【国家資格キャリコン面接試験ポイント・その12】面接を構造化させる具体的な方法

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こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋と申します。
このブログでは国家資格キャリアコンサルタント試験のポイントについて語っていきたいと思います。

前回は質問を使いこなすために必要な訊く方法についてお話ししました。

今回は面接試験を構造化するためのポイントをご紹介したいと思います。

国家資格キャリアコンサルタントの面接試験では評価項目として具体的展開力という項目があります(CC協議会では「展開」、JCDAでは「具体的展開力」と呼びます)。この評価項目は面接を構造化し意識しながら行えているかを問う内容です。

もう少し詳しくお話しすると、キャリコンはただの相談とは違います。
その違いはキャリコンには相談者と信頼関係を築き、一緒に問題を把握し、目標を定め具体的な行動内容を決め、相談者自らが自発的に進んでいくことができるようにサポートする点にあります。

ただ、これを面接試験として捉えた場合、試験官のように傍から見ている人に対して、

「今は関係構築をやっていますよー」
「ここから問題把握に入ってますよー」

のように宣言しながらやることができれば面接が構造化されていることが分かります。…が、これって現実的じゃないですよね。。。

実際の面接はキャリコンと相談者との対話で行われるため、よほどキャリコンが面接の構造化を意識してやらないと、傍から見ている試験官には今がどの段階なのかが分かりづらくなります。
それはつまり、具体的展開の点数を稼ぎづらいということにもなりかねません。。。

そこで、システマティックアプローチ・モデルに準えて面接の各段階の特徴と意識すべきポイントを考えてみます。

関係構築
(特徴)相談者との間で信頼関係を築こうとしており、受容・共感の姿勢で傾聴を行っている段階
(ポイント)気持ちや意図・想いに寄り添うような傾聴をするような振る舞いを意識します

問題把握
(特徴)相談者の来談経緯から問題の本質を探そうとしている段階
(ポイント)問題の本質に対する話の掘り下げが行われるため、特定の話に対して状況、気持ち、意図・想いなどを掘り下げるような振る舞いを意識します

合意形成
(特徴)問題の本質を相談者と合意する段階。キャリコンが捉えた問題の本質を相談者に伝え、相談者が合意することで初めて成立します
(ポイント)ここは合意形成を行うような会話を意識します。つまり、キャリコンが問題の本質を相談者に伝え、そのことに相談者が合意する一連の流れを意識します

目標設定
(特徴)問題の本質から目標を定める段階。ここは問題の本質が解決した姿を相談者に目標として定めてもらいます
(ポイント)先ほどの合意形成と同じように目標を定めるような会話のやり取り意識します。問題の解決した姿を相談者が捉え、それを明示的に目標として定める一連の流れを意識します

方策実行
(特徴)目標に到達するための具体的な方法を検討する段階
(ポイント)ここは目標を実現するための具体的な方法(=問題の本質の解決策)をキャリコンと一緒に考えるような会話のやり取りを意識します

凡そこのような流れで面接は行われますので、これらを意識して面接を行っていれば、最低限試験官から見ても面接を構造化していることが分かります。

ただ、もう一歩踏み込み、各段階の繋ぎを意識できるようになると、より面接の構造化が進みます。
ここでは各段階の繋ぎについてどのような点を意識するのかを考えてみます。

関係構築→問題把握の繋ぎ
ここは関係構築~問題の本質を掘り下げる問題把握に入るため、以下のような繋ぎが考えられます。

「ここからは、〇〇さんの状況をもう少し知りたいので、いくつか質問をさせてください」

このように伝えると、関係構築から問題把握に入ったことを試験官にアピールしやすくなります。

問題把握→合意形成の繋ぎ
ここは問題の本質を把握し、それを相談者に合意してもらうため、以下のような繋ぎが有効です。

「それでは、ここまでの内容を要約させてください…(これまでの内容を要約する)…」
「ここからは私の考えをお話させてもらいたいのですが、よろしいでしょうか?」

ここは二段構えに考えます。
最初にここまでの内容(関係構築~問題把握)を簡単に要約します。
この要約はこれまでの会話の流れをなぞるように話します。当然、会話の流れを振り返っているだけなので、相談者から異論が出ることはありません。
その上で、合意形成に入りたいので、

「私の考えをお話させてもらいたいのですが、よろしいでしょうか?」

のように繋げていきます。
このように繋げることで、前段に要約がこれから話す問題の本質の根拠になるような話の流れになります。

合意形成→目標設定への繋ぎ
ここは合意形成ができた後に目標を定める段階ですので、以下のような繋ぎをお勧めしています。

「それでは、この問題が解決したらどのようになるかイメージしてもらえますか?」

ここは単純に問題が解決した姿を相談者にイメージしてもらい、その結果を目標に設定する流れになります。
この時、相談者がイメージできない場合、コーチング的な手法で考えを促す場合もあれば、ティーチング的な手法で答えを促す場合もあります。いずれにせよ、ここは目標をイメージしてもらうように振舞います。

目標設定→方策実行への繋ぎ
ここは定まった目標に対して具体的な方策を考える段階なので、以下のような繋ぎで進めると分かりやすいと思います。

「それでは、ここからは〇〇さんが定めた目標について、具体的な方法を考えてる時間に充てたいと思うのですが、よろしいですか?」

このように伝えることで、面接が明確に方策実行に入ったことが分かります。こういった表現の仕方は相談者に対してもそうですが、その奥にいる試験官に対しての表現でもあります。


今回は面接を構造化させる具体的な方法についてお話ししました。
ひょっとしたら、今回の内容は少し難しく感じたかもしれませんね。。。

今回のお話で何より大切なことは面接の構造化を意識して実際のロールプレイを行うことです。この意識があるかないかで大きな差が出てきます。

そして、これらはトレーニングによって身につけることができます。
以下のサービスでもこのトレーニングが行えますので、もしご興味のある方はご参加ください!

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それでは、またお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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