【国家資格キャリコン面接試験ポイント・その6】基本的態度とは

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こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋と申します。
このブログでは国家資格キャリアコンサルタント試験のポイントについて語っていきたいと思います。

前回まででシステマティックアプローチ・モデルの流れは一通りご説明しました。一応、練習さえすればこの流れで試験対策としてのキャリコンはできるようになる(はず)です。


しかし、ベースとなる基本的態度の部分のお話ができてなかったので、今回はここについて書きます。(本来はここを最初にお話すればよかったかもしれませんね…)
尚、基本的態度はCC協議会の評価項目「態度」が該当します。JCDAにはその評価項目はありませんが、恐らく基本的態度は何かしら評点に加わると考えておいた方が無難だと思います。

さて、基本的態度とはキャリコンとしての基本的態度のことを言いますが、これだけだと分かりづらいですよね。
ここはCC協議会が発行している「CC試験 試験科目及びその範囲並びにその細目(公示用)」を見てみましょう。

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実技試験
Ⅰ キャリアコンサルティグを行うために必要な技能
1 基本的技能
相談者に対する支援を適切に行うために、以下の1)から4)までの基本的技能を有していること。
1) カウンセリングの技能
① カウンセリングの進め方を体系的に理解した上で、キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができること。
② 傾聴と対話を通して、相談者が抱える課題について相談者と合意、共有することができること。
③ 相談者との関係構築を踏まえ、情報提供、教示、フィードバック等の積極的関わり技法の意義、有効性、導入時期、進め方の留意点等について理解し、適切にこれらを展開することができること。
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少しわかりづらいので私なりの解釈となりますが、

①相談者に対する受容的・共感的な態度
②相談者に対する誠実な態度
③相談者との間に信頼関係を築きながら、相談者が自分で気づき成長できるように振舞うこと
④相談者に対して適切な情報提供、フィードバックなどの積極的関わり技法が使えること

あたりが面接試験に絡んでくる基本的態度なのではないかと思います。
それでは、これらについて1つずつ見ていきましょう。

①相談者に対して受容的・共感的な態度
これはキャリコンにとって基本中の基本ですね。ただ、ここにもポイントがあります。
それは、「受容・共感」をどうやって態度として示すのか?それがイメージできない方がおられるからです。
私はこの「受容・共感」を説明する際、必ず「理解」との違いを考えてもらうようにします。
「受容・共感」「理解」どちらも自分の中に相手の情報をインプットする行為に違いはありません。そのため、一見するとやっている行為は同じに見えるかもしれません。

しかし、大きく違う点があります。それは「誰のために行うのか?」です。

「理解」は自分が知りたいから行うもので、自分のために行うのです。
それに対して「受容・共感」は相手のために行うものです。

実はこの考え方の違いが面接試験では如実に出てきます。
傾聴で相手の話を聴こうとする際、「理解」に走ってしまうと自分の訊きたいことばかり聴いてしまうので、形としては傾聴になっていても信頼関係は深まらないのです。
相手のために聴くからこそ「受容・共感」になり、だからこそ相手との信頼関係を構築していくことに繋がっていきます。

…ちなみに、ですが、この辺の話は一見分かりづらい様に感じるかもしれませんが、見る人が見れば一発でそれが「理解」か「受容・共感」かはわかります。。。


②相談者に対して誠実な態度
これは先ほどの①と分けてお話したいのですが、これも結構大事なポイントで合否に影響を与えかねません。

これは国家、2級技能士共に言える事なのですが、面接ロールプレイに失敗したと感じても、誠実であることから外れないでください。
例えば、面接ロールプレイでクライエント役に反発されたとします。その時、よくやってしまうのは焦ってしまって言い訳をしてしまうこと。もしくはたくさんの言葉で弁明をしようとすること。

これをやってしまうと、一気にクライエントとの信頼関係が崩れてしまい、キャリコンとしての資質がないと判断されてしまいます。
だからこそ、こんな時は、

「私の話が分かりづらく申し訳ありません。よかったら、今お感じになられていることを話してもらってもいいですか?」

のように傾聴に戻り、もう一度受容・共感の姿勢で聴いてみてください。
その結果、面接試験が途中で終わってしまっても構いません。なぜならそれは誠実であることの結果だからです。
途中で終わっても口頭試問で補うことはできます。
実際にそれで合格を勝ち取られている方を私は何人も見てきております。


③相談者との間に信頼関係を築きながら、相談者が自分で気づき成長できるように振舞うこと
これはいくつかの意味があります。
まず「相談者が自分で気づく」という点。自分で気づかせるためにはコーチング的な手法を使うのが手っ取り早いです。

「このまま進むとどうなるでしょうね?」
「これを旦那さんはどう思うでしょうか?」

などのように考えを促すことで相手に気づきを与える方法です。
ただ、これはトレーニングが必要なので、本番ではもう一つ別の「教える(ティーチング)」的な方法を使うことも考えられます(その辺は実際のトレーニングでお話ししています)。

そして「成長できるように振舞う」という点も大切なポイントです。
これを一言で表現すると「目先の問題だけを解決していないか?」です。

例えば、「上司との人間関係に問題がある」というキャリコン視点の問題が分かったとしましょう。それを単に上司との人間関係を解決することだけに執心してしまうのと、上司との人間関係が解決したことでどういったことが起こるのか、どういった状態になるのかをイメージしてもらうのとでは、どちらの方がクライエントの成長を促すことができるでしょうか。答えは後者ですよね。

このように、クライエントの成長に意識を置いておくことも意識しておく必要があります。


④相談者に対して適切な情報提供、フィードバックなどの積極的関わり技法が使えること
ここで意識したいことは「積極的関わり技法」です。
私は「介入」という言葉を使いますが、クライエントに対して情報提供やフィードバックをする時、「私はこう思う」というキャリコンの考えを伝えなければなりません。しかし、時としてそれはクライエントに拒絶されてしまうこともあります。

これは私の感覚ですが、傾聴が上手になればなるほど介入が下手になる傾向があるような気がします。つまり、受容・共感の姿勢が強くなるあまり、キャリコンとして自分の考えを主張することが怖くなってくるのです。

しかし、それだとキャリコンは成り立ちません。
もし、クライエントから反発されたとしても、その反発すらもちゃんと受け止め受容できること、これも大切な基本的態度だと考えます。


今回はかなり長くなってしまいましたが、私が考える基本的態度についてかいつまんでお話させてもらいました。
正直この辺は言葉で説明するとも実際に体験してもらう方が早いと思います。
もし、国家資格を受検される方はぜひ意識してトレーニングをしてみてくださいね!
勿論、以下のサービスでもトレーニングできます!ぜひご活用ください!

■【国家資格キャリコン面接試験ポイント】バックナンバーはこちら!

それでは、またお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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