全集中腹式呼吸!

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こんにちは!おじぃごりぃです。

前回の終わりでも触れましたが、今回はみんな大好き「腹式呼吸」についてです。
腹式呼吸の習得の早さは人によって異なりますが、安心して下さい。
必ずできるようになります!
と、言うより実は既に出来ていたりもします。
ただ、それを自在にできるようになるかの問題です。

ここでは深く言及しませんが、腹式呼吸には様々なメリットがある様なので、身に付けておいて損はないでしょう。

1.腹式呼吸とは?

腹式呼吸の説明に関してよく「お腹に空気を入れる」と耳にしますが、これは大きな間違いです。何式呼吸であれ、吸った空気の入る先は肺です。
ただ、確かに腹式呼吸をするとお腹が膨らみ、体感としてはお腹に空気が入った様な気もします。
教える際にイメージが掴めるようにそう教えているだけなのです。
では、腹式呼吸と普通の呼吸とは何が違うのかを説明していきましょう。

呼吸は大きく2つに分類され、それが「腹式呼吸」と「胸式呼吸」であり、普段私たちが行っているのが「胸式呼吸」です。
胸式呼吸は肋骨が持ち上がり、胸郭が広がることで肺に空気を取り込み、弛緩することで空気を吐き出します。
ですから胸式呼吸で息を吸うと肩が上がります。
対して腹式呼吸は横隔膜が下に下がることで肺が膨らみ、息を吐き出すとともに元に戻ります。
こちらは息を吸っても肩は動きません。
先ほどもちらっと言いましたが、私たちは知らず知らずのうちに腹式呼吸をしている時間があります。
それは睡眠時です。
寝ている人をよく観察してみましょう。
肩は動かず、お腹が上下に動いてませんか?
それが腹式呼吸を行っている証です。

2,なぜ腹式呼吸なのか?

ハッキリ言えば、胸式呼吸であろうと腹式呼吸であろうと歌が上手い人は上手いです。
ただし脱力した発声、つまり正しいフォームの土台作りとして、やはり腹式呼吸の習得は避けて通れません。
その理由として、胸式呼吸する際に使う筋肉には、喉をコントロールする際に使う筋肉も含まれており、連鎖的に力んだ発声になりやすい、というのが1つ。

もう1つが腹式呼吸は脱力をすることで息を吸うことができるからです。
試しにお腹に力を入れた状態で、息を出来る限り吐き出してそのまま止め、全身の力を一気に抜いてみて下さい。

力を緩め、引っ込んでいたお腹が戻る瞬間に「ふっ」と空気が入ってきませんか?

体内ではせり上がっていた横隔膜が戻るのと同時に空気も一緒に入ってきているのです。

これはあくまで持論ですが、胸式呼吸は「吸う」ことに重きを置いた呼吸法、対して腹式呼吸は「吐く」ことに重きを置いた呼吸法の様な気がします。

歌は吐く息に音を乗せます。
故に脱力を以て息を吸え、且つ吐くことに特化した腹式呼吸は歌と相性が良いのです。

3.腹式呼吸を身に付けよう!

では腹式呼吸はどうすれば身に付けることができるでしょうか?
1つは先述の通り、お腹に力を入れた状態で息を吐き切り、体を弛緩させるというやり方があります。
これはより実践的です。
実際に腹式呼吸を使って歌を歌う際にも、「息を吸う」という感覚はなく、肺の中の消費した空気を一瞬の脱力を以て「取り戻す」といった感覚があるからです。
とは言え、最初はもっと手前の感覚を掴むところから始めてみた方が良いと思います。
やはり文字だけで伝えるのは難しいですからね。

①普段通りの呼吸で構いません。背筋を伸ばし姿勢良く立ち、目一杯息を吸い込んでそのまま息を止めてストップして下さい。その際に空気で胸が膨らんでいる感覚を掴んで下さい(胸の中に空気の玉が入っているイメージをしてみてください)。

②息を止めた状態で一気に全身の力を弛緩させると(背中が丸まり肩の力を抜き、だらんとする感じです)、胸の中にあった空気の玉が、お腹の方にボトンと落ちてきませんか?そこが腹式呼吸の時に息が入ってくるポジションです。

③そのまま下っ腹に力を入れて息を「しゅううう(蒸気が漏れるイメージ)」と細く長く吐き出していきましょう。
(ここまでを繰り返して慣れてきたら、できるだけ力が入っているのは下っ腹の一点のみにするよう、自分の体の中の力みと脱力に意識を傾けてみてください。特に喉周りには力みが入らないように)

④①〜③を繰り返して「お腹に空気が入る感覚」を掴めてきたら、③で息を吐き切った後に下っ腹の力を抜いた時に、同じ場所に空気が入ってくる感覚を掴んで下さい。ポイントは「息を吸う」のではなく、脱力とともに「息を取り戻す」感覚です。

⑤④ができるようになったら、取り戻す息の量を増やしてみましょう。
その際に肩が動かないように鏡の前で練習してみましょう。
あとはここまでを姿勢を保ったままできるように練習してみてください。

胸式呼吸は胸郭を広げて息を吸い、脱力し、胸郭が戻るのとともに息を吐くので、吐く息を安定させるのは少し難しいです。
腹式呼吸は脱力とともに息を吸い、吐くことに特化した呼吸です。
「お腹に空気を入れる」感覚を掴むことも大事ですが、吐く息を安定させることの方が大事です。
練習の時にできるだけ「細く長く一定に」を心掛け、息を吐く練習もしてみてください。


ボイトレの中には「腹式呼吸は意味がない」「腹式呼吸は古い」とするものもあるようですが、僕個人の意見としては何だっていいです。
「脱力とともに消費した空気を取り戻す」「吐く息(呼気と言います)を安定させることができる」。
この二点が大事なのです。
そのスタート地点として、やはり腹式呼吸が体感しやすいものなのかなと思います。

他にも色々な良い効果もあるようですし、是非習得してみてください!
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