仕事着のこと

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占い
もうすぐ、ひな祭り、やってきますね。ひな祭りは、殿上人を見たことがない人が、宮中を学ぶのによい教材だったんだとか。京都には、超老舗のひな人形を作る店があって、その店だけは実際の皇居を逐一再現した人形をつくるって聞いたことがある。その人形店もいまでは購入する人が減って、もう経営継続がむずかしいんじゃないかって言ってたのを人から聞いたことがあるんだよ。

 雛人形の着る平安衣装も、もしもひな祭りがなかったら、とくに平成・令和っ子には、異国の民族衣装に見えるんじゃないだろうか。
一度、技術や文化が消えてしまえば、取り戻すのは非常に難しい。
 法人税なんかをゆるくして海外の株主をうるおわせるまえに、日本の国の政府が自分たちのルーツや文化を深く理解して、こうした文化の枝葉に当たるものを無形の遺産として保護したほうが良いと思うんだけどねぇ。

そんな馴染みの薄い、民族衣装について、
2月の引っ越しの前に、面白いことがもう一つあったんだよね。
シェアしちゃう。w

 今年に入ってから、東京の、というとあんまり乗り気がしないイベントも、京都や大阪のスピリチュアル・占いイベントは、どんな世界なのか、一度ちょっと出てみたいなぁ〜とか思ってたんだよね。
 意外にも気の合うひとがいるかもしれないし、そもそも西の精神世界志向の人はどんなひとたちが多いのだろう?という純粋な興味があった。

かといって、マーケティング・リサーチのためだけに就職して、占いの館ご出演〜♪となると、それはいかにも仰々しい。w
プレッシャーがある。
 だいたい、エンタメ系占いで求められるような、お客様へのリップサービスは、不器用な私にはとてもできないだろう。
 で、なんとはなしに検索してみると、京都にも神社を利用したミニ・コミケのような、占い師やスピリチュアル系イベントというのがちょいちょいある。
お、普通そう。これ、いいじゃない?

と思えたので、撮影とイベント向けの仕事着を新たに購入することに。
(結局、イベント参加については、今は引っ越しトラブル発生で、まだ先の予定になりそうなんだけどね。※ココナラでは宣伝してはいけない決まりになっているので、そもそもそういうことについての詳細はあんまりかけない。)

で、仕事着として、狩衣を購入することにしたわけよ。
狩衣って、ほら、平安時代の庶民がきてたやつ。
今では神主さんたちがよく着てる。

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この写真よりはもうちょっとシンプルで、真摯に仕事に向き合うこころになれるやつで、きちんとしたのをひとつもちたいよなぁ〜、と前からおもっていたんだ。

 それに子どもたちに頼まれるような女性向けのスカートスーツは、そして女性もののひらひらスカートを身につけるというのは(コスプレとしてなら割り切れるけど、)実際自分的にはかなり厳しい。
 自分の中身と違いすぎて、日常着てたら「一体、私はなにをやっているんだろう。」と徐々に精神的に病んでくる。
 いくら役割上、普段は化粧でそれらしくごまかしたとしても、続けていけば、どうしてもアイデンティティ維持には、厳しい。
 だんだんと心が苦しくなってきてしまうんだよねぇ〜。
だから普段は登山ウェアとかメンズウェアしか着ないんだけど、その点、狩衣は良い。いまは女性の神主さん・宮司さんが着たりもしていて、ジェンダーフリーなところがある。

 やってることも似てるわけだし、ならば、安倍晴明さんにあやかって、狩衣を一枚持ってみようと思ったわけよ。そして狩衣は身分関係ない。誰でも着れる。でもさすがに、烏帽子はかぶれないと思うけどね。w

狩衣って、実はその殆どを京都で生産してるって、皆さん、しってた〜??
しかも、狩衣の作り方は、かっちりきまっていて、裁断から縫製まで1300年間変えないまま、装束屋さんが代々技術を受け継いでいる世界なんだよね。

Jemmy、職人好きじゃん。職人萌えじゃん。天禄星あるからさ。
 だから、京都でイベント用の仕事着だって言っても、普通のアニメコスプレ用とか着るわけには行かないよな、というプレッシャーを抱えたんだよ。

 むしろ本場京都は、そういう職人の目が光ってるから、ちょっと怖いよな、って恐れていたくらいなんだよ。
 かといって、本物を買おうと思っても、着物ならいざしらず、平安衣装である狩衣はほとんど素人知識しかない世界。職人さんとお話すらできないに違いない。結局、迷い込んできた、変な客になってしまうよな。
 そんなわけで、狩衣ほしいなぁと思っても、数あるそうした伝統的な老舗装束屋はとても敷居が高すぎて、店にはいることもできなかったんです....

