男が選んではいけない女~女よりも弱きもの~

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コラム
女が選んではいけない男が存在するということは、男が選んではいけない女というものも存在します。

よく例に出されるのは、カルメンやサロメなどが代表としてあげられる「ファム・ファタール」。
運命の女性、宿命の女性などと訳されます。
意味的に言えば「致命的な女性」ということです。命に係わるので・・・。その女を知る前、知った後では決定的に世界観が変わってしまうくらいの影響力を男に対して及ぼすのです。

その女と関わったばかりに、薬やアルコールにおぼれてしまうとか借金まみれくらいならまだいいが・・・その女を殺してしまい、殺人者になるとか・・・その女にそそのかされて犯罪者になってしまうとか・・・関わったら最後、もう、もとには戻れない決定的な出来事になってしまうんですね。

だが、このファム・ファタール、文学や芸術のモチーフになりやすい。
決して男たちが嫌がっている、嫌悪しているというわけではなさそう・・・いや、むしろ喜んでるっぽい?

「どうして俺はこうなっちまったんだ、これというのもあの女が・・・ちくしょう」といいつつも、「それにしても、いい女だったぜ」と一人悦に入ってるような(笑)
キモいですね・・・失礼しました。

地獄の底を覗いてみたい願望・・・一人ではできないが誰かと一緒なら、加速度的に落ちていく。
もともとあった男の中の願望を実現させてくれる「女神さま」ともいえるのかもしれませんね。

地獄への案内人としての存在の「ファム・ファタール」もいれば、逆に
「救済」の役割を担う女もおります。

有名なところで言えば、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」のヒロイン。呪いをかけられたオランダ人のため命を投げだす女です。結果的に救済へと導きます。

現代風に言えば、母親に捨てられて女性不信だった不良少年を慈愛を持って更生させる優等生女子。みたいな?

その対比が楽しめる作品がやっぱりワーグナーの「タンホイザー」。
快楽のヴェーヌス、そして聖女のようなエリザベートの間で揺れ動く男心・・・。

女性の中には、「更生させたい願望」のある人がいます。
ちょっと斜に構えた不良少年を、まっとうな道に戻してあげたい願望のある人ですね。
注)ただし、美人に限る

そもそもで、余計なお世話です!
このような女というのは、大人しそうに見えて、実はかなり野心のある女です。

男に対する影響力を思う存分発揮したい。
ここに尽きるのですよ。
男を使って、自分の力を振るいたい。
自己実現の手段として、自分の野心の表現対象、入れ物としての「男」を使っているという見方もできるからです。

それだけ、女というものは、過去にさかのぼれば、抑圧されていたのだということになりますかね・・・
女が自己表現をしようとしたら、男をうまく使うしかない。
自分の子供、特に息子に対して支配力を発揮する母親とかね。

現代ではこのタイプの女性は「正義」や「常識」「世間の目」または「信仰」を振りかざし、自分の正当性を主張するような方向に走りがち。
自粛警察のようなことをしそうですね・・・。

自己実現、自己表現するために、現代では男を利用するより、「正義」や「常識」の方が実は使い勝手がよいと気づいてるのです。
絶対的権威のあるものを利用する方が確実ですからね。

というわけで、この二つのタイプの女性は、色々めんどくさいので男は関わるべきではない。関わってしまったら・・・

己の未熟さを嘆くがよいわ!(→魔王?)

この二種類には当てはまらないが、ものすごい破壊力を持つ存在がいる。
私が思う、男が選んではいけない女、ぶっちぎり第一位は、「女よりも弱きもの」。一見、無害に見えるフツーの女。

「金色夜叉」という小説のネタになったと言われているアメリカの小説(だったと思う)。
タイトルが「女よりも弱きもの」
寛一とお宮・・・もとはアメリカ人だったんですね(笑)

恋人を振って、金持ちと結婚した女。
復讐のために金持ちになって戻ってきた元恋人に対して、女は言うのです。

「私は女よりも弱きものなのです」と。
この期に及んでもあなたを選べない私の意気地のなさを許してください。
金に目がくらんで結婚したが、心は満たされない。だけど、今の豊かな生活を捨てることはできないの~!!

「男を決定的に変えてしまう」ファム・ファタール的な要素はあるものの、どこか覚悟がない、ふらふらしてる、信念がなく、決断できない・・・
自分のことしか考えてないです、この人(笑)
自ら決断できないことで、自らを不幸にしていく女、周りを振り回す女・・・。最悪です。

こんな女とは知らずに関わってしまった男性が、女性嫌悪、女性差別主義者になったとしても、私はその男性を責められないですね。むしろ同情しますよ。

まぁ、フラれた腹いせに、何年も執念深く復讐しにくる男なんて・・・どっちもどっちですけどねぇ。

だけど、この女性はまだいい・・・自分で「私は女よりも弱きものなのです」と自覚してるんですもん。

最近、私はこれよりももっとひどい無自覚な女がヒロインである小説を読んだんです!
驚愕の最悪女、サターンの破壊力を凌駕するプルートーですわ!

次回「疑いと絶望の間」
~続く~
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