【海外就職】クルーズ船で働く その3

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コラム
1997年の4月の23歳の時、私はクルーズ船で働くことになり、沖縄に飛んだ。
過去2回のお話し↓


本日は、クルーの専用の食事スペース、通称「クルーメス」のお話し。

船員は、階級社会という話しをした。

食事場所も以下のように階級によって別々だ。

「オフィサーメス」:キャプテンやエンジニア用の食事場所。

場所は、パッセンジャーのレストランのすぐ近く。

「クルーメス」:私も含めたそれ以外の地位の人の食事場所。

場所は船底のクルーキャビンと同じ階。

オフィサーメスの食事は、パッセンジャー(乗客)のレストランで出るものと同じだ。

ビュッフェ形式で、朝食、昼食、ティータイム、夕食と毎日豪華だ。

例えば、ある日のメニューは、海の幸の前菜、パスタ3種類、チキン、ビーフ料理、チャーハンに焼きそばなど、多国籍。フルーツや、デザートもある。

クルーメスは、シェフがフィリピン人で占められているので、どうもメニューに偏りがある。

同じビュッフェなのだが、どうも彩りが悪い。

ピーナツソースを使うことが多いせいか、全体的に茶色いのである。

私は、「クルー」の階級なので、本来は、ここで食べなくてはならないのだが、例によって、600人中の4人という日本人の特別待遇が、お部屋に続き、食事でも適用され、オフィサーメスの立ち寄りを許されている。

オージーも我ら日本人と同様、特権階級扱いだ。

私は、一緒に働く同僚が、フィリピン、中国人だ。

当然、仕事中の休憩で、食事時間が重なり、一緒に食べに行こうとなる。

最初は、一緒に食べていたのだが、食事がどうしても合わず、ある日、今日はお腹が空かないから、休憩は、部屋でゆっくりすると言って、こっそりオフィサーメスに足を踏み入れてしまった。

船底の小さい窓から、海面が揺れる景色を遠目に美味しくない食事の「クルーメス」から

窓が大きく、バラエティーに富んだ一流シェフの作った「オフィサーメス」の食事に手を出してしまったら、もうクルーメスには戻れない。

コーヒーまで飲んで、あー、幸せとほっこりし、こっそり、休憩時間が終わり、職場に戻ろうと階段を降りていたら、同僚のフィリピン人に見つかってしまった。

でも彼らは、自分達の立場をわきまえていて、私に何も言わないし、何も聞いてこなかった。

ちなみに中国人もやはり、クルーメスの食事が合わないらしく、カップラーメンや、寄港地で買った食料品を部屋で食べていた。

オフィサーメスの食事は確かにおいしいが、かといって、毎日となると飽きる。

そんな中、楽しみは、沖縄、台湾の寄港地での自由時間の食事だ。

それをモチベーションに5カ月、船で暮らしていたといっても過言ではない。

美味しい話しは、また機会があったら、ご紹介しよう。

というわけで本日のお話しはおしまい。

本日もご乗船、誠にありがとうございました。

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