今回は、連結決算をする連結範囲について説明します。
平たく言うと、連結する子会社の定義となります。
連結判定フローとして、以下のざっくり2つとなります。
Ⅰ)その会社が子会社に判定されるかどうか?
Ⅱ)子会社認定された会社が重要かどうか
以下、掘り下げていきます。
Ⅰ)その会社が子会社に判定されるかどうか?
連結決算の観点として、子会社になるかどうかは、実質的にその会社の経営を支配できているかどうかで判断します。
1:議決権の過半数があるか(50%ちょうどではだめです。)
⇒通常は、議決権=株式だと思いますので、その株式の過半数をもつと株式会社の最高意思決定機関である株主総会を牛耳れるため、その会社の経営を支配しているといえるので、子会社とみなされます。
2:議決権をそこそこ持っていて(40%~50%)、実質的に支配しているという事実がある場合
・議決権を過半数はいってないものの、そこそこの議決権は保有
+その会社の経営の意思決定するうえで、下記のいづれかを満たすか
・近しい関係の人(緊密者※)と合わせて過半数を保有
・人的関係として、取締役会の過半数を占めている役員を派遣しているか
・その会社の事業上、重要な融資などをしているか
・その会社の事業上、需要な影響を与える契約を結んでいるか
・その他、その会社の事業上、重要な影響を与える事実があるか
⇒こちらは議決権の過半数はとれていないものの、ほかの事実と合わせて、実質的にその会社を支配しているとみなされるので、子会社として見做されます。
※緊密者の定義も適用指針に記載あるのですが、平たくいうと、同じ意思決定をしてくれる人で、関連会社(議決権20%以上)や親会社の取締役やその近親者また経営上の重要な関係性がある人
3:自分+近しい関係の人(緊密者)と合わせて過半数を保有しており、加えて経営を支配しているという事実がある場合
・議決権を過半数はいってないものの、そこそこの議決権は保有
・近しい関係の人(緊密者)と合わせて過半数を保有
+その会社の経営の意思決定するうえで、下記のいづれかを満たすか
・人的関係として、取締役会の過半数を占めている役員を派遣しているか
・その会社の事業上、重要な融資などをしているか
・その会社の事業上、需要な影響を与える契約を結んでいるか
・その他、その会社の事業上、重要な影響を与える事実があるか
⇒2との違いは、自分だけでは議決権の影響が少ないため、近しい関係の人と合わせて議決権の過半数を占有し、加えてその他事実があった場合に、その会社を実質的に支配していることから子会社とみなされます。
Ⅱ)子会社認定された会社が重要かどうか
こちらは、重要性判定です。
その子会社の財務諸表数値の重要性が低い場合には、連結対象外としてもよいよ、っていうルールがあります。
こちらを悪用して、連結外しをして、連結除外した子会社に赤字をしわ寄せして、連結全体では黒字に見せかけるような粉飾した会社もあり、会計監査人はこのあたりを重点的にチェックするようです。
ルールとして、以下の4つがあります。いづれも分母は連結全体数値、分子は重要性判定を行う会社の数値となります。
・資産基準
・売上高基準
・当期純利益基準
・利益剰余金基準
具体的に何%以下であれば重要性がないといえる基準は設定されていません。
その会社の規模、業態によって会社側が会計監査人と設定することになるようです。ざっくりベースで、だいたい5%を採用しているところが多いのではないでしょうか。
私見となりますが、重要性は除外することができる、というルールなので、いちいち重要性判定せずに、全部連結をしたらよいのでは、と思っています。
毎年、金額判定をしなければいけないので、事務手間が増えるだけでは、と個人的には思っています。
さて、子会社の定義について、簡単に説明しました。
子会社判定は毎年したほうがよいですので、決算期でない閑散期に情報収集を行い、判定するのがよいのでないでしょうか。
持分法適用かどうかも子会社の上述ルールと似ていますが、今回は長くなるため割愛します。
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