大人の発達障害(ADHD/ASD)におすすめの仕事環境づくり

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こんにちは、にしです。

この記事では、仕事の環境の悩みについて、発達障害・グレーゾーン・未診断問わずおすすめの仕事環境を3つ紹介します。

記事を読んで頂くと、あなたの仕事環境の改善点が具体的に見えてきます。

この記事では以下の悩みを解決します。

「机散らかして大事な書類が見つからない……」
「周りの声が気になるなあ……」
「リモートワークだとついついサボっちゃう……」

こんな声が頭に響いているときは、発達障害(ADHD/ASD)の特性に合わせた環境づくりを参考にしてください。
実際に環境づくりを行い、一定の効果が得られた方法を紹介します。

先ほどの心の声は、以前の僕の声です。
そして、環境づくりを行い改善しましたので、共有しますね。


1 机の上には使用中のもの以外は何も置かない(特にADHD)


発達障害の中でもADHDの人は、机を散らかすのが得意です。
そして、失くし物が得意です。

ADHDの人は、衝動性から、物を置く場所を考えずに物を置いたり、思考を整理せずに即座に行動してしまい、机を散らかします。

ワーキングメモリ(一時的に物事を記憶しておく脳の機能)が弱いため、物を置いた場所が分からなくなり、失くし物をします。

このように、大まかにいうと脳の仕組みにより合理的に机を散らかし、失くし物をしています。

そして、大切なものを失くすたびに、自分を責めて自己肯定感を下げます。

この状況はどうしようもないものなのでしょうか?
何とかできないものでしょうか?

解決策はいくつかありますが、この記事では、すぐにできて簡単な方法で仕事環境の改善を目指します。

やることは簡単です。
1.大きめの箱を用意する(段ボール箱で可)
2.机の上に広がっているものを全て箱に入れる
3.箱を足元に置いておく
4.必要に応じて箱から出し入れする

ルールがあります。
・今、この瞬間に使っているもの以外は全て箱に入れる
・箱の中身を無理にきれいにしようとしない。(できないと落ち込むし、労力がかかるので)
・「このあと使うから出しておこう」は禁止(覚えておけない、失くし物につながるので)
・「後でしまおう」も禁止(同上)

正直、最初は不便に感じると思います。
なぜなら、今までの習慣で手の届く範囲に全ておいておく癖が染みついているからです。それが、少しだけ手の届きにくい箱に全て片付けるのは、面倒だし効果が無いと思うでしょうか。

ではここで、重要な観点を追加させてください。

机の上が散らかっているあなたは、失くし物だけではなく、集中力も失っていることに気づくべきです。

一見あなたにとって便利な散らかった机は、あなたの視覚情報を常に混乱させ続けています。
「そんなことない。仕事に集中できている」
と言う人もいるかもしれませんが、それは過集中を起こしているにすぎないのです。


一度騙されたと思って、紹介した「箱片付け」をやってみてください。

机の上がきれいなことで仕事に集中でき、どれだけ生産性を上げるかを実感できるはずです。

ちなみに、パソコンの中身も散らかりがちなADHDの方は、おなじようにフォルダに片づけてしまうのもアリです。

しかし、段ボール箱1箱に収まらない量の散らかり方をしている場合は、止めておきましょう。

片づけることにより失くすリスクがあります。

そして、ファイルの失くし物はリアルの失くし物よりはるかに見つかり難いのです。

2 周りの人の行動で気が散る(ASDより)

感覚過敏だと、仕事場にいる周囲の人のあらゆる行動が強い刺激となって襲い掛かってきます。
例えば聴覚過敏、嗅覚過敏など。
僕は、人の話し声(大声)や貧乏ゆすりが大の苦手です。
集中できないし、イライラしますし、気分が悪くなります。

一昔前のオフィスでは、座席は固定だったので、“逃げ場がない”状態が多かったです。
コロナ渦でリモートワークが普及することで、オフィスはフリーアドレス化(どこで作業してもよい)が進みましたが、まだまだ”逃げ場がない”ことが多いでしょう。

そんな、感覚過敏の方は、上司へ掛け合って座席を変えてもらい、イヤホンや耳栓の着用を許可してもらうのが一番です。

もし上司に相談しても話が通らない場合は、パーテーションで自分の席を囲い、作業ブースにしてしまうことです。

集中するためのグッズとして販売されています。
「作業に集中するために必要です!」という嘘偽りのない名目で、設置の許可を上司に相談しましょう。

座席の配慮か作業ブースのいずれかを上司に決めてもらうのです。
できれば、座席の配慮を優先したいところです。


快適な環境で仕事ができれば、生産性がもっと上がり、今よりも貢献することができると説明しましょう。


周囲から「あなただけずるい」と思われてしまう心配があれば、上司にとりなしてもらうよう依頼してください。

仕事の生産性向上ために必要だからこそ配慮してもらっただけで、悪いことをしているわけではないのです。
引け目など感じず、堂々としていればよいです。

障害者雇用を受けている場合は、もっと話が通りやすいので、心配なく相談しましょうね。

3 自宅で仕事をするときは、時間管理をさぼらない(ADHD/ASD)

