スシローぺろぺろ事件の刑事民事での法的責任追及についての説明-福永活也弁護士による

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またしてもスシローぺろぺろ事件を取り上げます。

皆さんももうお腹一杯だと思いますが、弁護士の福永活也氏の刑事民事での法的責任追及についての説明がなかなか考えさせるものなので、要約してご紹介することにしました。

もちろん、私の理解した範囲での要約ですので、間違っている可能性があります。

その際はご寛恕ください。

また、興味をもたれた方はできれば原文を閲覧してください。

では、以下に引用します。

刑事民事での法的責任追及について、どのような法的評価が可能であるかについての解説。

まず刑事責任について。

こういう問題客がいれば、もう回転寿司には行きたくないという客は一定数いるでしょう。

しかし、それは回転寿司の仕組み上、元から有り得たリスクが可視化されたに過ぎないのではないかと思います。

その場合、業務妨害の対象としては、今後の集客ではなく、対象店舗の湯呑み、醤油さし、寿司レーンの清掃や交換といった無駄業務を発生させるような行為自体が直接的には業務妨害に該当します。

湯呑みや寿司レーンについては、清掃すれば本来の機能を失ったとはいえないため、因果関係が認められても、交換までは認められません。

民事責任について。

スシローの時価総額100億円以上の損害が出ていますが、株価下落による損害は、株主の損害であって、会社の損害ではありません。

そして、本件の問題行動と株価下落の間に因果関係が立証できるかと言えば、かなりハードルは高いでしょう。

実際、動画拡散後、株価は一度下がったものの、次は上昇を見せています。

また、今後の集客減少による売上減少の損害についても、問題を起こした高校生が今後も同様の問題を起こすとは言えないにもかかわらず、集客が減ってしまったとすれば、客が回転寿司とはイタズラに弱い事業モデルなのだと気付いただけのことと言えます。

また、仮に今後、寿司レーンを改善して新たな設備導入を行ったとしても、それは元から回転寿司の事業モデルが有していたリスクの解消を図ったに過ぎず、本件問題動画との因果関係の立証はやはり難しい。

以上から、賠償責任として比較的認められやすいのは、当該店舗の湯呑み、醤油さし、寿司レーンの清掃費用と、醤油さしの中身の廃棄交換費用、また、これらの対応したことを広報する費用等ですから、賠償額は、数十万円から、せいぜい100万円程度に収まってしまう可能性があります。

また、当該の高校生が未成年であっても、基本的に保護者が未成年の責任を肩代わりすることはありません。

未成年者が事理弁識能力(物事の善悪を一定程度理解できる能力)を欠く場合に、保護者が責任を負うこととなっていますが、これは一般に12歳前後までと評価されています。

最後に、本件について、100億円の賠償などと述べているメディアやコメンテーターが散見されますが、一般読者の目を引くことを殊更に煽っているに過ぎないのではないでしょうか。

メディア等は利口ですから、もっともらしい理由をつけてはいますが、実態を乖離してでも注目を集めることを重視するかのような文化を生んできた人達にも、本件問題動画が拡散されるようになった背景として遠因はあるのではないかと、個人的には思います。

本件では、高校生の動画投稿と、投稿後の多数の人の拡散行為と、いずれもが不可欠の要素として起きてしまった事件です。

彼の動画投稿だけでは、全くの無風で何の騒ぎにもならない行為です(多数の人の動画拡散行為が違法だと言っているわけではありません)。

ただ、野次馬となってしまった一般国民の一部の人は、スシローや回転寿司業界を守るためだと言いつつ、結果的に自分達がスシローや回転寿司業界に損害を与える不可欠の要素になっていることを考え直しても良いのではないかと思います。

また、100億円とは言わないまでも、何千万円といった、ともかく多額の賠償金を払わないと許さないという過激な論調も見かけますが、それは回転寿司業界や社会正義のためではなく、行為者を追い詰めること自体が目的になっていないでしょうか。

(引用終わり)

要約といいながらかなり長くなりました。

申し訳ありません。

まず、損害賠償額がいわれているよりも遥かに低くなる可能性の説明には非常に説得力があり、私は納得しました。

また、「当該の高校生が未成年であっても、基本的に保護者が未成年の責任を肩代わりすることはありません」との下りには、ちょっと安心しました。

前からいっているように子ガチャでろくでもない子供を掴んでしまい、その子供のしでかしたことで親の教育が悪いからと破滅させられるのはやりきれません。

何度もいいますが、親の教育なんてほとんど意味がないのですから。

そして、最後の部分の同問題を拡散したメディアや人間の責任についての指摘には言葉もありません。

You Tubeでは今後同様の事態が起きないようにするためだと主張する人間もいましたが、彼らがPV、ひいてはお金を稼ぐためにこの問題を取り上げ、大げさに伝えたことは否定できないでしょう。

私自身も厳しい記事を書きましたが、問題の高校生が罰せられればいいと思ったことは間違いありません。

しかし、その後、母親の登場でかなり気持ちが弱くなり、そこに、この弁護士の説明を読み、考えさせられました。

今後、どれだけ方針を修正できるかはわかりませんが、こうした問題が発生したときはできるだけ慎重に扱いたいと思っています。

珍しく反省していて、柄じゃないと思うかもしれませんが、これが今の私の正直な考えです。

では

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