usaアマゾンで人気のよく売れている強迫性障害の本で
overcoming unwanted intrusive thoughts 著者:Sally M. Winstonという本を読んでいるのですが、なかなか良い本です。
その中からwhy nothing has worked(なぜ何も機能しないのか)という章についての内容を紹介したいと思います。
Neither thoughts nor feelings are facts.
考えも感じ方も真実ではない。
Less is more when coping with unwanted intrusive thoughts.
脅迫的な考え方に対処するには、対応が少なければ少ないほどよい。
強迫性障害では脅迫的な考え方が間違っていると自分ではわかっていても、それが正しいと信じてしまい、脅迫的な行動を繰り返してしまいます。
これは考えが脳の警報装置を作動させてしまい、考え方が正しいと感じてしまうからだそうです。
人間の認識についてよく考えてみても、感じ方(feeling)も真実とは限らないものです。
考え(thoughts)も真実ではなく、それは心の中の想像(imaginations)に過ぎないと著者は説明しています。
考え方は脳の中で、「かってな演技をしているもの」という認識を持つといいようです。
こういった強迫観念に対処するためには
less is more
つまり、
対応する回数が少なければ少ないほどよいです。
例えば、手を何度も洗ってしまう場合には、手を洗う回数を少なくしてみる
鍵をかけたかどうか何度もチェックしてしまう場合には、チェックする回数を減らしてみる
といった対応が効果的です。
不安だからと何度もチェックしてしまう行動自体が、さらに不安を強めてしまっていると言えると思います。
人間は考え方をコントロールしようと思ってもできないことが多いです。
例えば、嫌な出来事を考えないようにしようとしても、つい考えてしまう。
眠ろうとすると、余計に眠れなくなる。などです。
この本ではアクセプタンス&コミットメントセラピーやマインドフルネスの考え方を利用した心の持ち方を解説しています。強迫性障害のコントロールできない考え方に対処する方法も解説されていて、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。
日本語翻訳版は出ていないようですので英語ですが、比較的読みやすい文章かと思います。内容は簡単ではないかもしれませんが。