ビジネスモデル紹介vol25_ダイキン

記事
ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 会長の井上礼之の言葉の重みがすごい。ダイキンを1兆円を超える売上にまで伸ばした井上だが、人の力をとても大切にしている。「人、モノ、カネの中で、人の力は大化けする」と語っている。

 「どのようにすれば、生き生きと社員が働くことができるのか。」考え抜いた末に、ダイキンでは、どのようなことを実践しているのか?

📚ビジネスモデル紹介

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 ダイキンの経営は、ここがすごい。
①空調の技術力
②事業を進めるスピード
③人の力を信じる

①空調の技術力
 ダイキンの代表ブランドとして、うるるとさららがある。これは、初の無給水加湿を実現したエアコンだ。冬には加湿、夏は除湿を、水を入れることなくできてしまうというものだ。

 また、業者用の空調については、ダイキンの空調を入れることで、大幅に電気代を削減することができるようになる。気象情報をもとに、空調を制御し、無駄な電力を消費しないようにしている。

②事業を進めるスピード
 市場に出すまでの時間を早めることをダイキンでは大切にしている。例えば、2003年、パリが記録的な猛暑に襲われた際に、一早く空調の導入を進めシェアを拡大した。それまでパリでは、空調をつける習慣がなかったが、猛暑で死者が多数出る中で、空調のニーズに素早く応えた。

 「一流の戦略よりも、一流の実行力を取る」ことを意識しているという。完璧を求めてしまうと、製品を出すまでに時間がかかってしまう。ダイキンでは、6割くらいできたら早く製品を世に出し、後から柔軟に対応する戦略を取っている。

③人の力を信じる
 ダイキンでは、若い人材にも多くのことを任せる。例えば、毎年ダイキン主催で行っている盆踊り大会では、入社2~3年目の社員が中心となって運営を行っている。

また、40年続いている新人合宿では、自分が向かう方向性や会社理解を深め、ディスカッションを通して、社員が同じ時間を共有している。

📚ひとこと

 「6割の出来で進めて、後から帳尻を合わせる。」これは、起業するときには大切にすべきだと思っていた。しかし、1兆円企業のダイキンがこれを実践していることにとても驚いた。

 ダイキンの規模になると、関わるプレーヤーが多く調整も困難になると予想される。その中で、後から帳尻を合わせて事業を前に進められるのは、自主性を備えた社員がいるからこそだと思った。

 最後に、この言葉も良かったので紹介する。
「優秀な社員でも、恋愛のことになると急に仕事が進まなくなることもある。そんなとき、会社として待ってあげられるかが大切だ」という。器の大きさに感動してしまった。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年8月28日放送
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