国民年金制度について

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法律・税務・士業全般
昭和34年11月から無拠出制の福祉年金制度として施行され、昭和36年4月より、拠出制の年金制度がスタートしました。それまでの公的年金制度は被用者(会社員・公務員など)のみが対象でしたが、自営業者も加えられることになりました。国民全員がいずれかの公的年金制度の対象となり「国民皆年金」が確立しました。
その後昭和60年に年金制度の大改正が実施され、国民年金を全国民共通の基礎年金と位置づけられました。この大改正が行われる前の年金法を「旧法」そのあとの年金法を「新法」といいます。新法の施行日は昭和61年4月1日です。
国民年金の保険者は政府となります。国民年金事業の主たる事業は給付となりますが、国民年金では「保険給付」とは言わずに「給付」と言います。理由は、保険料を負担しない者にも福祉的に給付を行っている為です。給付の種類は「老齢」「障害」「死亡」「脱退一時金」「特別一時金」などがあります。
・第1号被保険者
自営業者や学生など、次の2要件に該当する者は、国民年金第1号被保険者となります。
・日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者
・第2号被保険者及び第3号被保険者の要件に該当しない者
会社等に勤務してない(厚生年金に加入していない方)で、日本国内に住所がある20歳から60歳未満の方は、国民年金被保険者となります。現在は学生さんも強制加入となっていますので、国籍関係なく国民年金保険への加入義務が課せられています。
・第2号被保険者
70歳未満の公務員または会社員(法人の事業所勤務)の方は、被用者年金制度に加入してます。被用者年金制度とは会社員や公務員の方が加入する年金制度であり、厚生年金保険または共済年金被保険者となります。給料明細を確認すると、厚生年金保険料等が毎月引かれているはずです。保険料は事業主と被保険者が半額ずつ負担します。
また、このような方は併せて国民年金第2号被保険者ともなります。
(ただし70歳未満の方でも65歳以上の方は、老齢年金給付等の受給権を有しない場合に限ります。65歳以上で老齢基礎年金を受給しながら会社に勤めている場合、国民年金の第2号被保険者から除かれます)
個人経営の事業所にお勤めの方については、適用業種(製造業、鉱業・・・詳しくは適用業種参照)の事業所で常時5人以上従業員を使用している事業所は厚生年金強制加入となります。ちなみに次の非適用業種の方は、厚生年金への加入ができませんので第1号被保険者となります。
農林水産業・飲食店・旅館・理容美容業・弁護士事務所・宗教業など
被保険者に該当するか否かの具体的な判断
①法人の役員など・・・
法人の理事、監事、取締役、代表者等であっても、法人に使用される者は被保険者になります。
②就職予定者・・・
最高学年の在学者であっても、卒業後就職予定先の適用事業所で職業実習を受けている者は被保険者となります。
③試用期間中など・・・
就職後の一定期間(3か月など)を試用期間とされた場合であっても、最初に雇用された日から被保険者となります。
④休業手当を受けている間
工場等が休業中で休業手当を受けている者も被保険者となります。
⑤短時間労働者(パートタイマー等)・・・
所定労働時間(1日又は1週間)及び所定労働日数(1か月)が通常の労働者(正社員など)と比べて34分の3以上であれば被保険者として扱われます。
・第3号被保険者
20歳以上60歳未満の国民年金加入者のうち、第2号被保険者の配偶者でこの者の収入により生計を維持され、且つ国内に居住する者は国民年金第3号被保険者となります。保険料は配偶者が加入している保険制度より負担されますので、個別での納付必要はありません。
・被扶養配偶者の認定基準
1.第2号被保険者と同一世帯に属している場合・・・
対象者年収が130万円未満(障害者の場合は180万円未満)かつ、第2号被保険者年収の1/2未満であるとき、被扶養配偶者に該当となります。
2.第2号被保険者と同一世帯に属していない場合・・・
対象者の年収が130万円未満(障害者の場合は180万円未満)かつ、第2号被保険者からの援助金より少ないとき、被扶養配偶者に該当となります。
※失業し、雇用保険法の基本手当を受給している場合は基本手当日額が下記金額以上受給されている場合、第3号被保険者に該当しないことになります。
  130万円÷360日=3,611円(日額)
雇用保険法の基本手当日額を、1日あたり3,611円以上受給されている期間は、第3号被保険者にはなりません
用語について
・配偶者とは・・・
年金制度を考える上での配偶者とは、婚姻の届出をしてないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含まれます。ただし、民法で禁ずる近親婚に該当する場合など、反論理的な内縁関係である場合は除かれます。また、離婚後も事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も、要件に該当した場合は事実婚関係にある配偶者と認められます。さらに内縁関係が重複する場合については、先行する内縁関係にある者を事実婚関係にある者と認定します。ただし届出により婚姻関係にある者が、重ねて他の者と内縁関係(重婚的内縁関係)にある場合については、届け出による婚姻関係を優先します。
・生計同一
住民票上同一世帯に属しているとき、又は同一世帯に属していないが住民票上の住所が同一であるときは、生計同一関係にある(生計を同じくする)と言います。
・生計維持
生計を同じくし、かつ年額850万円以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者を生計維持関係がある者という。

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