発達障害の人がリモートワークで仕事をする場合、時間の管理ができず仕事が終わらないという事態が必ず発生します。

ADHDもASDも時間管理が苦手なんですよね。

僕もずっと遅刻魔の自分で悩んでいました。

僕の話は置いといて、


時間管理ができないという悩み解決する方法は、タイマーによる時間管理と一日の作業の可視化です。

この二つがハマれば、上司に仕事が終わらなかったことを報告するストレスから解放され、信頼を勝ち取り、自己肯定感も上がります。

ここで発達障害の方はリモートワークが苦手な原因を整理します。

ADHDは段取りを作るのが下手なので、目についたことから手をつけて、気が付いたら何も終わらず時間切れになる。
または、過集中を起こして時間以上に作業をしてしまう。


ASDは目の前の作業に興味があるかないかでパフォーマンスに差が出る
興味のある作業を延々と続けてしまい、時間切れになる。
興味のない作業は後回しになって押し出されてしまい、時間内に終わらない。


職場なら、声をかけてくれる人もいれば、お尻を叩かれることでギリギリ間に合う。という綱渡りで何とか仕事を間に合わせることができます。


しかしリモートワークになると”監視”がなくなり、自由にやりたい放題になります。

「リモートワークってサイコー!!」
と、のびのび仕事をして大失敗に終わります。

時間を守ることは社会の最低限のルールであり、マナーでもあります。


決められた作業をやり切れない人は、信頼残高が減っていき、やがて仕事が無くなっていきます。


仕事が無くなるのは困る、という方は、ぜひリモートワークの環境改善に取り組んでください!


まずはタイマーの準備です。
タイマーはセットした時間が経過すると音で教えてくれるものを用意しましょう。Amazonで「ポモドーロ・タイマー」と検索すれば出てきます。

ポモドーロ・タイマーというキーワードについては、機会があれば説明します。
一旦、タイマーを手に入れてもらえれば良いです。

タイマーはスマホでも構いませんが、スマホを持つと衝動的に遊んでしまうリスクがあります。
ぜひ、専用のタイマーを用意することをおすすめします。


一日の作業の可視化は、ノートとサインペンを用意してください。


では、実際にどう使えばよいか説明します。
以降は、ノートを行動管理表と呼びます。
前日の夜に、当日の行動予定を行動管理表に書き込みます。

行動管理表を作成するときのルールは以下の4つです。
・ 起床から睡眠までの予定を30分単位で書く
・同じ作業に30分以上かかる場合は合算で書く
・実現可能な時間を書く
・作業が予定通り終わらなかった分を巻き取る時間を設定する

行動管理表の例(長くなります)

8時 行動管理表を確認 食事
8時半 コーヒー 歯磨き
9時 メールチェック
9時半 メール返信
10時 会議
12時 食事 SNSチェック 午後からの行動管理表を確認
13時 メールチェック
13時半 メール返信
14時 作業
15時 休憩 SNSチェック コーヒー
15時半 作業
16時 作業報告(できれば電話、無理ならメール)
16時半 業務の予定確認
明日の業務予定の設定
17時半 買い物
18時半 夕食
19時半 読書
21時 風呂
21時半 テレビ
22時半 翌日の行動管理表の作成
23時 就寝


ノートは机の上に開いておき、行動管理表が常に目に入るようにします。
そして、作業が終わったらサインペンで取り消し線やチェックを入れて、終わったことが分かるようにしてください。


タイマーは、25分に設定します。
行動管理表は30分単位ですが、実際は25分単位で行動して、5分は休憩時間と次の作業の準備時間にあてます。

これは60分の作業をするときも同じで、タイマーは常に25分で鳴らしてください。
引き続き同じ作業をする場合は、5分間休憩し、また次の30分に向かいます。

なぜわざわざタイマーを鳴らすのかというと、以下の3点の理由からです。
・発達障害の特性である時間感覚の鈍さを補うため
・過集中して体力を消耗してしまうのを防ぐため
・人間の集中力は30分で一度切れるという研究結果があるため

僕の経験上、発達障害はリモートワークに向いていないから、何とか仕事を進められるようにと改善策を練りました。


僕はやり始めたら徹底的にやってしまうところがあるので、行動管理表が仕事外にも及んでいますが、どこまで書くかはお任せします。
少なくとも、仕事に関連する行動と、前日に作成することは意識してほしいです。

まとめ

紹介した3つは思ったほど大変なことではありません。
まずはあなたの悩みに沿って環境をつくっていってください。

仕事の環境が整うと、パフォーマンスが上がることを実感できます。

「もっと他の方法が知りたい」「こんな場合はどうしたらいいの?」
といったご相談があれば、ぜひ僕のサービスをご利用ください!

トークルームでお悩みを聞かせていただくサービスです。

こちらは発達障害の方の仕事上の悩みを聞かせていただく電話サービスです。

さいごに筆者情報

にし★発達障害と双極性障害を克服です。
https://coconala.com/users/2570609
僕は、発達障害(ADHD/ASD)を持つ障害者です。
ココナラで大人の発達障害の方向けに、お仕事のお悩みを聞き、ご相談いただくサービスを提供しています。
当事者だからこそ分かり合えるという、貴重なサービスだと自負しています。
グレーゾーン、未診断の方もお気軽にご連絡ください。
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