青空文庫、エンドコンテンツだなあって

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まず、エンドコンテンツって

私も最近知った言葉なんですが、ゲームをクリアしたあとに遊べる、お楽しみ要素みたいなものらしいです。
今回の場合は、普通に生きていて物事をこなす中で、同じことを繰り返す場合に、1回目では気付かない楽しみ方をご紹介したいと思います。

青空文庫って

著作権の切れた作品を無料で公開しているネット図書館みたいなホームページです。
とにかく大量に作品があるし、著作権が切れる作品はどんどん増えていきますので、ここにある作品を全部読み切ったらスゲーと思います。

1回読書の記録

私は坂口安吾のエッセイ(随筆?)が好きでよく空いた時間に読みます。
何より短いし、エラソーじゃないし、影響力がなさそうな個人的な意見をタラタラ書いているところが、面白いです。

今回のお話は、太宰情死考という作品。
太宰が心中した事件について坂口が語ってるんですが、話が脱線しまくり、オスモウさんや棋士さんと飯を食ったときの独特の考え方(例:フグ食べて死にたくないって言ったら、「料理屋のフグは危険だけど力士のフグは大丈夫だから食べて下さい」)についての意見を述べます。

坂口が一緒にご飯を食べたオスモウさんや棋士さんは後に宗教にハマッてしまうのですが、その理由を職人という人種の性質から彼なりに推測していきます。
坂口が好きな理由の一つなんですが、宗教にハマッてしまった人を馬鹿にしたりせず、そこまで心がしんどくなるほど自分を追い詰めた職人たちに称賛を送り、だからこそ痛ましいと語るんです。
坂口の言葉は、言い方はキツいけれど、隠しきれないやさしさが溢れているのが最高だと思います。

さて、宗教にハマッた職人という人種を、ここにきて文士、小説とか書く人にも当てはめていきます。
やっとタイトルの太宰の話に移ります。
彼がどうして心中したのか、そもそも心中する気なんてなかったんじゃないか。
坂口はとにかく太宰に対しての憐れみが深い。
太宰の奇行に対しても、何かを作ろうとする人間の足掻きだと言い、それは作品を語るうえで上げ足にしちゃいけないよ、みたいなことです。

1回目の読書ですでに、坂口の懐の広さに「あ~~~~~~好き~~~~~」ってなったところですが、物語とはエンドコンテンツ。
2回目の体験が私に訪れます。

2回目の体験、整体屋さんにて

在宅ワークをやっていると、パソコンに向かい合う時間が非常に長いです。
すると肩・腰・首がバッキバキになりますね。
私は実家の近くの整体院に通っているのですが、そこの先生は、腕も大変よく、とても面白い方なんです。

先生は現在、整体のスクールで臨時教師もされていらっしゃって、非常に勉強熱心でした。
お陰で、ここ数か月体調が非常に良いです。

また、私のような仕事をしている人には、簡単にできる筋トレやストレッチ、女性の一人暮らしを案じて護身術まで教えて下さる親切ぶり。柔道を嗜んでいらっしゃった方なので、実力はお墨付きです。

以前、大きいお店で働いていた経験もあるらしく、そういったところで働いていた経験を、色々教えて下さり、自分が経験したことのない職種の話を興味深く聞いていたのですが、「気」の話をうかがいました。
目に見えないものを、ある、と言うのは現代では非常に危険なことだと思います。
現に私は幻聴が原因で狂人扱いされ病院にブチ込まれた経験があります。
今、自分の目に見えるものが真実だと思う人が大多数の世の中で、自分だけに見えているもの、感じていることを発信する勇気はいかほどのものでしょう。

先生ご自身はそれを察したり見たりはできないそうですが、それが原因で体調を悪くするスタッフがいたり、仕事をやめる人がいたりした、とおっしゃっています。
「見えないし、わからないけど、実際に起きてることだから信じるしかないよね」
ああ、これだ、坂口が話していたのは、こういう人のことだったのかと私はそのとき察しました。

高度の文化人、複雑な心理家は、きわめて迷信に通じ易い崖を歩いているものだ。自力のあらゆる検討のあげく、限度と絶望を知っているから。

その道を究める人は、あらゆる可能性を試しているからこそ、現実的と我々が思うものについては研究し尽くしているんです。
だから、目に見えないものの可能性も追いかける。

私は先生が言っていることを概ね信じています。
あるいは、青空文庫で坂口安吾のエッセイを読む前だったら、「この人ちょっと怖い」と思って、別のお店に行っていたかもしれない。

しかし、私は読んだ人間だった。だから、今もここのお店に通い続けているし、体調はどんどん良くなってきている。

青空文庫がエンドコンテンツだっていう理由は、こういうところにあるんじゃないかなと思う。

私たちは物語で体験した出来事を、現実で再び思い起こすことで体験する。
一度の体験ではわからなかった「オマケ要素」を遊ぶことができる。

まあ、それが青空文庫である必要はないのかもしれないけれど、無料で膨大な作品が読めるというのがこのサイトの強みなので、良かったら読んでみてほしいなと思います。

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