貫索星の父の思い出

記事
占い
私の父親は、防衛省の武官でした。
主星の貫索星を中心に、天南星・天貴星・天恍星、牽牛星、石門星、司禄星をもつ寅卯天中殺。
宿命としても、まさに自衛官に向いた人だったと思います。
ですので、思っていたよりかは、ずいぶん出世しました。
(自衛官は、天南星があったほうが絶対に良いです。自衛隊は、精神と肉体の限界まで連れてってくれる現代の修験道の修行場とも言える職場ですね。)

私の中で、父は意識的に美化されて温存されていますので、彼の名誉のためにいい部分だけ語ることを前置きしておきますがw、小さい頃父は私のヒーローでした。
そしてよく国の守りについて、組織のあり方について、リーダーシップとはなにか、食後の時間、毎日のように何時間も家族へ講義し出します。
母と他のきょうだいたちは、みんな「またはじまった・・」と二階へ上がってしまうのですが、私は父がかわいそうなので、空気が読めない父の長話をそばにだまって座っては、昔からよく聞いていました。
 石門星を頭の位置に持つ貫索星の父が常に私に言っていたことは、やはり守りの重要さ。国防について。しょっちゅう守備のあり方に非常に関心が向くのですね。だからバブル期民間に出た同世代が富を築くのを尻目に、「浮かれている時こそ国が危ないんだ!」と父は民間人にならずに、国の防衛の仕事を選びました。(まんまやんけ。w)

そんな父が私に言っていたことをよく思い出します。
「我々(父の世代)は本気で国の有事の時には、命を捨てて国民を守り切る覚悟で生きている。そこには嘘がない。俺たちの組織には本当に危機がきたら、国を捨てて逃げるような奴は一人もいない(※これはあくまで父の主観ですからね、自衛官が何十万もいたら、逃げるやつだっていて当たり前だからね。)。」

「だけど、国と国が実際に武力衝突させるときは、それはもう最終ラインを超えてしまったときだ。もうそれ以外の方法を全部使い果たし、残されたすべが完全にないときなんだ。わかるか。」
(真珠湾攻撃やNATO包囲網を作られた今のロシアがそうですね。)

「武力で決着をつけなくてはならなくなる前に、俺たちがやるべき戦いがある。それが、外交なんだ。外交力で、勝つこと。戦略思考と交渉術で国を守ること。それをやるのは外務省の仕事。外交官が本当は一番頑張らなくてはならない要所なんだ。優れた外交官が国からいなくなり、地政学を知り、情報網を持ち、戦略思考ができる人間が消えてしまったら、武力で解決することになる。もし、そこで決着をつけられなかったら、いよいよ我々が命を張って出て行かなくてはならないんだ。」

そして酒が進むと、社会への愚痴が始まります。
「平和平和、ってみんな簡単にいうじゃないか。でも命の前線にいる俺達からすると、美辞麗句でプラカードだけ掲げるような平和は、単なる理想論なんだよ。」
「力対力が激突して、勝ったほうが正義になる世界を目の当たりにしている我々は、もっと現実的に自分のこととしてこのパワーゲームを捉えている。だから我々が、何のために死ぬのか、その理由がくだらないものであっては欲しくない。」

そして、父が一通り話し終えて、満足して居眠りを始めた頃、私は父の聞き役から解放され、そろそろと二階へ上がっていく。
(だから子供の時から、私の頭の中はおっさん思考です。)

貫索星は、自我が強い星です。わたしの父は、その父を事故で亡くし、3歳から戦後混乱期のバラック小屋で母子家庭で育ちました。
東北大学も受かったらしいのですが、生活費や学費が出るので自分の母を楽にしてやれるということ、そして自分の家がある藩の家老の家柄だったこともあって、こっちの道に進むのは、自分のルーツや祖先と繋がる道。と、防衛大学を選んだのです。

 実際、昔の東京オリンピックの時代の防大生は、上に世界大戦の戦場の現場に出た経験者たちが組織にまだ残ってますんで、今の自衛隊員より訓練はそれはそれは、もっと過酷なものでした。
 戦争で絶望した国民の外側からの差別と偏見の目も激しく、大学時代は見ず知らずの人に石を投げられたり、囲まれてリンチされるような身の危険があったので、身分を隠して行動しなくてはならず、裏門から出入りしたりしていたし、普通の学生のような自由な遊びはできなかったようです。
その度に「誰のために俺たちは頑張ってるんだ」と悔しい思いをしていたそうです。だから、当時一番自衛官の自分たちを否定批判し追い込んだ、共産党を生涯の敵と思っていました。
(※私はそうは思ってないですからね。念の為。)

父は自分の仕事に何よりも誇りを持っていました。
宿命中に、石門星(守備)と牽牛星(攻撃)の二つの本能がありますから、まさに活かせる職場でしたもんね。自分が生かされる環境で働けば、人は誇りを持てます。(でも実戦が始まれば、因縁を被りやすい職業ですね...)

