画「パリは燃えているか」(監督ルネ・クレマン)の下手くそなもじりです。
皆さんもご存じのとおり(といっても日本ではあまり報道されていないようですが)、今、パリは、というかフランス全体が大変なことになっています。
一昨日もこのブログで取り上げましたが、要するに警官が検問中に17歳のアラブ系少年を射殺した事件を機に始まったデモが暴動化し、全国に広がったのです。
そして、7月2日にはパリ南郊のライレローズのヴァンサン・ジャンブラン市長の自宅が襲撃されました。
市長は不在だったものの、妻と子供が火傷や足骨折の重症を負っています。
今までも商店が襲われ、略奪されることはありましたが、個人の家を襲撃するなどという計画性のある犯罪行為は初めてのことで、政府や警察・行政関係者の緊張が一気に高まりました。
そんな中、パリ在住の作家でミュージシャンの辻仁成氏が、「息子が住んでるマンションが放火された」とブログに書いています。
辻氏本人は現在、イタリアのシチリアにいるとのことで難を逃れたようです。
辻氏を含めてパリに住む日本人の有名人の方たちは、恐らく割と高級なアパルトマンに住んでいるでしょう。
普段だと、そういった高級アパルトマンは治安がいいのですが、こういった暴動のような事態のときは、反対に狙われることも多いのです。
日本人には、フランス、特にパリに幻想を抱いていて、粋でお洒落で、しかも治安がいいと思っている方が多いようですが、そんなことはまったくありません。
私が住んでいた20年ほど前も暴動はありましたし、テロ事件なんかも珍しくありませんでした。
私の住んでいたアパルトマンの前の映画館が上映されていた反キリスト映画が気に入らないからと放火され、全焼したことがあったくらいです。
誰とはいいませんが、割と安易にパリに「逃亡」する日本の有名人が多いようですが、何度もいうように、フランスは人種差別の国であり、今回のような激しい暴動が頻繁に起きるような国なのです。
そのことをきちんとわきまえておくべきでしょう。
いずれにしても、当分の間、フランスへの渡航は避けた方がいいと思います。
では