昨日はストレス対策の話を取り上げましたが、ストレス関連ではまだまだ沢山書きたいことがありますので、今日もこのテーマでいきます。
現代に生きていると、仕事に人間関係にと、ストレスの原因となるものは枚挙にいとまがありません。
そしてそのために病気になる人も沢山います。
ただ、正確を期するために言うと、ストレス自体は良くも悪くもありません。
問題は歪みが元に戻らないほどのストレッサー※や、一つひとつは小さくてもつもりつもって大きく歪むストレッサーなんです。
※人間の外から働いて人に影響を与える因子を「ストレッサー」、それらによって引き起こされた心身の反応を「ストレス反応」と呼びます。
このストレッサーがどのように人間に影響を与えるかを評価する方法があるので紹介したいと思います。
アメリカの心理学者、ホームス博士が作成したストレス反応を数量化した(ポイントで表示)「ホームス・ラーエ尺度」というものです。
1 配偶者の死 100、2 離婚 73、3 夫婦別居 65、4 刑務所入り 63、5 肉親の死 63、6 怪我や病気 53、7 結婚 50、8 解雇 47、9 夫婦の和解調停 45、10 退職 45
ご覧のようにもっとも大きいストレッサーは「配偶者の死」で100ポイントです。
そして、ホームス博士は、年間の総ポイントが、300点を越えた人のうち79%、200〜299点の人の51%、150〜199点の人の37%が、翌年になんらかの病気となったとの結果を報告しています。
この「社会的再適応評価尺度」は、1967年と古く、その上アメリカの研究なので時代や国民性の差はあります。
もちろん個人差もありますが、これら一つひとつは、現代日本に生きる私たちがさらされているストレッサー(ストレスを生じさせる因子)であることは間違いないと言えるでしょう。
ただし、注意しなければいけないのは、「昇進」や「休暇」「名誉ある賞」を受けるなど良いことも、悪いことと同じくらいストレッサーになりえることです。
つまり3回昇進し、4回給料が上がり、宝くじにあたると寝込む確率が高まることになるわけですね。
また、ストレッサーの作用には個人差がかなりあります。
このホームスラーエ尺度はわりと一般的なものばかりを集めていますが、酒好き/宴会好きの人が飲みにいくのと、飲まない人が行くのでは同じストレッサーでもストレス反応が違ってきます。
さらに男女の間でも格差があり、一般に男性のほうが女性よりもストレスに弱いようです。
インターネットで調べるとより詳しい表が簡単に手に入りますから、興味のある方は自分で計算し、病気になる確率を計算することもできます。
上手くすると早死を予防できるかも知れません。
ついでに書いておくと、ストレスには3段階あるとされています。
第1段階は、「警告反応期」で外部の刺激に注意を向けます。
第2段階は、「適応期」で刺激に適応するための準備が行われ、ストレスを受ける以前よりも能力が高まります。
第3段階は、「疲憊期」で、適応期が長く続き過ぎたためにストレスがコントロールできなくなる状態です。
第2段階では能力が高まるわけですから、決して悪いことではありません。
ただ、これが長く続きすぎると心身に負担がかかるため、その前にストレスを緩めるようにしなければいけません。
自分のストレス状態を客観的に把握すれば、ある程度をコントロールできますので、覚えておいてください。
では。