父の愚痴(要望?)は延々と続き....

「だから平和を守りたいというならば、頭ごなしに拒絶するのではなく、戦争とは何なのか、感情論で善悪二極化して割れるんじゃなく、科学的に学問レベルで深く、深く、真剣に戦争について国民全体が学ぶことだ。そしてその結果、自分の国の武力がいかに世界の大国と比べて儚いものかを知ったなら、この国にとって一番大事なのが、外交であることが誰の目にもあきらかになる。そうしたら、この国の官僚たち・政治家たちを見る目が変わる。その意識まで到達してほしいとお父さんはいつも願ってるし、そのために本来の枠を超えた仕事や貢献活動をしてるんだ。」と締めくくります。

 石門星=外交力の星、そして主星貫索星=信念を守って生きる星、ですので、この二つをもっていた父は、今考えるとその通りに生きていた人だなぁと思います。貫索星の父が守りたかったのは、「日本」の国益だったんですね。
 父は満州国で生まれました。相当なおぼっちゃまの家に生まれたのに、戦争で全財産を失い、父親も戦争で産業を必要としていた村のための事業の事故で亡くなりました。
 日本がもし戦争をしなくて済んで、平和を維持できていたら、そして戦争に負けなかったら、俺のこの苦労はなかったんだ、と小学生の時、つらいことがあると父親の墓の前で、悔し泣きして育ってきたそうです。
 だから、もう二度と自分みたいな思いをこの先の子供達にさせないように、自分が日本を守る。そう思ったと言います。
 貫索星を強くするのはマイポリシー。そして真面目です。
そのポリシーは、自分の損得勘定を超えた、社会全体をうまくはたらかせるために守るべき、マイルールです。
 貫索星は強く生きるのに信念が必要なんですよね。でもそれがあれば、どんな困難もはねのけてまっすぐに生きることができる。

そして、一緒にある石門星が、その硬い信念を心の中に秘めながらも貫索星の信念を達成するために、目的を表に出さず、時間をかけて、ちゃくちゃくと陣地取りに動き出します。
そういえば、父の得意なのは、「囲碁」でした。
 囲碁は陣地取り合戦ですので、まさに石門星的な戦いの発想にぴったりくるゲームなのだと思います。車騎星なら、将棋ですね。

 石門星らしく、父が話すことは説得力を持ち(ネタは他からの借り物)、何重にも手段を見つけ出し、やり方は柔軟。しかし、諦めるということを知らず、蔦がわずかな隙間であっても入り込み、どんなものでも利用して根をおろすように、大局でみれば、目的から逸れず、それはそれは、とてもしつこいものでした。w

 父の部下に言われたのは、「君のお父さんは、僕らが普通に働いていたら、まず口を聞けるような階級の人じゃない。でも、軍隊というこの完璧な階級ピラミッド社会の中で、自ら部下たちの目線に降りてきてくれるんだ。」という評価でした。
(父の家での顔と外での顔とが違いすぎて、そんなことをキラキラの目で話すこのひとたち、騙されてる!って思ったのを思い出します。w)
 司禄星(自己演出)をうまく生かしていたんですよね。部下のこころの帰る場所を提供してたのかもしれません。

 実際良いこともしてました。優秀な人材を引き上げ、自分の仲間を作り、この国に貢献すると思った優れた人間にチャンスを開き、なんの義理もないひとであっても、ただ国益にかなうという理由で、積極的に海外や高度教育機関へ推薦し、自分の人脈をフル活用して、そういう人を留学させる根回しをしたりもしていました。
自分のためじゃなく、すべて純粋な国益を考えてのことです。