ましてや、そんな技を大事に守り通していた職人さんが、神主でもないのに占術師が着ると聞いたら、失礼だ、と怒ってしまうんじゃないだろうか。という不安もどこかにあった。

だから高尚な店にはとても行けないけども、最低限は、これから地元になる京都で職人に目を留められても恥ずかしくないレベルの衣装を持ちたい。(←つうか、そもそもその装束で、仕事しに京都を歩き回るということ自体が、もしかすると恥ずかしいのかもしれないが。w 見かけたときには、神主さんのお散歩かな?って思ってもらえれば、嬉しいです。)

という淡い願いを持ちながら、狩衣を探し続けてたんだよね。
そしたら、都合よく、新品の薄紫のシンプルな狩衣がメルカリで見つかったんだよ。紫の着物を持ってるので、合わせやすそうだった。
 詳細をみると、その出品者の方、いろいろな狩衣を出品していたけど、どれも新品。そして正規品で買うよりも、何割か安かったんだよね。
 なんとなく、プロの商売というわけでもなさそうなので、
「わたし、途中で神主さんになりかけて、やっぱりやめたので、衣装がのこってしまったんです。」とかいう背景を持つひとなのかな〜??と思いながら、その出品者とやりとりを始めた。

話すうちに、最初欲しかった薄紫色は、もってる着物と合わせやすいとおもってたんだけど、よくよくみると素材が夏着だったんで、いくらなんでも、京都で、さすがに紗でも、夏はあつすぎですよね?(汗)
となって、聞いてみたら、冬用もありますよって、その出品者の方、わざわざ別な在庫をいくつかさらに奥から出してくれたんですよ。

そして、写真の見え方の加減で、ベージュ・ホワイトに見えたんで、あ、素敵だな、と思った。ネット上には正規店でも置いてない色で、気に入った。

「じゃ、そちらください。」というと、
その方、「送るのちょっとまってもらっていいですか?実家からとってきますんで」って返信が来て、話の感じからどうやら実家が京都らしいんだよね。

「神主さんの卵だったんですか?」って聞いたら、違うという。

私が、「いや〜私京都で仕事することになるんですけど、京都は職人さんが多いじゃないですか。狩衣っていっても、怖くて、コスプレ用は流石に着れないと思っていたので、良かった、ちゃんとしたのが買えそうで。」
って言ったら、

その出品者の方が、
「大丈夫ですよ、京都で作られた正真正銘の本物ですから。」っておっしゃるので、京都の装束店で購入したのかなって思ってたんだよね。

だから私も「安心しました〜!よかったです〜!とくに上京区には超有名な老舗の名店の装束店があったりして、近所だからもし駅を使うにも万一見られるかもしれないのは怖いですよ〜。だから、そこのプロの目に見られても耐えられるような衣装がほしかったんですよね〜。(^^;」って、返したら、

なんと、こんな返信が。

「あの実は私、まさにその店の跡継ぎなんですよ。」

って....えええっ?はい?! Σ(@@;)

「そして商品は実家の商品ですので、縫製もすべて本物です。どこに出しても恥ずかしくないものです。そして、実家の衣装は、たまに大河ドラマの衣装にもつかわれたりしていますので信頼できるものです。」

.......超びっくりですよね。

だって、ここの店の暖簾をくぐって、いつか狩衣を注文するなんてこと、あとどれくらい年季が入ったらできるようになるのかな、自分、メンタル弱すぎて、とてもはいれねぇだろうなぁ〜(汗)と思ってたんですから。

最高のものが買えた。
そう、衣装購入において、これはベストシナリオだったんです。
こんなことってあるの?!って思いました。
敷居が高すぎて行けないと思って、あきらめてわざわざ迂回したのに、こういう形で高級老舗店の品が結局、わたしのもとにきたんですから。

この後継ぎさんの父、伝承者である職人の立派なものを着させてもらうからには、中途半端な仕事しちゃいけねぇよなぁって、心が引き締まった。
で、私も伝統受け継いだ衣装に恥じない良い仕事することを誓いますって、後継ぎさんに伝えたんですよ。

なんかねぇ、それで思っちゃったんですよ。
これも晴明さんの取り計らいかな、って。
本気で仕事するなら、それに見合ったちゃんとしたの、着なさいよ。
ってことやね。

で、届いた品を試着してみた。
写真はひかってたから白に見えたけど、実際は黄土色や見え方によってはゴールドに見える。そして、着るのもおもってたより難しくなさそうで。
着物のほうがむしろ難しいんじゃないだろうか。

そして、鏡で自分を見たとき。
不思議な感覚が襲ってきたんだよ。


.....あれ、何だろう?この気持。

生まれて初めて狩衣着たのに、なんだか懐かしい。
久しぶりに着た感がある。
説明できない感覚が押し寄せてきて、一瞬混乱したんだよね。

もしかして、
これ、昔、自分、着てた〜??????

確かに平安時代って結構長かったから、どこかの時点で前世的に生まれていてもおかしくないけど、モンゴル衣装ではないのにも関わらず、妙なフィット感があったんだよ。

懐かしい。
なぜ、懐かしい?

「懐かしかったんだよ!!!」と報告しても、
もう、そんな自分を見ても、ピカチュウは何も言わない。

お前の人生だから、好きにやれ。
という無反応。特にコメントはなかった。w

ピカチュウが常識にこだわらない人間で良かった。

間違いなく、私は京都でもこのまま変人であるだろう。
まぁでも、今後、地元の小学校の父母会とかもないだろうし、周りの目を気にして生きることも、そんなになくなるような気がしているんだよね。

自分と合う人だけが自分と出会ってくるというのが、風の時代なので、そういう意味では、自分の並行宇宙のなかだけで生きていけるようになる。
どんなふうに創り上げようが、自分次第だと思う。
人生のストーリーは自分でつくる。

最高のシナリオを生きるために、まだまだ学ぶべきことはたくさんある。
でも、かならず最後はハッピーエンドになると信じて、行動していくのは自分だ。新しい時代に向けて、少しづつ現実が動き出している。

しっかりと意思を固めながらも、時代衣装は、安倍晴明さんのプレゼントだと思って、ありがたく受け取ったのだった。
いつかyoutubeで、披露するだろうな。w

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