ドイツ語翻訳裏話⑨

記事
コラム
というわけで、今回で長らく続いたドイツ語裏話シリーズもおしまいです。
名残惜しいですぅ~。

自己満足で書いていしまったのですが、ちょっとでも面白く読んでいただけていたらとても嬉しいです!

依頼者Y様は、タイタニック関連の作品を制作中で、お一人で、すでに半年以上も色々な資料を集め、お調べになっているそうです。
様々なドラマ、ドキュメンタリー、映画を含めて、記事や特集なんかも当たられていたんでしょうね。

そこでY様は、生きた証言、生存者の生の声を集める必要が出てきたのだそうです。
というのも、ドラマや映画、関連本などは、ストーリーを作られたり、改変されたり、事実と違う表現がされたりする。
記事や特集などでも、記者の都合や感覚で真実から遠ざかってしまうこともある。
そもそもで、証言者の記憶があいまいだったり、勘違いだったり・・・
色々食い違いが出てきてしまう、だからこそ、生のインタビュー番組や、証言などに当たる必要がある、ということでした。

膨大な資料をすでにお一人で当たられていたんでしょうねぇ。
すごい情熱です。
その情熱のお手伝いができたとしたら、本当に光栄です。
私の心も、ヒマワリの花でいっぱいになってます!

Y様は、翻訳の資料を提供してくださったり、ご意見をくださったり、すごく頼れる依頼者さんだったんですね。
こんな風に、きめ細やかに対応していただけるのがとっても嬉しかったのです。

私は、それまで、翻訳関係では、登録していた翻訳会社から仕事をもらい、納品し、問題なければ「はい、おしまい」の世界でしたから・・・
直接、依頼者さんと関わることなかったんです。
翻訳で感謝されたこと、なかったんです・・・。ぽろり。

私がなぜ、Y様を天使と女神のごった煮などという表現をしたか。ご理解いただけると思います。
さらに、二度も追加でおひねりくださったんです!!

最初の取り決め金額より1.5倍以上の金額をいただいてしまいました。
恐縮です。
どうもありがとうございます!
大事に使わせていただきます。(ちょうどお仕事終わった後、「トップ画面の作成承ります」と営業されたので、ブログを無駄に書くより、そういう方面に努力の方向を向けようかなぁと思っています)
Y様からいただいた嬉しいオーラをまとったお金を、私が責任もって次の方にお渡ししますね!

今までタイタニックのことなんてあんまり詳しく知らなくて、ジョニデの映画すら見たことなかったんです。
だけど、今回ちょっと覗いて、しみじみ考えてしまいました。

そこで犠牲になったのは、被害にあったのは、身近な誰かなんです。
顔も知らない誰かじゃなくて、隣にいたかもしれない人なんですよね。

タイタニックの犠牲者の情報を当たっているうちに、だんだん私も、感情移入してきてしまって、エマさんの証言、すごく心にしみました。
特に、エマさんが、避難ボートに乗っている時のことを話していたところ。

私、ほとんど聞き取れなかったんです(Y様にお断りした上で英語字幕借用で対応した)。
海は静かで・・・空に星が輝いていて・・・
と、とぎれとぎれにエマさんの声が聞こえるだけ。

インタビュアーの人も「船が沈没した時のことはおいておいて、救助船が来た時のことをお話くださいますか」と声をかけていたので、きっと、すごくつらそうな顔してお話されていたんじゃないかな・・・。
思い出したくない、あのことについては話したくない、そんなお顔されていたのかもですねぇ。

ちょっと翻訳に関連するところだけをつまみ食い的に調べただけでも感情移入できるので、Y様にとってはもっと何か特別な思いがあるんだと思うのですよ。

私が、もし、何かの事故で死んでたとして、私が死んだ後、100年以上も経ってから、こんな風に、本当に残り香しかないような状況の中でも、真実の声を探そうとしている人がいたら・・・
天から思いっきり応援します!!

素敵な作品が完成するといいですね。楽しみです。

偶然に、見つけたスイスの別のラジオ番組で(もしかして、書き起こしたものがないかと探していた途中に見つけた・笑)、エマさんが家族にあてた手紙が紹介されていました。
船の沈没を避難ボートから眺めていた時のことを書いてある部分です。

「あれを体験した時、私がどんな気持ちだったのかなんて説明できません。
混乱、泣き叫び、嘆き、二時間の間、想像を絶することでした。私はあの立派な船が沈むところを見ました。水に沈んでしまうとは思っていなかったのです。明りは最後まで付いていましたし、音楽も最後まで演奏されていました。
可哀そうな演奏していた人たちは、音楽でみんなを勇気づけようと、自分たちのためにも、演奏していたのでしょう。海は静かでした。空には星がいっぱい見えていました。周りに氷山があるので、とても寒かったです。ボートには30人ほどが乗り合わせていました。みんな船底に寝そべって、暖まろうとしていました。私はあの旅で体験したことを決して忘れません。多くの女性たちが、夫をなくし、子をなくして、凍えてしまっている人もいたし、すっかり茫然自失で気がふれてしまったような人もいました。私はこんな悲しい光景を2度と見たくありません」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後にY様に色々アンケートお願いしたんですね。
めっちゃ丁寧に書いてくださって、感謝です。
ほんの一言でよかったのにー。忙しい時にお手間とらせてしまってスマンでした。

どうして私に依頼してくださったんですか?という問いにY様は丁寧に答えてくださいました。。

・まず、最終ログインがあんまり昔ではないこと。
最後のログインが数か月前・・・とかだったら、確かにお仕事依頼しにくいですよね。

・お値段か手頃だったこと。
私の場合、翻訳関係は最低でも受け取りたい金額書いてます。
1000円以下だと、手数料引かれたらろくに残らないですからねぇ。

占い関係は、逆に高く設定してあります。2000円。理由は前にもブログで書いたことあるんですが、無料~500円くらいだと占いの場合は逆によくない。

・そして、Y様の気まぐれ天使っぷりが垣間見れる回答
「あえて、まだ評価のついていない出品者に仕事を頼んで、ポジティブな評価をしてあげたい」と!!
それがきっかけで、依頼が増えたり、その後活躍すると嬉しいそうです。達成感があるんだって。

私の依頼者様、天使で女神でしょ?!
こんな風にお仕事を頼んでくれる人がたくさんいたら、とっても素敵な空間が広がりますね。私も見習いたいと思います。

おしまい

Y様、どうもありがとう!頑張ってくださいね。また何かありましたら、ぜひ声かけてください。
ブログも毎回読んでくださって、感謝です。
とっても楽しいお仕事をありがとうございました。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す