 子供の頃、父が休日になると家族を連れて行ってくれるところは、ディズニーランドや流行のアミューズメントではありません。
だいたい自衛隊系イベント。
 富士演習場とか。戦艦に乗せてもらったり、ブルーインパルスを見に行くことは恒例行事と化してました。
 当然基地の近くに住んでいたので、轟音とともに空を行き交うのは、迷彩柄の輸送機、戦闘機。w
引っ越しも多いし、官舎は狭いため、無駄なものは持てません。

なんて色気のないウチなんだろう、とどこかで恨めしく思いつつも、夕方、自衛官の制服で帰ってくる父を見ると、とても誇らしく思ったものです。
 質実剛健、武士は食わねど高楊枝、と厳しく祖母に育てられたため、私はどんな時も自分の欲しいものを言うことができませんでした。
 でも中学生になったとき誕生日に、初めて自分がこころから本当にほしいものを父にねだったことがありました。
 父は、ちゃんとプレゼントしてくれました。

それは「本物の迷彩服」でした。
どうしても、自衛隊員が本当に来ている本物の迷彩服が欲しかったのです。
(やばいです、今思うと父に洗脳されてたのかも。w)
でもトップガンとかにしびれたし、制服系の映画やドラマはやっぱりかっこいいです。
(ちなみに迷彩服というのは、どこの国でも同じではありません。迷彩の柄が、色だけでなく、形が微妙に違っているんですよ。だから、上空から探すとき、敵に迷彩柄を登録されないように迷彩の柄は秘密事項って聞いたことがあります。それで、本物にこだわった。)

 そして、父が買ってくれた迷彩服は、わたしの1番の宝物になりました。
寅卯天中殺の父は、仕事と家庭を両立し、本当に家族のために頑張った男でした。申酉天冲殺ならば、家にはいてくれなかったと思います。

その後、成人した頃、自衛官にならないか、と父からスカウトがきましたが、父の二世としてのプレッシャーや規律の枠組みにはめられて生きる苦しさを思い、即辞退しました。自分が根っこを張った石門星の陣地を引き継いで欲しかったのだと思います。
 申し訳なかったな、と思いましたが、私が父の後を継げない宿命でしたので、のちに算命学を学んでから、あれは極めて良い判断だったと思いました。


 結婚し、民間人のパートナーとの生活が当たり前になってから、振り返ると、一体なんであんな特殊な家に生まれたんだろう??と、よく思いました。
民間人ってなんて、自由で、楽しいんだろう!って。若い頃、思ったんですよね。

二十代、私が自分探しをしていたとき出会った本田健さんはご自身が直接やっておられたセミナーを受けたとき、「自分の本当の天職っていうのはね、生まれた環境の親がやっていたことと関わりがないってことは絶対にないんですよ。」と言っていました。
「だから、生まれた環境を鑑みて、自分の天職をさがしてみてくださいね」って話だったんですよね。

「自衛官のもとに生まれたことと、自分の天職はさすがに関係ないだろう。もっとなんかアートやデザイン性のあるオシャレな家庭に生まれていればよかった」と思ったのですが、今は、生まれた理由がわかります。
そしてやってることも、そこから外れません。

ああ、そうか。過去生で軍師をやっていた私はここで学ぶものがあるから、侍の娘として生まれた祖母に育てられ、自衛官の家庭に生まれたのか。
と、腑に落ちたのでした。
もちろん、全く違う職業をやる宿命の人間も存在します。

でも直接関わりがなくても、必ず、そこに生まれた理由というのは存在しているということです。親というのは、魂にとっての大事な環境の一部です。
親という環境は、同じ生年月日であっても、一人一人が違います。

その環境で学ぶこと、感じること、思うこと、一人一人が違います。
算命学は、魂が肉体をどう動かそうとするのか、という3次元での現象はとらえられますが、肉体をはなれた多次元世界での魂の繋がりは、その枠組みをはるかに超えてつながっているのです。

この世ではどんなに憎しみをもつ親子を二人で演じても、肉体を脱いで多次元世界に行けば、舞台を降りたのと同じこと。俳優同士で仲良くやれます。
関係性というのは、この世が全てではないんですよね。

そういうところまでイメージして生きられるようになると、いろんなものを受け取ったことにも気がつけます。
だからといってこの世で仲良くする必要はありません。

全ての構成者が、ソウルメイトです。
ソウルメイト全員で、あなたの望んで計画してきた目的を果たしているのです。




















サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す