日本の低い生産性と中小企業

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ネットで気になる記事を見つけたので取り上げます。

「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)でのたけしさんと東国原英夫さんの討論についての記事です。

討論のテーマは、日本の職人による「唯一無二の技術が評価されていない」でした。

たけしさんは職人技を高く評価しています。

一方、東国原さんは「そうは言ってもマクロでみると、日本の成長力ってのが海外よりやっぱ見劣りしてるわけですよ。全体の経済のマクロで見たときに」と指摘し、

「その足を引っ張ってるのは、やっぱり中小企業じゃないかなと。この生産性じゃないかなと。諸外国と生産性の数字を比べてみると、やっぱり日本は落ちます」と力説しました。

この発言に対して、MC の阿川佐和子さんが「なんで中小企業が足を引っ張っているんですか?」と質問すると

「今の生産性の問題です。生産性っていうのは付加価値じゃないですか。高いものが売れる。そうすると従業員の数なんかで割ると、これが生産性」と説明。

さらに「やっぱりね、中小企業を守って。それは政治の関係ですが、中小企業さんというのは票を持っていますから。『この人たちを守りなさい、守ってください』って政治家に言うと、政治家はそれを守らざるを得ない」と続けたのです。

「日本の成長力ってのが海外よりやっぱ見劣りしてる」や「諸外国と生産性の数字を比べてみると、やっぱり日本は落ちます」との意見は間違っていません。

しかし、「その足を引っ張ってるのは、やっぱり中小企業じゃないかなと。この生産性じゃないかな」との発言はいただけない。

なんというか、東国原さんには中小企業に偏見があるようです。

まず生産性ですが、「生産性とは生産諸要素の有効利用の度合い」、つまり、あるモノをつくるにあたり、生産諸要素がどれだけ効果的に使われたかを割合で示したものです。

そして、生産性にもいろいろある中で特に注目されるのが労働生産性です。

これは労働者1人当たり、あるいは労働1時間当たりでどれだけ成果を生み出したかを示すものですが、日本の労働生産性は先進国の中では最下位なのです。

意外でしょう。

しかし、世界的に見て日本の労働生産性はなぜそんなに低いのでしょうか。

実は日本が経済的に絶好調の時からそうだったのですが、その理由は付加価値を生み出す力が弱いこと、一つの仕事に携わる社員数が多く、時間をかけすぎていることです。

今でもというか現在の方がひどいかもしれませんが、日本では労働時間がとにかく長いですよね。

サービス残業なんて当たり前ですし。

これはアメリカやドイツと比べると特に顕著です。

同じ金額を稼ぐために投入する労働者も労働時間も、日本はこの2ヵ国より多いことが分かっています。

そして、これは東国原さんがいうような中小企業だけではなく、一流と言われる大企業でも同じです。

もちろん中小企業にもいろいろありますから十把一絡げにいうことはできませんが、むしろ中小企業の方に生産性の高い企業が結構見られるくらいです。

さらにいえば、一時、世界を席巻した日本の生産方式(トヨタのカンバンシステムや日産のJIT方式)は下請けの中小企業に支えられたものでした。

そう考えると、政府がするべきことは、東国原さんの意見とは反対に、大企業の意識改革を図りつつ、優秀な中小企業を支援することではないでしょうか。

とはいっても、経済の停滞や経営者の意識が向上するどころか後退している感さえする現況を考えると、今後も生産性の向上は期待できないかも知れませんが。

では



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