介護の問題と平均寿命

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少し前のことですが、認知症で徘徊症状のある91歳の男性が列車にはねられ死亡した事故で、裁判所は遺族に鉄道会社への損害賠償金約360万円の支払いを命じました。

遺族は見守りを怠ったことを咎められたわけです。

しかし、この遺族とは85歳の奥さんのことで彼女自身も介護を必要とする身です。

いわゆる老老介護ですね。

彼女は夫の介護に疲れ、数分間うたた寝したのだそうです。

その間に夫が外に出て、事故にあった。

裁判官はこれを本当に防止可能だったと考えているんでしょうか。

若くて健康な人間でも四六時中介護していれば疲れ果ててしまいます。

注意が途切れることもあるでしょう。

本人自身が介護を必要とする高齢者であればなおさらです。

それでも事故が起きれば責任を問われてしまう。

これが日本の司法の考え方なんですね。

高齢化社会になり、今後、ますますこうした老老介護の夫婦が増えるでしょう。

しかし、国はまったくの無策で、しかもそのツケを国民に回しています。

私もとても人ごととは言えない年齢になりましたが、これでは安心して生活することなんてとてもできませんね。

ところで、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳で、過去最高を更新した2020年(完全生命表)と比較して男性は0.09年、女性は0.14年下回りました。

国際的な比較では女性は世界一、男性は3位だそうです。

おもしろいことに、それでもテレビでは、世界のどこそこではこんな健康法があって、住人はこんなに長寿だなどとやっていますが。

本当は日本人のほうが長生きしているのに。

とにかくテレビに限らず、新聞・雑誌・書籍を見ても、アンチエイジング、若さを保つ方法、長生きするための方法であふれています。

しかし、長生きすることばかり考えても、どのように生きるべきかを考えなければ意味がないのではないでしょうか。

老人の働ける場所などほとんどありません。

仕事にかぎらず、老人が生きがいを見出せるようなことが今の世の中にあるでしょうか。

その上、この国の社会保険制度は破綻直前でこれから老境に達しようとする人たちに不安しか与えません。

これでは老後を幸せに暮らしていけるかどうかまったく定かではありません。

この国は安心して子供を産んだり、老後を幸せに過ごせるような国なのでしょうか。

では。


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