脳梗塞

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コラム
 もう7~8年も前になるか、8月の下旬かなり厚い日だった。朝目覚めた瞬間ひどい目眩。あんなにゆがんだ天井は初めて見た。今迄体験したことの無い体のだるさ。体調不良で仕事に穴を開けたことは一度もないが流石に休もうかと頭をよぎった。暫く考えたが無理だ、配送の仕事なのに車の運転ができる者の代役が思い当たらない。
 極度に酷い二日酔いのような感覚。運転席に座っている時はまだ楽なので何とか行けるだろうと、間もなく70歳になろうかという助手を載せて出発。一件目、納品と集金が終わり車にむかっていると激しい吐き気。たまらずもどす。酒も飲んでいなければ悪いものを食べた覚えもない。ちょっとスッキリした気分になって配達続行、気分をまぎらわせるためにおっちゃんと会話するが、呂律が回らない言葉も上手く出てこない。何かおかしい。
 予定の半分くらいが済んだかというところ、目的地に着き車を降りる、この時キーを落としたのだが上手く拾えない怠い。ハイエースのハッチを開けて荷物を台車に積みおっちやんを先に行かせる。この時なぜか荷台に車のキーを置いてしまっていたので取ろうとするのだが、なんとキーが逃げる!触れる寸前に移動するのだ。こんなことを何回か繰り返した挙句、下半身の力が抜けパタッと本当に面白いようにパッタッと倒れた。何とか起き上がろうとしてジタバタともがくのだが下半身の感覚がないので起き上がれない。この時、温度感覚だとか匂いだとか転倒した時の痛みもなかった。音の聞こえ方も極めて薄い。今迄感じたことの無い寂しい気分に襲われる。世界から自分一人隔離されたような感覚。が、恐怖感みたいなものは感じない。
 どのくらいの時間が経ったのか、何とか自力で起き上がり重い体に鞭打って業務続行。
 午前中には仕事を引き上げる事が出来たので。救急病院に向かう。症状を説明してCTを撮ると脳がとにかく真っ白に曇ってる。脳梗塞とのこと、すぐに入院するようにすすめられたが、夕方から別の仕事があるので断って取り敢えず血液がサラサラになる薬を処方してもらい。後日MRAを撮りに来ることと、何かあったらすぐに病院にくることを約束して帰った。
 極度の高血圧でこの後何年にもわたり降圧剤お飲み続けることとなる。暫く上200下100をきることがなかった。



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