【国家資格キャリコン面接試験ポイント・その18】面接ロールプレイで4Sを使うためには

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こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋と申します。
このブログでは国家資格キャリアコンサルタント試験のポイントについて語っていきたいと思います。

前回は傾聴で意識した二人の自分ということで面接ロールプレイを主観だけでなく客観的に捉えることの必要性をお話ししました。

今回はたまに質問を受けるのですが、面接ロールプレイで4Sを使う場合について考えてみたいと思います。

4Sというのはシュロスバーグが提唱した転機を乗り越えるための考え方です。シュロスバーグは転機を、

イベント  …予期していた出来事が起こること
ノンイベント…予期していた出来事が起こらないこと

と定義しています。

例えば、大学を卒業して会社に就職することを考えてみます。
この時、望む会社に入社できた場合(イベント)もあれば、内定が1社も取れずに就職浪人してしまうこと(ノンイベント)もあります。
このように見ると、就職は転機と捉えることができますね。

こうした転機に際し、どのように考え、行動していけば良いかをシュロスバーグは体系化しており、4Sはこの中の含まれる考え方なのです。

シュロスバーグは転機に際し、このような流れで考えることを提唱しています。

1.転機の見極め
2.リソースの点検(4S)
3.変化の受け止め

1.転機の見極め
ここは先ほどのイベントやノンイベントによる転機を意識する段階です。
シュロスバーグはこの転機を4つの変化で表現しています。

・役割の変化
・人間関係の変化
・日常生活の変化
・考え方の変化

転機においてはこういった変化が起こります。だとすれば、このような変化を見定めることで転機に対して対策を取ることができるようになります。

2.リソースの点検(4S)
ここでいよいよ4Sという考え方が出てきます。
4Sというのは、その時点で自分が扱うことができる力のことで「リソース」と呼びます。転機に際し、自分がどのようなリソースを持っており、どのように活用することができるのかを見定めるために、自分自身の棚卸をするのです。この時に4Sが使われます。
4Sは以下を表しています。

状況(Situation) …転機が自分がどのように捉えるかを考えること
自己(Self) …自分自身の性格、内面、趣味志向など、自分自身を把握すること
支援(Support) …転機において人や組織などから支援してもらえる外的なリソースを把握すること
戦略(Strategies)…状況、自己、支援を把握した上で、どのように転機に対処するかの方針を立てること

実際には4Sに関連する質問を1つずつしていくことで、自分自身の持つリソースを確認していく作業になります。

3.変化の受け止め
4Sによって自分のリソースが明らかになった上で、転機による変化を受け止めます。ここでいう「受け止め」とは対策を立てて行動することです。

先の4Sによって、自分自身の状況を利用することもあるでしょうし、自身の能力を生かすこともあるでしょう。または、支援により明らかになった外的リソースの活用や、戦略による具体的な対策を実践することもあります。

このように転機に対して取り組むことで、転機を乗り越えることをシュロスバーグは提唱しています。


で、ここまでは4Sの話の概要なんですが、これを面接ロールプレイで使ってみようというのが今回のお話です。。。

ただ、ここまでご覧いただいた方はこれをどう面接ロールプレイに活かせばいいの?と思うかもしれません。

そうなんです。
実は、この4Sは自分のリソースを棚卸するために使われるフレームワークなので、これをそのまま面接ロールプレイに落とし込むのは少し難しさがあります。

例えば、先ほど説明したように4Sについて一つずつ棚卸したとしましょう。
そうして15分の面接ロールプレイが終わったとします。面接ロールプレイの後には口頭試問が待っています。
そこで、「キャリコン視点の問題は何か」と訊かれたら、どう答えますか…?

つまり、4Sというのは転機を乗り越えるために自分の持つリソースを棚卸するための手法であることを正しく理解しておかないと、実際の面接ロールプレイで行き詰ってしまうことがあるのです。

そのため、私個人は4Sを面接ロールプレイで使うことはないのですが、もし使うとするならこのような考え方ができると思います。

活用法1:問題把握のタイミングで使用する
問題把握の際、4Sでリソースの棚卸をすることで、相談者の考える自分のリソースが明らかになります。その答えを元にキャリコン視点の問題に落とし込むという方法が考えられますね。

活用法2:方策実行のタイミングで使用する
キャリコン視点の問題が把握でき、目標設定後の具体的な行動である方策を考える段階で4Sを使います。
4Sによって自分の持つリソースが棚卸されますので、そこから方策を考えることは有効な方法なのではないかと思います。


尚、間違っていただきたくないのは、4Sを含むシュロスバーグの転機に対する考え方はとても優れていると思いますし、実際に活用されているキャリコンさんもたくさんおられます。

ただ、面接試験という枠で捉えた考え方場合、4Sをそのまま使うのは少しリスクが高いように感じます。
もし、4Sを使ってみようと思われる場合は、上記のように使う場所をあらかじめ決め、必ず事前に練習し感触を掴まれた上で実践されることをお勧めしています。

下記サービスでは4Sを使った面接トレーニングにも対応しております。
もし、ご興味のある方はぜひご参加くださいね。

■【国家資格キャリコン面接試験ポイント】バックナンバーはこちら

それでは、またお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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