ボイストレーニングとは?

記事
音声・音楽
⒈歌の練習は1人でやるには難しい

こんにちは!おじぃごりぃです。
前回僕は「歌は他の運動と同じだ」と言いました。
ただ、「外からその運動が見にくい」という一点において、歌と他の運動とは大きく異なります。
他のスポーツであれば外から見てコーチが、あるいは現代ならスマホで自分のフォームを撮影しておかしな点を修正することができます。
歌はこれができないんです。

また、経験がある方はわかるかと思いますが、録音した自分の声って、別人のもののような気がして何だか気持ち悪いですよね?

これにはちゃんと原因があって、普段他人が自分の声を聞いている時は、音が空気を伝わり、他人の鼓膜を揺らすことで「聞こえる」ことになるのですが、自分が自分の声を聞く時は、これに加えて声が自分の体の中に伝わっている音も聞いているのです。

録音した声にはこれが含まれていないため、何だか違和感が生まれます。
つまり録音した自分の声こそが、第三者目線の正しい自分の声なのです。
これもまた、歌を1人で練習する際の大きな壁になっています。

これらを解決する存在が「ボイストレーナー」です。


2.ボイストレーニングとは?

僕ももちろんボイストレーニングを受けたことがありますが、実際最初は懐疑的でした。
何故ならボイストレーニングは思っていた以上に地味で、「果たしてこんなことをやっていて歌が上手くなるんだろうか?」なんてことを思ったからです。
現在はやっていたことが正しかったことが分かりましたが、同時にもう1つわかったことがあります。
それは「ボイストレーニングだけやっていても歌は上手くならない」ということです。
どういうことかと言うと、歌が上手くなる、つまり歌唱技法を身につけていく為には「ボーカルトレーニング」が必要なんです。
けれど、「ボーカルトレーニング」の効果を最大限発揮する為には「ボイストレーニング」が必要になります。
ややこしい話ですよね。

イメージしやすいようにスポーツで例えます。
「ボイストレーニング」とは、あくまで歌に必要な運動神経を高める為に行うもので、スポーツで言うところの「フィジカルトレーニング」や「筋トレ」なんかに該当します。
筋トレと言うと喉の筋肉をムキムキにするのか、というイメージを与えがちですが「ボイストレーニング」を通して、「歌う為の体の使い方を知る」と考えてもらえると分かりやすいかと思います。

対して「ボーカルトレーニング」は、実際の競技技術を身につけていく為のトレーニング、例えば野球ではバッティング練習、ピッチング練習等に該当します。

フィジカルトレーニングだけを延々とやっても、野球は上手くなりません。

けれど、実際の野球のトレーニングの効果を活かすためにはフィジカルトレーニングは必要不可欠です。

ここを一緒くたにしてしまうと、行動と目的が混ざって当時の僕のようなことになってしまいます。


3.歌はやっぱり運動

さて、これで「ボイストレーニング」を何のためにやるのかお分かり頂けたかと思います。
では、早速ボイストレーニングについて説明していきましょう。
ボイストレーニングを行っていく上でまず大切なのは、他の運動と同じく「脱力」です。
他のスポーツと同様、「力み」は体の動きに制限を加え、正確な動作の妨げになってしまいます。
また、脱力した発声を練習していくと、自分の体の器官に対する感覚が研ぎ澄まされ、どこをどうすればどうなるか、という自分の体の操作感が身に付きます。
こういった点でも、やはり歌も他の運動と同じと考えた方がシンプルです。
脱力した発声というのは、学校の音楽の授業なんかでも教わることですが、合唱であれ、クラシックであれ、ロックであれ、歌うジャンルに関わらずこれは共通のことです。

一見顔に青筋を立ててシャウトしているロックシンガーであっても、使っているのは必要最小限の力です。

なので、まずは脱力した発声を身につけることが大事になります。


4.あくびの発声

脱力した発声を身につけるために、一番有効なのが「あくびの発声」です。
これはよく耳にする練習法ですよね。
ですが「これをやる意味ってなんだろう?」と考えると懐疑的になっちゃいますよね。
だって恐らくあなたのイメージする理想の歌声と「あくびの声」とはかけ離れているでしょうから。
もちろんあくびの発声で歌を歌う訳ではありません。
この発声の目的は3つ。
⑴咽頭の動きを実感する。
⑵声帯の解放を実感する。
⑶リラックスした発声を体感する。
です。

ちょっと目新しい単語が出てきたので説明しましょう。

「咽頭」とは、簡潔に説明すると喉仏のことで、この器官の中に声帯が存在します。男性であれば喉にボコッとした突起があると思いますが、この辺りを手で触れたまま唾液を飲み込んで見て下さい。
喉の中の何かが大きく上に動きますよね?
次に同じ場所に触れながらあくびをしてみて下さい。
同じ部分が大きく下がるかと思います。
この咽頭の操作を覚えることもボイストレーニングの目的の1つになります。

次に「声帯」とは、咽頭の中にある器官で、これが振動することによって「声の元」が生まれます。
息を「ハァ〜」と吐き出している途中で、みぞおちの辺りをグッと抑えてみて下さい。
そうすると「ハッ」と息が止まると思います。
この時喉に意識を集中してみて下さい。
喉の中で、何かがピタッと止まる感じがしませんか?
ここが声帯です。
声帯の解放と閉鎖の操作を覚えることも「ボイストレーニング」の重要なファクターです。

これらの詳細に関しては今後深堀していきたいと思いますので、今はそれらがある場所と感覚を掴んでもらえたらなと思います。

このあくびの発声は運動を始める前のスレッチのようなものと考えて下さい。

やり方は単純で、できるだけリラックスした状態で立ち、足は肩幅程度に開き、あくびの時を真似して、「あー」と声を出すだけ。
これだけです。
あくびの発声をすることで、咽頭は下がり、声帯は開きます。
慣れてきたら音階に合わせてやっていくといいのですが、最初はこの時の喉の形を覚えましょう。

この練習をしていると、なぜか本物のあくびが出てきますが、できるだけその時の感覚を覚えて真似してみましょう。

呼吸の仕方にも気を配ってみて下さい。
本物のあくびの時って、息を吸い込む時にお腹が出てきませんか?
これが「腹式呼吸」です。

腹式呼吸も脱力した発声を身につけるには必要不可欠です。

歌といえば必ずと言って良いほど「腹式呼吸」という単語が出てきます。

では何故腹式呼吸が重要なのか、次回はその辺も踏まえて「呼吸」について触れていきたいと思います。





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