大気中のCO2がウオッカに!究極の持続可能なお酒を造る研究

記事
IT・テクノロジー
「コーヒー2050年問題」って知っていますか?

地球温暖化による気候変動は、現在世界中で解決を重視されている課題です。
そしてこの地球温暖化は、生産できる地域が限られているコーヒーの栽培にも大きな打撃を与えています。

コーヒーの栽培において最も深刻な問題は、現在のコーヒー栽培地が地球温暖化によって減少してしまうことです。

このままのペースで地球温暖化が進むと、コーヒーの生産大国として有名なブラジル国内の栽培適地は、2050年には60%も減少してしまうと考えらえています。

このままいけばコーヒーは貴重な嗜好品になりかねません

まあ、CO2等の温室効果ガスの影響はコーヒーだけではないのですが、何億年かけて生成された化石燃料をここ100年以上は集中的に使っているので、それはまあCO2排出量が多くなるのは当然ですよね。

というわけでいかにCO2排出を低減させるか・有効な材料に変換するか、バイオ燃料とか人工光合成の研究が進められています。

ところでお酒は一般的に、糖化させた原料に酵母を加え、酵母菌が糖を分解してアルコールに変換することでできるのですが、化学の授業でも習ったように、アルコールの副産物としてCO2は必ず発生するものでした。

この古来からの常識であったこのプロセスをほぼ逆転させ、大気中の余分な二酸化炭素を回収し、酸素を放出するという、まるで森の木のような工程を経て生まれるウオッカが、ニューヨークで注目を集めています。

製造・販売を手がけるのは、「Air company」。

CO2と水からエタノール(アルコール)を作るテクノロジー自体は新しいものではなく、銅などの金属触媒を用いる電気化学的な変換方法は何年か前からエネルギー分野などで研究が進んでいましたが、この技術を初めてアルコール飲料に応用。通常の発酵を経て蒸留したものより不純物の少ない、純度の高いアルコールを作ることに成功しています。

空気、水、太陽という究極の自然エネルギーを原料にしたお酒で、製造過程でCO2を排出しないどころか、逆に余剰CO2をボトル1本(750ml)につき1ポンド(約454g)回収できるというもの。

値段は1本65ドル(約7000円)と少々高めですが、味の評判は良く、「すっきりした味わいでマティーニに最高!」などと好意的な感想が寄せられています。2020年3月に開かれたサンフランシスコのワールド・スピリッツ・コンペティションでは銀賞を受賞したようです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す